ひろの東本西走!?

読書、音楽、映画、建築、まち歩き、ランニング、山歩き、サッカー、グルメ? など好きなことがいっぱい!

平井産業

2009-03-30 23:13:46 | 近代建築

先日、とあることがきっかけとなってネットでその存在を知った「平井産業」の建物を見にいきました。平井産業は丹後ちりめんを扱う会社とのことで、烏丸御池から西に進み、新町通りを少し下った東側にありました。

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既にネットの写真を見ていましたが、いやあ驚きの建物です。ぱっと目につくのは、やはり紅いべんがら壁(?)と見事なステンドグラスでしょうか。また、竹で作った暖簾、窓の格子、外灯なども素晴らしいです。

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伝統的な京の町屋をちょっと崩した感じのような気もしますが、和と洋の組み合わせは強烈なインパクトと共に独特な風情があって美しいです。このくらいの小ぶりな建物で、形・大きさ・デザイン・色使いなどの点でこれだけ多様なステンドグラスが見えているものはちょっと記憶にないですね。

当初からこれだけのステンドグラスがあったのでしょうか?多様性から考えると、少しずつ増えてきたとか?この建物は「京都市歴史的意匠建造物」に指定されているので、オリジナルから大きく変わったということはないのでしょうね。玄関からガラス越に少し中を拝見すると、内部にもステンドグラスがはまっているようでした。これもちょっとした驚きです。

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また、建物の前には昔懐かしい鋳鉄製の丸型ポスト(正式名称:郵便差出箱一号丸型)もあって、いい感じです。銘板によると、このポストは京都で最初に設置されたものだそうで、記念性も十分です。

平井産業の建築データはよく分からないのですが、和風とはいえこれだけ見応えのある建物のことを知らなかったのはちょっと不思議な気もします。地元では結構有名だったのでしょうね。実は平井産業はここから移転されたそうで、この素晴らしい建物が今後も何らかの形で活用されることを祈ります。建築ファンとしては、でき得れば内部も公開して頂けるとありがたいですね。

のりみさんも探訪されたそうです(2009-6-18)


多木浜洋館(あかがね御殿)

2009-03-24 23:58:50 | 近代建築

全国的に晴れて絶好の探訪日和となった土曜日、久々にやや遠出をして兵庫県西部の播磨地区:加古川(別府)・高砂方面を探訪しました。今回の最大の目的は「多木浜洋館」、通称「あかがね御殿」を見ることです。

この建物、以前から名前は知っていたものの、やや不便な場所に立地していることもあって、以前に加古川市内を探訪したときにもここには足を運びませんでした。しかし先日、sunshine-worksさんのブログ”近代建築Watch”で「あかがね御殿」の大判で素晴らしい写真の数々を拝見し、これはぜひとも行かねば!と感じ、天気の良い休日を待ちかねておりました。

◎mini-mini32さんのブログ”カフェ・ロッジ パルチザン”でもアップされています。
  細部の写真もいっぱいです。 (2011.1.22追加) 
  mayumamaさんも探訪され、”m's diary” にアップされています。
                            (2011.3.3追加)    

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「あかがね御殿」は多木化学の創業者である多木久米次郎が加古川市内に建てた木造(?)三階建て(一部、四階建て)の洋館です。既にsunshine-worksさんのブログで素晴らしい写真を見ていたので驚愕といった感じはありませんでしたが、実物を目の前にすると、偉容であり、まさに奇想の建物です。登録文化財ではあるものの、通常は内部公開されていないようですし門扉も閉ざされていたので、撮影スポットを探して外周を何度もウロウロしました。デザイン的には何と言えばよいのでしょうか?外観は意外と凹凸が少なくおとなし目のように見えて、屋根の重なり具合は複雑ですし、数多くの窓と庇が生み出す陰影がリズム感と適度な変化を与えています。「あかがね御殿」の名のごとく、今は緑青をふいている外壁の銅が”あかがね色”に輝いていた頃の眺めはさぞかし凄かったことと思われます。秋のつるべおとしの夕日がよく似合ったかもしれませんね。また、この建物は見る方向によってスラッと見えたりずんぐり見えたり、随分と表情というか印象が変わるのも興味深かったです。

