Blog~続・トイレの雑記帳

鉄道画像メインの「ゆる鉄写真ブログ」のつもりでしたが、
政治社会の事共について記したくなり、現在に至ります。

国産宇宙ロケット失敗劇雑感

2023-03-08 13:43:42 | 社会・経済

昨日あった 次世代大型主力ロケット H3型の初打ち上げ失敗、残念に思う。同時に かねて思っていた事だが、公表された高額の開発予算は国際的には決して十分とはいえず、岸田総理も触れた「人への投資」を含め、教育科学分野全般に及ぶ資金面の手当ても必要ではないか。特に 折々指摘される、基礎研究分野に改めて注力の必要がある様にも感じるが。

世界的にも各種人口衛星打ち上げ需要が増す一方で、我国のロケット技術進展の停滞にも繋がりかねない今回の失敗劇を、是非共今後の糧にして頂きたいと願う者は 拙者だけではあるまい。この事共につき、以下 今日の読売新聞ネット記事を引用して、みて参ろうと思う。

「ロケット失敗 再挑戦に向けて原因の究明を」

宇宙航空研究開発機構(JAXA) と三菱重工業が開発した 新たなロケット「H3」の打ち上げが失敗に終わった。次代のロケット開発は、最初の一歩で大きくつまずいた。搭載していた地球観測衛星「だいち 3号」も失われた。大きな打撃であり、JAXA などの責任は重いと言わざるを得ない。

打ち上げ後、第 1段ロケットを切り離すところまでは順調だった。しかし 第 2段 (ロケット)エンジンが着火せず、予定の軌道に乗ることが不可能になったため、地上から指令破壊の信号を送ったという。

先月は 発射寸前に制御機器が異常な信号を検知し、打ち上げが自動的に中止された経緯がある。電気的ノイズで 回線が誤ってオフになり、固体(燃料) 補助ロケットが着火しなかったのが原因だ。

今回、第 2段エンジンが着火しなかったことも 電子回路の微妙な動作によるものだとすれば、新ロケット開発の難しさが改めて浮き彫りになったと言えよう。H3開発では 第 1段エンジンのトラブルの解決に手間取り、打ち上げが予定より 2年遅れた。しかし、第 2段エンジンは従来の主力ロケット「H2A」と大きくは変わらず、なぜ今回に限って異常が起きたのが究明しない限り、今後の成功は望めない。

H2A は 98%の高い打ち上げ成功率を誇り、予定通りの日程で愛知上げる正確さでも評価されていた。ただ、費用が(約) 100億円と高く、民間衛星の打ち上げには競争力で見劣りしていた。一方 H3は、低価格の自動車用電子部品を転用するなどして 費用を半分の (約)50億円に抑えた。こうしたコスト削減策が品質に悪影響を与えたとすれば残念だ。

米新興企業のスペースXは 年間数十機を継続して打ち上げ、価格も安い。日本が世界から受注を集めるためには、コスト削減に加え 高い成功率を維持し、遅延なく打ち上げる体制を整えるという厳しい条件が求められる。

近年は 国際的に人工衛星の打ち上げ費用が下がり、宇宙開発を巡るビジネスは活発化している。日本も早くスタートラインに立たなければ、ますます世界との競争に乗り遅れることになる。長期にわたる停滞は許されない。歴史的に見ても 新ロケットの開発に失敗はつきもので、各国とも試行錯誤を繰り返しながら進んできた。JAXAは、今回の失敗で過度に委縮(いしゅく) することなく、できるだけ早い再挑戦に向け 体制を立て直してもらいたい。 (引用ここまで)

復習にもなるが、今回の打ち上げ費用約 2000億円は 決して小さい額でないのは理解する。それに留意するにしても 我国の科学面への予算規模は国際的にまだ小さく、不十分ではないのか。表向きは国家プロジェクトとの触れ込みだが、実際面は JAXAと三菱重工に丸投げで、政府機関の関与は軽過ぎたのではないか。

「人への投資」も不十分な印象だ。よく我国の教育科学分野は 発表される各界の研究論文も減少し、このままではここまで多数を輩出した ノーベル賞受賞者も確実に減るだろうと言われている。今回の H3型失敗劇も、こうした後継不安と無関係ではない様な気もするが。

少なくともこれまでの我国では。教育面への人やカネを投じる事は「ただのコスト」とみられていたそうだ。拙者は そうした捉え方にも問題があったのではないかと愚考する。これを契機に「ただのコストでなく、未来に向けての先行投資」との価値基準が確立されれば 少しは受け止めも変わってくるのではないか。

勿論際限なしで良いとは言わない。限られた予算内といえど、できるだけ基礎研究を尊重した教育科学面への資金投下がなされる事を 切に望む者だ。今回失敗劇の背後には、かねて我国を悩ませてきた これらの問題が解決も改善もされず放置されてきた事が関係している様にも思える。放置すれば、我国の科学力は確実に低迷するだろう。これは 宇宙開発以外の教育科学面にも言い得るのではないかと思うがどうか。

もう一つ。気象などの科学面も大切さは分かるが、これからは防衛分野の偵察衛星も 我国が自前で打ち上げる必要も生じよう。その時に慌てぬ様、今の内から編制が改められた 航空宇宙自衛隊との必要な連携も深めるべきと愚考する。既に同隊は宇宙分野でも必要な知見を持つと思われ、技術・人事の両面での交流を 今から活発に進めるべきではないか。

意外にそうした所から、H3型失敗の克服ヒントが掴める可能性もありそうに思うが。更に申せば、安保面への貢献が認められれば 一部にせよ防衛予算の充当に道が開け、基礎を初め研究開発予算の強化も望めよう。将来といわず、まずは専守防衛の範囲に限定してのスタートなら 現憲法下での実施も可能に思えるが。今回画像も振り返り恐縮。当地東郊、岐阜東濃・中津川市内の木曽河畔・春の様子を。通る線路は JR中央本線。以下に 関連記事をリンク致します。「SORAE 3/7付」「H3」ロケット試験機1号機は第2段エンジンが点火できず指令破壊(sorae そらへのポータルサイト) - goo ニュース


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2 コメント

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ネックは日本学術会議 ? (onecat01)
2023-03-11 23:56:14
HAKASEさん

 もしかしたら、ネックは日本学術会議 ではないでしょうか。

 「軍事に関する研究はしない。」

 現実離れをした反日の学者たちが、日本の科学技術研究の足を引っ張っているからでないかのかと、私は考えています。
可能性が・・ (HAKASE(jnkt32))
2023-03-12 15:18:25
onecat01さん、今回もご見解を有難うございます。
これは良いご指摘を下さいました。

菅(すが)前政権期に 一部会員任命拒否問題などで物議
あった日本学術会議。本来なら今回ロケット試験失敗
についても、真に近い科学的見地からの提言や助言を
すべき機関のはずですが、仰せの通りの「少しでも
軍事色のする分野は研究せず」方針に固執の頑強姿勢
が悪影響を及ぼしているのではないかとの疑念は、
拙者も抱いていた所です。可能性ゼロではないと心得ます。

背後には 日共を含む左派野党勢力との近しい関係
も指摘され、その方からの動きが 次世代ロケット
開発の速度や知見の積み重ねを鈍らせている所なし
とはいえないかもですね。まずは お礼まで。

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