ひろの東本西走!?

読書、音楽、映画、建築、まち歩き、ランニング、山歩き、サッカー、グルメ? など好きなことがいっぱい!

近代建築散歩 京都・大阪・神戸編(宮本和義)

2007-11-30 23:31:00 | 本と雑誌

Kindaikentikusanpo1 近代建築散歩 京都・大阪・神戸編(小学館)

写真家・宮本和義さんの近著で、建築ガイドブックの決定版として東京・横浜編と同時に刊行されました。

以前、「大大阪モダン建築」という本を紹介しましたが、そちらは大阪市内の近代建築が対象でした。それに対して本書は京都・大阪・神戸が対象で、京都市・大阪市・神戸市を中心としながらも周辺都市の建物も採り上げられています。京都は京都市だけみたいですね。

大阪の建物については当然のことながら「大大阪モダン建築」との重複がかなりあります。「大大阪~」が1つ1つの説明の文章が結構長いのに比べて、本書は各建物の説明文は短めで(もちろん、基本データはきちんと記載されています)、より多くの建物を紹介しようという意図が読みとれます。住所の多くが番地まで入っており、地図を片手に探訪するときはとてもありがたいです。「大大阪~」はじっくり探訪型、本書は対象エリアの関係もあって網羅的探訪型のガイドブックでしょうか。

最近、建築ブームということもあって類書も多いので、写真だけをさーっと見ればいいかなと思っていたのですが、さすがは宮本和義さんの本です。全説明文を含めて結構熱心に読んでしまいました。著者の宮本和義さんが写真家の方なので、紹介されている全建物の写真付きです。また殆どの写真が垂直をピシッと出したプロならではの仕上がりです。カラーと白黒が混在しているのですが、大きさ・枚数などの扱いにかなり差があり、自分のお気に入りの建物がカラーで大きく紹介されていると”おおーっ!”と唸り、逆に扱いが小さいと”何でやねん!”とちょっと憤ったりも。単に個人の嗜好の問題なのですが、自分だったらこの建物を大きく採り上げたいなあとか、とっておきのお気に入り建物を紹介すべきかマル秘で温存すべきか・・・などと考えながら読むのも楽しいです。

建築ガイドブックの決定版の一つであることは間違いなく、多少なりとも公共性のある建物はほぼ網羅されていると思います。本文中にも書かれていますが、残されたのは個人住宅ですね。これは各人が静かに探訪すべきなのかもしれません。

約500件あると、さすがに見たことがあるのは8割強で、やはりちょっと離れたエリアに1つだけポツンとあるような建物などは取りこぼしています。この本によって未見の建物を探しにいく楽しみがまた増えましたが、うーーーん、京阪神から永久に抜け出せないような気もしてきました。。。

~本の帯より~

街なかに残された古きよき建築を、訪ねてみたい、由来を知りたい、もっと味わいたい。
●赤レンガの校舎と教会を訪ねる 御所周辺コース
●商都の面影を求めて歩く 心斎橋・ミナミコース
●モダンな家並みがつづく 神戸異人館コース
など、厳選した近代建築を訪ねる17の散歩道。

*************************** 小学館のホームページより ***************************

町中に残る古きよき建物を写真とともに紹介

都市にいまだ残る良質な近代建築(明治以降1955年頃までに建てられた建造物)を写真とともに紹介。街角に取り残されたように、あるいは威風堂々として存在感を示す古き良き建築を、訪ねてみたい、由来を知りたい、そんな要望に応える都市散歩ガイドです。この京都・大阪・神戸編では500件を超える写真を掲載。阪神・淡路大震災以後、急速に進められる耐震化の波のなか、補強して残すか、取り壊して新築するか、あるいは移築、あるいは部分保存にするのか。登録文化財制度の整備や土木遺産、近代化遺産などの選定と相まって、いまふたたびブームになりつつある近代建築めぐりの決定版です。


