ひろの東本西走!?

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東北大学・記念資料室(旧東北帝国大学付属図書館)

2009-08-30 11:10:00 | 近代建築

東北大学・記念資料室(旧東北帝国大学付属図書館 竣工:大正14年)です。現在、gipsypapaさんがブログ”レトロな建物を訪ねて”で東北大学の歴史的で素晴らしい建物を集中的に紹介しておられ、この建物についても晴れた日の美しい写真が多数アップされています。

私が東北大学・片平キャンパスを探訪したのは昨年の11月末と今年の2月上旬の2回です。11月に訪れたときはあいにくの雨模様だったこともあって、雨やどりも兼ねて差し支えのなさそうな範囲内で校舎内部も拝見させて頂きました。当日、記念資料室では「歴史のなかの東北大学」という企画展が開催されており、ここではこれを見学することにしました。と言うことで、”gipsypapaさんとの勝手にコラボ”をもう少し続けさせて頂きます。gipsypapaさん、ご了承くださいね。

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展示は2階のホール(? かつての閲覧室でしょうか)で行われており、建築的には壁の上部から天井にかけてのゆるやかなカーブが優美で、伸びやかな空間になっていました。そこに開けられた半円アーチ窓との取り合い部がデザイン的にも味わいありです。また、半円アーチ窓内側の桟のデザインは蜘蛛の巣状で(?)これも面白いと思いました。

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ここで一番驚いたのは「御真影奉安庫」の展示でした。天皇・皇族の写真の保管庫として昭和9年の作製。写真は終戦と共に返上され、戦後は重要書類の保管庫として転用されていたとのこと。旧帝大で保管されているものは他に例がないそうです。私は奉安庫とか奉安殿の実物を目の前で見たのは初めてで、他の展示物の間にさりげなく置かれていて驚きました。内部は桐で作られているのだと思いますが、説明は内部に小さなパネルがあったのみでした。

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その他、失われてしまった古い建物の写真も多数展示されていました。外壁の一部がモニュメント的に残されている「金属材料研究所」などまさに偉容です。片平キャンパスにこれらが全て残っていたら、それはそれは凄い眺めだったことでしょうね。

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下の写真は旧仙台高等工業学校講堂・旧東北帝大中央講堂の内部に使用されていた飾り柱です。部屋の片隅にひっそりと置かれていました。

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記念資料室の内部は比較的シンプルでしたが、階段の親柱などは昔からのものだと思います。

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最後に、2月の晴れたときに撮った写真を2枚掲げます。
但し、正面は逆光だったので、これらは背面のものです。

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終わらない夏?

2009-08-28 23:55:00 | スポーツ

世界陸上が終わり(やっぱりボルトは凄かった!マラソンの尾崎選手・佐藤選手は素晴らしかったです!やり投げの村上選手は驚き&嬉しい銅メダルでしたね)、夏の高校野球も終わり、まだまだ暑さは残っているものの朝晩には秋めいた風も感じられ、夏も終わりなんだなあと感じる今日この頃です。夏休み前にインフルエンザで学校閉鎖となった次男の小学校は昨日から2学期が始まりました。

高校野球決勝戦はまさに”野球は9回2アウトから”の言葉通りの凄いゲームになったのですね。このゲームをリアルタイムで、かつ現地で見ていたら、その感動度はさぞかし凄かったんやろなあ。。。TVででもいいからリアルタイムで見たかったなあ。。。もちろん勤務時間内だったのでTV観戦もあり得なかったのですが。

さて、我が母校の大阪府予選の試合についてその観戦記をブログにも書きましたが、この夏の大阪府予選、実はもう1試合を見に行きました。長男(中2)が通っている中高一貫校(これもM高校です)の試合です。長男はサッカー部であり、野球部と直接のつながりはないのですが、どんなチームカラーでどんな試合をするのか(かつては全国制覇もした伝統校ですが、近年は・・・)興味があって急きょ観戦したものです。

まず、先に試合結果だけを示します。

   S高校 0 0 3 0 3 0 1 0 1 | 8
     M高校 0 2 0 3 0 0 2 0 0 | 7

先制→逆転され→逆転し→再逆転され→突き放されかけ→同点に追いつき→遂に決勝点を許すという、追いつ追われつ&ハラハラ・ドキドキの凄い展開を繰り広げたものの、惜しくも1回戦で敗退となりました。ですが、両チームとも長打あり、好守あり、エラーありで四死球も多くて、ある意味で高校野球らしい試合でした。もう少し細かく試合内容を見ると、