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北面では門扉が素晴らしく、建物の煉瓦造の土台や同じく煉瓦造の塀なども趣あり。この門扉は和・洋・中の折衷のようで不思議な佇まいです。多木化学の社章である2本の鍬の柄のマークがこの建物の至る所に見られたのも興味深かったです。実はこのマークは別府の町のあちここちでも見かけることになるのですが。

現在、隣接地にスポーツセンターなどはありますが、四周からこの建物を眺めることができるのは素晴らしいことだと思います。曇りであれば、時間帯(太陽光線の向き)を気にせずに写真を撮れるのですが、この日はやや霞がかってはいたものの快晴で、結局、午前9時20頃から、別府(AM)→高砂→別府(PM)と移動し、あかがね御殿は午前と午後の2回に分けて写真を撮りました。

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実は私、別府を「べふ」と読むことすら知りませんでした。帰宅後、改めて多木化学や多木氏のことをネットで調べて、歴史的な背景を確認したのですが、多木化学の製品を運ぶために鉄道会社を設立するなど、地元ではすごい名家のようです。町のあちこちで、多木の名前や先ほど書いたような社章のマークを見ましたし。

「あかがね御殿」は偉容であり、奇想の建物とも書きましたが、地域のランドマークであると共に優れた建築物・文化遺産であることは間違いありません。これからもこの景観が維持され、誇り高く素晴らしい姿をずっと見せてもらいたいものです。

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読書力(斎藤孝)

2009-03-21 00:09:07 | 本と雑誌

Dokusyoryoku1 読書力(岩波新書)
★★★★☆’:85点

斎藤孝氏が読書について熱く語った素晴らしい本です。斎藤氏にとってはやや古い著作(2002年)で、書名・テーマ的に当然読んでいて不思議なのに、何故かこれまで読んでいませんでした。

読み始めてすぐに、この本には良いと思うところが多いと判断し、いつもよくやるページの端折りやメモパッド貼りもあまりせず、なるべく集中して読むようにしました。特に、序章「読書力とは何か」、第1章「自分をつくる-自己形成としての読書」が素晴らしかったです。

まずは、「まえがき」より抜粋。

日本ではいつのまにか、本は、「当然読むべきもの」から「別に読まなくてもいい」ものへと変化してしまった。読書は・・・・ぜひとも習慣化すべき「技」だと頑固に考えている。「読書力」は日本の地力。私は、この国は読書立国だと勝手に考えている。読書力さえあればなんとかなる。数多くの学生たちを見てきて、しばしば切実にそう思う。

「単なる娯楽のためだけではなく」、「多少とも精神の緊張を伴う読書」が、この本のテーマだ。ちょっときついけれども楽しい。この感覚を読書で子どもたちに、そして大人たちに味わってもらいたい。この感覚があれば、どの本を読むのかはやがて自分で決めていけるし、ゆたかな世界へ入っていける。

一部省略していますが、この「まえがき」をここまで読んだだけで、激しく同意。”「単なる娯楽のためだけではなく」、「多少とも精神の緊張を伴う読書」”は、最近、楽しみのための読書が殆どである私にとってやや耳の痛い意見ですが、その意図は十分に理解できます。

「読書力がある」ことの1つの目安のラインとして、「文庫100冊・新書50冊を読んだ」というものが掲げられているのも具体的で良いと思います。文庫については、推理小説や完全な娯楽本を除いたもので、星新一のショートショートは質が高いものの除外。漱石の名作群は問題なし。司馬遼太郎の小説あたりが境界線というハイレベルなものです。期間については、文庫100冊は4年間でとなっていました。

期間は別として、私は数で言えば「文庫100冊・新書50冊を読んだ」は楽にクリアしているものの、質を問われると疑問符がつきますね。哲学書・思想書・経済書は殆ど未読ですし、人文科学・社会科学系の読書量は少ないです。外国人の著書も一部の小説以外は殆ど読んでいません。人によって嗜好の違いもあるので、斎藤氏の基準に必ずしもぴったりと適合しなくてもやむなしと思いますが、「いきの構造」「風土」「陰影礼賛」「忘れられた日本人」などは、やはり読んでみないといけないかな?