フルマラソン、練習は嘘をつかない

2007-11-24 18:53:00 | ランニング

Fukuchiyama2007 福知山マラソンが終了しました。何とか完走しましたが、練習不足で臨んだ今年のレースはめちゃくちゃキツかったです。

タイムは4時間08分29秒(ネット:4時間08分09秒)でした。走前は”今年はもし4時間を切れたら上出来も上出来”で、予想タイムを”3時間55分~4時間10分の間”としていたのですが、何とかその範囲内におさめることができたといったところです。

今年も福知山は天候に恵まれ、序盤は少し曇ったりはしましたが、まずは申し分のないコンディションでした。てっきり寒くなるものと思いこんでいた私は防寒仕様のウェアしか準備しておらず、上がロングスリーブシャツ、下もロングタイツというスタイルでした。序盤に日が陰っているときや向かい風のときはこれで丁度良いくらいかなと思ったのですが、例年通り中盤以降は日射しも強くなり、かなりの暑苦しさを感じました。ウェアで2、3分違ったかな?それはないか。

さて、9~11月の練習走距離が378kmだった昨年と、同期間で182kmしか走らなかった今年の福知山のタイムを比較してみると下記のようになりました。

          <2006年>  <2007年>  <目標>
  STARTまで    0’24”       0’20”     
   5K         24’13”     25’23”     25’
  10K         25’24”     26’26”     25’
  15K         26’34”     27’17”     27’
  20K         26’59”     27’59”     27’
  25K         27’14”     29’05”     30’
  30K         28’07”     30’24”     30’
  35K         30’12”     32’40”     30’
  40K         30’35”     33’45”     30’
  GOAL      14’13”     15’13”     15’
  TOTAL   3゜53’51”   4゜08’29”    3゜59’

目標は2年とも同じにしたのですが、昨年はそれを約5分上回り、今年は9分以上下回ったことになります。福知山の試金石となる吉野川ハーフのタイムも昨年が1:46:49今年は1:50:16だったので、このタイムと練習量から考えて今年のタイムは当然といえば当然でした。

30km以上のロング走も1回きりでフルの距離に大いに不安を残していたのですが、現実にもその通りになりました。20Kまでは目標タイムから遅れ気味ではあったものの、まずまずのペースで行けたのですが、次第に脚が疲れてきて30Kでかなりバテ気味に。32Kの通過タイムは2:59:30くらいで、残り10.195kmを1時間で走れればサブフォーなのですが、既にキロ6分を超えるペースになってしまっていたので、この時点でサブフォーはあきらめました。脚が動かなくなってきたのは勿論のこと、全身の疲労感もかなり大きくなってきて、今年はレース的にはここまでだったでしょうか。30K以降は、給水所のある2.5キロごとを目標に何とかそこまで歩かずに走り、給水ポイントでは歩きながらドリンクを飲んで10秒ほど休憩。また気を取り直してゆっくりと走り始めるといったことを繰り返しました。昨年は30K以降もまずまず良い走りができたのですが、今年は余裕ゼロでした。

今年も前の方からスタートしたのですが、とにかく後続ランナーに抜かれっぱなしでした。まあ、淡々と走るつもりだったので全然気にしていませんでしたが、1km走る間に2人抜いて50人に抜かれるといった感じでしたね。35K以降は歩いている人も増えてくるので、多少は抜きましたけれど。

35キロくらいで”サブフォー”のペースメーカーの人に抜かれて完全にガックリきたのも疲労感増大の一因か。それでも、キロ7分台に落ち込むことも覚悟したのですが、何とか踏みとどまれたのは収穫です。それと、終盤は何度も立ち止まって歩いたら楽やろなあ、走っても歩いてもあまりタイムはかわれへんしなあと考えていたのですが、ここで踏ん張って走り続けたたから何とか最低目標の4時間10分以内で走りきることができたと思っています。脚筋力がかろうじてもったこともありますが、このあたりは精神力が試されました。  