  S高校 : 4安打  7四死球 2盗塁 3失策
  M高校 : 9安打 12四死球 4盗塁 3失策 2暴投

と、M高校が10-5くらいで勝ってもおかしくなかったのですが、タイムリーエラー(悪送球が多かった)による失点を重ねたのが痛かったですね。ですが、4回裏、満塁から評判の強打者である3番バッターが放った走者一掃の2塁打で2-3と逆転したシーン、5-7でむかえた7回裏にピッチャーが自らのホームランで同点としたシーンはベンチ・応援席(応援の控え選手たちを含む)は大はしゃぎで凄い盛り上がりでした。ぐんぐん伸びていった長打の軌跡も美しかったです。

学ラン姿の応援部が率いるM高校応援団は、男子校らしいオーソドックスな応援で、声をからしての熱烈応援が最後まで続いて、なかなか見事でした。片や共学校のS高校は、女子生徒の声も混じる華やかな応援ぶりで、両校の応援スタイルは対照的でした。

9回裏にも1死2、3塁という一打サヨナラのチャンスがあったのですが、スクイズなどはせず強打に賭けたものの、惜しくもあと1本が出ませんでした。最後もファースト横へ痛烈な当たりを放ったのですが、好捕されて遂にゲームセット。

試合後、よほど悔しかったのでしょうね。号泣する選手を控え選手が抱きかかえてなぐさめ、そのまわりを下級生がじっと見つめてちょっと近付けないような雰囲気でした。そんな選手達を見ていた応援団の一人が「これほど泣くのは見たことがない・・・」と話していたのも印象的でした。それを耳にして選手たちの悔しさを改めてひしひしと感じました。

この悔しさが良い思い出に変わるまでには時間がかかるかもしれませんが、仲間とともに一生懸命練習し、必死で戦って壮絶な試合を繰り広げた経験は人生においてとても貴重なものとなるはずです。「文武両道」がモットーの学校なので、3年生はこれから受験に向けて頑張ってほしいものですね。敗戦は残念でしたが、応援に行って良かったです。

翌日の新聞記事に出ていた主将の言葉が素晴らしかったです。

   (試合後の球場外。声をからして応援してくれた応援団のもとへ)
   応援してくれてありがとう。この試合勝つって、偉そうなこと言うて
   悪かったな。2年生はおれらの後輩までしっかり応援してやってくれ。
   ほんまにありがとう。ありがとう(応援団長と抱き合う)

さすが主将ですね。

このチームの打力と母校であるもう一つのM高校の投手力と合わせると、なかなか良いチームになったやろなあとも思いましたが、守備力も含めて1つの学校でバランスの良い強いチームを作り上げるのは難しいのでしょうね。

以上、めちゃくちゃ遅い観戦記でした。


東北大学・学生ホール(旧第一中学校・雨天体操場)

2009-08-27 22:26:23 | 近代建築

gipsypapaさん とのコラボというわけではないのですが、gipsypapaさんが東北大学を探訪されたときに閉まっていたようだった内部の写真を撮ったものがあったのでアップしてみました。

この建物は旧第一中学校・雨天体操場として建てられたもので、竣工は1897(明治30)年だそうです。

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いかにも大学キャンパス内に古くからある理髪店といった感じだったのですが、何となくの雰囲気は分かるでしょうか?もうちょっと店内の様子が分かる写真を撮りたかったところですね。なお、晴れた日の外観写真などはgipsypapaさんのブログ”レトロな建物を訪ねて”に多数アップされていますので、そちらをご覧ください。gipsypapaさん、よろしくお願い致します。


銀しゃり(山本一力)

2009-08-25 23:09:00 | 17:や行の作家

Ginsyari銀しゃり(小学館文庫)
★★★★’:70~75点

久々に山本一力作品を読了しました。
ここ数年、一力さんの作品には辛口の評価をしたり、注文をつけることが多かったのですが(ブログに感想をアップしていないものもあります)、本作はまずは上々の出来です。食べ物のことを描かせたら抜群の一力さん。鮨職人(握り寿司ではなく、箱寿司的なもの)を主人公にしたことが素晴らしく、鮨(寿司)にはネタと共に最も重要な米を表す「銀しゃり」という書名が良し。

よく書いているように悪人の弱さ、物足りなさは本作でも感じたものの、考えてみれば世間にそうそう悪人(極悪人)が多数いるわけでもないし、大勢の普通の人や善人、少数の小悪党で当たり前なのかもしれません。ただ、悪人のキャラが立っていると小説的には盛り上がりますので。

