Blog~続・トイレの雑記帳

鉄道画像メインの「ゆる鉄写真ブログ」のつもりでしたが、
政治社会の事共について記したくなり、現在に至ります。

「権利のインフレ」と言う事

2013-05-20 00:03:39 | 社会・経済

コナサン、ミンバンワ!5月も後半に入り、特に週末をメインに、梅雨の前哨戦の様な降雨の日が増えて来た様だ。これまでは、気味が悪くなる程の五月晴れの日々が続く事もあったので、例年雨勝ちである事を考えると、天気変化はこれで正常なのだろう。後は、昼夜の寒暖差が解消されるのはいつかに関心が移る。このせいで、体調を損ねる方も少なくないので、夏へ向け、できるだけ早く収まって欲しい所だが。

この所、大阪市長 橋下 徹さんの、戦中の所謂慰安婦を巡る問題にての、事実上の舌禍が物議を醸している。中国大陸や大韓民国よりは、ほぼ予想通りの強い批判の論調が寄せられ、それに同調するが如く、女性野党関係者の見解も目立つ。又、各種メディアもそれへの歩み寄りが色濃く見られる様である。確かに、我国と日本人の矜持を守る見地よりの、歴史認識について一石を投じたい気持ちは理解できなくもないが、在日米軍首脳に対する、風俗業利用の提案と共に、些か慎重さを欠く取扱いには、少なからぬ疑問を感じる。今夏の参院選へ向けての政策論議の一環だったのかも知れないが、今からでも遅くないので、今一度、公人でもあるご自身の発言スタンスにつき、丁寧で誠実な説明をお願いしたい。このまま、左派野党や左傾メディアの攻撃対象になったままでは、恰好がつかないではないか。又、中・韓をメインに、諸外国の更なる誤解を招く事となりかねない。

橋下さん以下、一部の「維新の会」関係各位の、些か適切を欠く今回の言動は、一面にては言論・表現の自由の、やや慎重を欠く行使だったかも知れない。現行憲法は、我国の国家権力に縛りをかけ、真の国益と国民の福利を守る方向にて運用されなければならないのは事実だからだ。ただ、ここで少し振り返って頂きたい。その国民の権利やその基礎である、基本的人権にも、その価額が暴騰して、権利毎の項目価値や重さが下落する「権利のインフレ」があり得ると言う事をだ。

「権利のインフレ」と言う言葉に初めて接したのは、今月の初めの大型連休中、確か憲法記念日のあるTV番組だったと思う。一部の政党より主張される、新しい権利を憲法条文に加える、所謂「加憲論」が良く知られる所だが、この評価は慎重であるべきではないだろうか。特に濫用の問題多い「言論・表現の自由」の見方や、多くの国民福利を損ねかねない、不適切な「私有財産権」の行使など、検討を加えなければならない所は多い。新しい権利にしても然りで、ただ一方的に「尊重せよ」だけでは国民の自己責任と言う観念が育たず、権利ばかりが乱立し、公共心や道徳観念を軽んじ、ひいては国内外の平和をも脅かす様な困った状況が現れよう。特に財産権の問題は、対価を払ったからと言って、外国人に野放図に土地などの所有を認めては、我国の安保に関わる大問題に発展しかねない所もあり得よう。(所謂「人権勢力」には、こうした一連の問題を理解する知性はほぼないので、是非留意されたい)。

話の方向は異なるかもだが、我国にても、ようやく先進諸国並みの、納税者番号制「マイナンバー制度」が陽の目を見ようとしている。これについても、個人秘密プライバシーに絡む、言いがかりや嫌がらせに近い反対意見が執拗に向けられて来た。先進諸国は、どこの国もそうした問題と向き合いながら、地道に、着実に困難な所を克服し、納税者番号制を定着させて来たのである。何故、我国だけがその様な努力ができないのか、立法府も行政も、そして我々国民市民も、謙虚に思いを致す必要がありはしないか。この事は、近い将来確実に実行される、消費増税をも睨んだ、より良い税制のあり方を策定しようとする試金石なのである。

この問題を考えるには、経済ジャーナリズムの精鋭、寺島実郎さんと佐高 信さんの対談にあった「大きな正義」と「小さな正義」を比べる思考が有効かも知れない。マイナンバー制にしても、税制の不公平、不明朗の解消を目指す「大きな正義」の実現の為に、個人秘密をどう守るか(現実には、「できるだけ守る」レベルの保持となり、その先は国民市民の自衛が求められようが)の「小さな正義」との衝突にどう折り合いをつけ、実現への道筋をつけるかと言う事だろう。振り返ると、これまでの我国にては、余りにも「小さな正義」が偏重され過ぎた嫌いがある。凶悪犯罪被害者援護の問題も、ほぼ同じ視点で捉えられようし、あくまでも慎重万全な扱いを必要とするのは分るが、憲法改正の問題にしても、同じ視点での理解捕捉が必要だろう。

それにしても「大きな正義と小さな正義」そして「権利のインフレ」、良い言葉に出会えた2013=平成25年5月ではある。

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コメント (2)
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