福知山名物の最後の急登では、残り1キロ地点で子供達が熱烈応援してくれるのですが、今年もここだけは20人くらいを相手にハイタッチ&”気持ちだけは野口みずき”のトップスピードで駆け抜けました。福知山は太鼓による応援や高校生(? 中学生?)のブラスバンドの演奏など鳴り物入りの応援が素晴らしく、とても元気づけられます。また、沿道で応援している人々も、顔見知りだけでなく他のランナーにもお菓子や果物、温かい飲み物をサービスするなど、優しい気持ちが素晴らしいです。

結論としては、やはりフルマラソンは基本的に練習量がものを言いますし、練習は嘘をつかないということを再認識しました。ハーフまではごまかせてもフルは違います。苦しさはハーフの2倍ではなく、3倍ですね。でも、今年も苦しいフルマラソンを走り切れて、達成感がありましたし手応えは十分すぎるほど感じました。実は今シーズンは色々と忙しいので、この後のレースエントリーはゼロです。ちょっと勿体ないかなあ。。。


いざ、福知山!

2007-11-22 21:52:34 | ランニング

今年もいよいよ福知山マラソン(フル)の本番がやってきました。

9月以降の練習量は昨年の半分ですが、タイムが倍になるわけではないし、淡々としかし全力を尽くして走ってきます。天気は大崩れすることは無さそうですが、山あいのコースなのでスタート時は寒いやろなあ。。。予想タイムは何度か書いていますが、3時間55分~4時間10分の間でしょうか。完全に練習不足の今年はサブフォーが達成できれば上出来です。福知山名物の熱烈応援を肌で感じてくるぞー!

ずっと睡眠不足が続いているし明日は4時起きなので、今から次男と風呂に入って寝ます。気分だけは先日の”野口みずき”の快走&爆走をイメージして、いい夢を見たいなあ。


祝・ブログ開設3周年

2007-11-17 23:59:00 | ブログ

Teacapao_4   Cakedog1_5

11月17日でブログを始めて3年になりました。 昨年も書いたのですが、♪思えば遠くへ来たもんだ~♪,too.

うー、使わせてもらおうとしたイラストがうまく収まってくれない・・・。

(2周年のときに書いた文章はこちら

内容的には、新たに洋風建築めぐりの講座を受講したりして、近代建築探訪や街歩きの比重がより大きくなってきたでしょうか。それにしても、この1年で書いた文章(引用や転記も多いですけれど)やアップした写真のボリュームに自分でもビックリしています。文章については時々バックアップをとっているのですが、その量の多さに”おおーっ!”と思っちゃいますから。

プライベート情報が殆どとはいえ、個人が情報を広く発信できるようになったのは、PC・インターネット・ブログ・デジカメといった技術の進歩によるところが大きいですね。特に、ブログの力は凄いかな?他にミクシイなどのSNSもありますが、私は限定された(より安心感のある)世界よりも見知らぬ人々との出会い(バーチャル空間においてが殆どではありますが)があるブログの方が好きです。

読書に関しては、感動本の感想が書けていないのは相変わらずで、思いつくだけでも

  壬生義士伝(浅田次郎)
  鳥類学者のファンタジア(奥泉光)
  龍時シリーズ(野沢尚)
  雷電本紀(飯嶋和一)
  孤宿の人(宮部みゆき)
  生物と無生物の間*新書
  官僚とメディア*新書

などがあります。
最近は公私共に超忙しいので、うーん、このまま越年かも。。。

それはともかくとして、皆様、今後もお付き合いのほどよろしくお願い致します。もうちょっと長い記事をアップしようかとも思いましたが、睡眠不足続きで眠いこともあり、まずはここまでにします。※通算のアクセスカウンターは11/17で約124,000でした。ブログ人のアクセスカウントの仕方はどうも多めに出るみたいなので、この数字はピンときません(11/19追記)。

P.S.11/23の福知山マラソン(フル)はタイム的にあまり期待は
    できないけれど、全力を尽くして楽しく走ってきたいと思います。
    まだまだ色んなことに頑張るぞー!