気骨のある善人としての小西秋之助(旗本勘定方祐筆)と下男の新兵衛、竹蔵(竹屋の主人)、野川勇作(火事場見廻役)などが良し。特に、いったんは孝三に裏切られた秋之助が、自身の業務である主家の金策に苦労しながらも、新吉の誠実な人柄と確かな腕を見込んで様々な助力を惜しまない姿が素晴らしかったです。また、武士でありながら、自ら手を動かし、自宅の竹や柿を使って家の苦しい台所事情をまかなおうとする姿も良かったです。秋之助自身も職人的な気質を持ち、手仕事に対する憧れなどもあったのでしょう。仕舞い屋の元締・伝兵衛も存在感と男気があり、もう少し物語にからんでほしかったところです。

新吉の新しい鮨づくりなどの食べ物に対するこだわり、真摯な姿勢とたゆまぬ努力・工夫、職人としての気概などは一力さんならではもので素晴らしかったです。柿の皮の酢に漬け込んで出る甘みを生かして値段の高い砂糖の分量を減らしたり、鮨に竹製の小刀を付けるアイデアなども面白い。いずれも秋之助の言葉などがヒントになったのですけれど。

長屋暮らしの人々の人情、新吉と順平(新吉の親友で棒手振:いわゆる魚の行商か)の友情、兄・順平を思いやるおけいの優しさ。これらが丁寧に描かれており、一力ワールドの魅力たっぷり。新吉とおけいの思慕の情は微笑ましいというか、ちょっと気恥ずかしいくらいでしたね。

子連れの美女・おあき。新吉がのぼせあがり、途中まで抜群の存在感というか、人を惹きつけてやまない魅力があった彼女であるが、途中からやや中途半端な扱いになってしまったのが最大の不満です。自分やこどもにきつく当たり、出ていったきりになっていた夫が戻ってきて何故それをおあきが受け入れたのか(それが夫婦というもの・・・ではちょっと納得できないです)etc.が説明不足のままでした。また、かつて秋之助から借りた金を踏み倒し、その信を裏切って姿をくらましたソバ屋の孝三夫婦が再びソバ屋として姿を現すが、昔のケリをつけるのが別の日にとなってしまったのも同様に中途半端と感じました。

終盤、思わぬ不幸が訪れたかと思ったものの、一転してのハッピーエンドは良し。ただし、ここでもちょっと展開が性急すぎて、”おきょう”のことが書き込み不足になったのが惜しまれます。Amazonの読者レビューにも書かれていた”雑誌連載をまとめた本の軽さ(? 深みの不足)”がやはり本作にもあると思います。軽み・明るさが山本一力作品の良さの一つでもあるのですが、途中までは、あるいは部分的には直木賞受賞作「あかね空」を思わせる雰囲気もあったものの、結局はそれほどの深み・味わいには欠けたのが惜しいような気がします。ページ数は結構あったので、全体のバランス配分や描き方によっては私にとって「名作!」になったような気もするもので。

と、一力さんのファンとしては、またまたやや辛口の感想を書いてしまいました。しかし、水準以上の作品であるのは間違いありません。ただ、今度は、書き下ろしのずしっとした長編を読みたいものです。最近きちんとチェックしていないのですが、どんな作品があるのでしょうね。

◎参考ブログ:

   エビノートさんの”まったり読書日記”


東北大学本部( 旧制二高物理実験室)

2009-08-23 23:55:53 | 近代建築

いつも参考にさせて頂いているgipsypapaさんのブログ”レトロな建物を訪ねて”で、東北大学( 旧制二高)の建物が解体か?との情報を知り、急きょアップしました。

この建物は明治24年竣工の東北帝国大学本部(旧制二高物理実験室)です。
私が東北大学の片平キャンパスを探訪したのは、仕事の関係で仙台出張をした際に立ち寄った2008年11月と今年2月の2回です。2008年11月の時にはまだ一応使われていたようで、5枚目・6枚目の写真はその際に玄関から内部を少し覗かせてもらったときのものです。タイルが張られた腰壁がしっとりとした落ち着きあり。今年2月に再訪したときには既に使用されておらず、確かそのようなことが書かれた張り紙があったかと思います。外観写真は再訪のときのもので、このときは天気が雪から晴に変わり、慌ててキャンパス内の各建物の写真を撮ったことを覚えています。この建物も結果的には風情のある姿をおさめることができました。

外観では正面玄関周りの造形と佇まい、木製の枠が使われてアーチもある窓、換気用の小屋根(?)などが特徴的です。ピンク色で丸みを帯びてぽってりした感じがする玄関部はユニークですね。

片平キャンパスには歴史ある建物が多数あり、全体的な佇まいもが素晴らしいのですが、この特徴的な建物が失われてしまうと寂しいですね。

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