第1章「自分をつくる-自己形成としての読書」では、「一人になる」時間の楽しさを知る、自分と向き合う厳しさとしての読書、単独者として門を叩く、経験を確認する、人間劇場、読書自体が体験となる読書などの項目が良かったです。また、第3章「自分を広げる-読書はコミュニケーション力の基礎だ」の内容にもうなずけるものが多かったです。そう、まえがきにもあったように、読書力さえあれば色んなことにおいてなんとかなると思います。

巻末の「文庫百選」-読書力おすすめブックリスト-も面白かったし、良かったですね。私が読んだことがあるのは15、6冊でしたけれど。ここに挙げられてる本もいずれ読みたいなあと思いました。

この「読書力」を読んで、感銘・共感を覚える人、ああそうなんだなあ・・・とか なるほどなあ・・・と思う人、「うんうん、そうそう」とうなずく人、そして、いささかの劣等感を抱く人(読書力の無い人は劣等感すら抱かないはずなので)。そういう人であれば、私は洞察力・総合判断力のある人、きちんと自己形成ができている人/できる人、人の話をきちんと聞いて理解し自分の考えもきちんと伝えることができる人、として信頼するに足る人と判断して良いと思います。もちろん読書力だけですべてが決まる訳ではありませんが、人を評価する一つの大きな基準になると思います。これからは、「楽しみのための読書」の中に「多少とも精神の緊張を伴う読書」も混ぜていきたいものです。なかなか難しいとは思いますけれど。

(「BOOK」データベースより)
本を読むことの意味は何?案外答えにくい問いに、「読書によって…の力がつく」という形で考え、コミュニケーションの力、人間を理解する力との関わりを示します。自分をつくり、鍛え、広げることが、読書とどう結びついているかを述べて、あらためて読書の本質を見つめます。心に残るフレーズ、工夫の手がかりも満載です。


スキー旅行in白馬コルチナ

2009-03-18 00:33:42 | 旅行記

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2日目、7時前に起床して外を見ると、待望の晴れです。

1年前のプラハ・ウィーン旅行でも前半:雨、後半:晴れでしたが、最近、我が家の旅行はこのようなパターンが多いです。気分的には後から晴れる方が良いですね。昨年の北海道スキーでも最終日に晴れましたが、飛行機の便の関係で午前中しか滑れず、ちょっと勿体ない気もしました。今年は夜行バスなので、夕方まで滑ることが可能です。

爆睡している子供たちに「早く起きろ!さっと食べてゲレンデに行くぞ!」とハッパをかけます。しかし、滑る前に荷造りをしてチェックアウトせねばならず、結局この日も滑り始めたのは9時過ぎとなってしまいました。ですが、日曜日にも関わらずリフト前の行列は殆どなく、滑りたい放題となりました。

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私と妻は前日夕方の時点で既に膝や太ももに疲れを感じていたのですが、天気が良くて気分爽快!前日の疲れも(一応)吹っ飛びました。この日はリフトを乗り継いで、2つある山頂に計3回登りました。私は後立山連峰と言われる鹿島槍ヶ岳、五竜岳、唐松岳など、かつて夏山で歩いた山々の雄姿を眺めて感慨深いものもありました。また、夏山にも登りたいものです。山頂からは林間コースを経てゲレンデに出ます。ボーゲンにはかなりの自信を持つ妻や子供たちは幅の狭い林間コースもそう苦にする感じなく、軽快に滑っていきました。逆に両足を揃えようとした私がやや苦戦(汗)。

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信州の雪はやはり北海道のサラサラっとしたパウダー・スノー、アスピリン・スノーとは違って水分の多い雪でした。午後からは前夜に積もった雪がとけてきて、ややシャバシャバっとした感じにもなりましたが、私たちには十分でしたね。天気が良くてゲレンデがすいていればもう申し分なしです。

朝から4人でガンガン滑り続けたものの、私と妻は次第に足の疲れが増大して踏ん張れなくなり、結局、15時30分くらいで滑るのをやめて、ゲレンデの直ぐ前にあるホテルのレストランでのーんびりとお茶を楽しみました。息子たちは更に滑りたいということで、メインのゲレンデ(約1kmあります)限定で、後は子供2人でリフトに乗って滑りまくっていました。元気やねえ。

レストランの窓際の席からは、リフト乗り場がちょうど見え、「あと1~2分で降りてくるなあ。あ、来た来た!」などと言っておりました。二人で競争したりしながらも結構仲良く滑ってリフトに乗っていたようです。

