最近、探訪の対象を近代建築からモダニズム建築にまで広げており、村野藤吾作品なども以前より意識して見ています。で、今回は、吉阪隆正設計の浦邸(西宮市、1956年)です。吉阪作品は関西には殆どなく、その中で浦邸は珍しい存在と言えます。
以前からDOCOMOMO100選にも選定されている浦邸の存在と大体の場所は知っていたものの、訪れたのは今回が初めてでした。
阪急夙川駅から徒歩10分、浦邸が見えてきました。似た建物が2棟並んでいますが、奥(左)が浦邸で、手前はそれを手本にして作られた(?)保育園だそうです。似てはいるのですが、やはり本家の方が圧倒的な完成度と存在感です。
外壁の煉瓦が凄いインパクトあり。
煉瓦の大きさや配置に微妙な変化をつけてあるのも素晴らしいです。
この時期は前面道路の樹木が生い茂り、写真的にはちと厳しいです。
さりげなく、こんなオブジェがくっついているのもアクセントになっています。
青空、縦長窓部のイエロー、大きく張り出した庇や煉瓦が作り出す陰影がこのうえなく美しいです。
構造的にはRC造の柱で全体が持ち上げられており、下部がピロティになっています。軽快にして落ち着きあり。
下面を覗くと構造がよく分かります。
隣地との間の壁にもカラフルなオブジェが。
北面の窓にもブルーとイエロー。
これが表札ですかね。
でかくて豪快です。
浦邸、実に素晴らしい建築でした。
本などで見ると、内部も素晴らしく、一度でいいから拝見したいものですね。