  


フライ,ダディ,フライ(金城一紀)

2007-11-17 23:50:00 | 11:か行の作家

Flydaddyfly1_2フライ,ダディ,フライ(講談社)
★★★☆’:75点

傷つけられた家族のために男が仕事をなげうって猛特訓を受け、敵(仇)に立ち向かう・・・というシチュエーションは小説や映画でこれまでにも数多くあったと思いますが、そのコーチ役が現役高校生(メイン:朴舜臣、サブ:南方、山下たち)というのが目新しかったです。

決戦前日(前夜)が非常に印象的でした。毎晩ランニンングでスピード勝負を挑んできたバス(以前は自分も乗っていたもの)に遂に勝った主人公の鈴木。急ブレーキをかけて止まったバス。スタメン(常連)の男達からの拍手喝采、涙ぐむ運転手。会社を休んでいることを告げることが出来ず、自分から心が離れていったかのように感じられていた妻の夕子は夕食にステーキを焼く。「知っていたのか」
1ケ月前に自宅に来た高校生から渡されたというメニュー。娘の病室に現れた高校生は、張り出した表に毎日とある人物のスリーサイズの変化をプロットしたという。終盤に明らかになった南方たちの計画性に驚きました。

そして、娘の幼い頃のビデオを見ようとした夫にそっと手を差しのべ、胸に抱いた妻。無言の愛情と感謝と激励と一抹の不安と・・・。映画的な静かで切なくなる名シーンでした。

ジャズ喫茶でのマスターと高校生達の会話、かけられているレコード(CD)の奏者当ても面白かったです。本作ではジャズと映画が良い隠し味になっていました。「燃えよドラゴン」「マトリックス」「灰とダイヤモンド」etc.前作であれほど暴れまくったゾンビーズが静かだったのはちと物足りませんでしたが、家族のために立ち上がるオヤジ世代の姿はよく描かれていたと思います。

◎参考ブログ

   そらさんの”日だまりで読書”
   エビノートさんの”まったり読書日記”(2008-11-29追加)

****************************** Amazonより ******************************

   在日コリアンである「僕」の青春をポップな筆致でつづった直木賞受賞作『GO』以来、3年ぶりとなる金城一紀の長編小説。連作短編集『レヴォリューションNo.3』に登場したオチコボレ高校生集団「ザ・ゾンビーズ」が再び活躍する青春小説であるが、今回の主人公は高校生ではなく40代後半の平凡な中年男。家族の崩壊を必死に食いとめようともがく父親が、高校生の助けを借りながら目標に向かって邁進(まいしん)する姿を、軽妙なタッチで描いている。
   鈴木一(はじめ)は、大手家電メーカーの子会社で経理部長をつとめるサラリーマン。学生時代に知りあった妻と、17歳になるひとり娘が唯一の自慢である。ある日、そんな鈴木のもとに、娘が何者かに殴られ入院したという知らせが入る。娘を殴った相手は、ボクシングの高校生チャンピオンで、学校では品行方正で通っているという石原。復讐を決意した鈴木は、包丁を手に石原の通う高校を目指すが…。

   沖縄出身でアメリカ人とのハーフの板良敷(いたらしき)、4か国分のDNAを持つアギー、ケンカ名人の朴舜臣(パク・スンシン)。差別や偏見の中でタフに生きる若者たちと平凡なサラリーマンとの対比の背後には、日本という国の歪みが見え隠れする。舜臣との奇妙な師弟関係を通じて、「彼の中の憎しみは、私が見て見ぬ振りをしているあいだに育っていったものなんだ」と悟る鈴木の姿が印象的である。ともすれば重くなりがちなテーマを、コミックを読ませるような感覚で、さらりと爽快に描ききってしまう金城の持ち味が、いかんなく発揮された作品である。(中島正敏)

内容(「BOOK」データベースより)
鈴木一、47歳。平凡なサラリーマン。破綻した世界を取り戻すための、ひと夏の冒険譚。