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結局、第1日目:リフト15~16本分、第2日目:私と妻は15本分くらい? 息子たちは18~20本分くらいを滑りました。2人ともサッカーをやっており、今回、総合体力ではお父さんは敗北です。体重による足の負担も大きかったかな?特に長男は原則として土日もクラブがあるので、かなり体力がついてきているようです。また、ことスキーに関しては、かなりのガッツを見せてくれました。この頑張りが普段からもっと出ればなあ。。。次男は初日にうまくブレーキがかからずに怒って泣いたりしていましたが、その後はよく頑張りました。

途中、全員の滑りを一度だけビデオ・カメラで撮りましたが、そこそこのスピード感で滑っているつもりが、映像で見るとゆっくりだったり、2本の板をそろえて滑っているつもりが、かなりのハの字形になっていたりで、傑作でした。なかなか難しいものですね。写真を見ると、兄弟でフォームがよく似ていますね。

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今回宿泊したホテルは「ホテルグリーンプラザ白馬」です。ゲレンデはホテル(裏)に広がっており、しかも放射線状の配置なのでとても便利でした。

建物はヨーロッパのハーフ・チンバー風の美しい建物です。もちろん、本物のハーフ・チンバーではなく、木に相当する部分にはかなりプラスチックも使われていたようですが、赤い屋根も色鮮やかで、写真映えのする建物ですね。上の写真のゲレンデは、最後、ホテルに向かって落ちていくような感じになっており、このスキー場の見どころの一つだと思います。

土曜日の夜にあったホワイト・デー花火大会は、専門の花火業者が打ち上げるのではなく、何とパトロール隊の隊長さんが自ら打ち上げるというものでした。トータルで10発ちょっという超短時間の花火大会でしたが、女性にはクッキーのプレゼントがあったり、ご愛敬ということで良かったと思います。

子供たちとの家族スキーは琵琶湖バレー、函館山、北海道(キロロ)に続いて4回目でした。その間、子供たちをスクールに入れたのは函館山のみでした。それ以外はあまり教えることなく、見よう見まねで滑っているのですが、いつの間にか、初級~中級手前くらいのゲレンデであれば、そう怖がることなく滑れるようになりました。でも、基礎はきちんと身につけるべきなんでしょうね。私自身は横滑りを多用するクセが抜けず、このままでは上手くなる可能性はゼロです(汗)。

昨年の北海道スキーは、飛行機利用・ホテル宿泊2日間ということもあってツアー料金だけでウン十万円かかりましたが、今回はバス利用・ホテル宿泊1日でツアー料金はほぼ半額でした。北海道のパウダー・スノーは魅力的ではありますが、晴れさえすれば、信州でも十分かなと思いました。今回、空いていて滑りたい放題だったのも好印象につながっていますね。


信州のスキー場より

2009-03-14 20:38:37 | 旅行記

家族スキーで長野県の白馬コルチナスキー場に来ています。昨年は長男の中学合格祝いも兼ねてゴージャスに北海道(キロロ・スキーリゾ-ト)へ出かけたのですが、今年はちょっと控えめに信州にしました。

今回は休みの関係もあって、家族旅行では初の夜行バス利用です。昨夜の22時30分頃に集合場所の吹田を出発したのですが、今回は子ども連れだし、ゆったりとしたかったので、追加料金を払って定員28人のデラックスバスにしました。それでも私はグッスリ寝れるということはなかったですね。子ども達はスヤスヤでしたけど。

今朝早く(6時30分頃)にホテルに着いたときはかなり雨が降っており、「あ~ぁ・・・」だったのですが、9時過ぎに滑り始めたときは雪がチラホラに変わっており、その後は曇り→やや晴れ→曇り→雪(やや吹雪)とめまぐるしく天候が変化しました。しかし、雨でさえなければOKです。天候のせいもあってかスキーヤー・スノーボーダー共に少な目で、リフト待ち≒ゼロの滑りたい放題。結局この日は16時30分に滑り終わるまでに、家族全員、15~16回リフトに乗って滑りまくりました。私と妻は初日だけで早くも太ももが痛くなっております(^_^;

明日は晴れそうです。私と妻は朝から筋肉痛との戦いになりそうですが、せっかくなので頑張って滑るぞー!!

※2009.3.16写真追加、記事微修正

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