Blog~続・トイレの雑記帳

鉄道画像メインの「ゆる鉄写真ブログ」のつもりでしたが、
政治社会の事共について記したくなり、現在に至ります。

東日本大震災~復興に必要なものは

2011-05-26 01:06:00 | インポート
コナサン、ミンバンワ!束の間の五月晴れも昨日まで。梅雨前哨戦とも言える怪しい空模様となりつつある当地名古屋であります。

東に目を転じれば、東北と北関東は、福島県下の原子力発電所事故をも含む、先の震災の惨禍より、少しずつではあるが復興へのきっかけを掴みつつある様にも見られます。
今も10万近い方々が避難生活を余儀なくされ、渇望される仮設住宅の設置も思うに任せられない有様。せめて真夏の前までには、希望する全ての方々の住の不便が解消する事を祈りたい所ですが。

こうした事共の対応に欠かせないのが、国家的な資金財政面の配慮ではと思います。この事につき、少し前の全国紙S新聞に載った、同紙編集委員のお一人の記事を引用し、この問題を考えたく思います。

「このままでは『第3次災害』」

「日本政府に、未だに非常事態の認識がないのは、どう言う訳か」と旧知の米合衆国要人から言われた。経緯を聞いたら、以下の様なお粗末さだ。
2011=平成23年3/11、15:40、東日本大震災発約1時間後、ルース駐日大使は首相官邸に電話をし、全面支援意思を伝えた。官邸からは音沙汰なし。24H後、合衆国政府は、同国軍の出動を正式に申し入れたが、官邸も東京電力(株)も自分達の手で収拾できると言う感触だった。

(認識の欠如と迷走)

在日米合衆国軍は、福島原子力発電所専用の非常時対応ハンド・ブックを作成済みだ。本来はテロ攻撃時用で、放射能汚染に耐えられる戦車配備の仕方や、福島原発海域に入る軍船の喫水線など、具体的で細かい基準を盛り込んでいると言う。原発が、今回の様に地震と津波で大きく損傷も、初期対応マニュアルがそのまま生かせるはずだったが、政府も東電も無視した。

東日本大震災は、1次的には自然災害で、2次的には無能なリーダーによる人的災害なのだが、第3次も起きかけている。政策災害である。起因は福島原発対応と同じく、「非常事態」と言う認識の欠如である。菅 直人首相、谷垣 禎一自由民主党総裁、日本経済団体連合会の首脳は、平時の感覚でしか復興政策を考えない様に思える。S新聞4/1付朝刊によれば、L・サマーズ前米国家経済会議委員長は「日本は貧しくなるでしょう」と言い放ったが、長年対日経済交渉に携わった同氏は、日本迷走を見抜いているのだろう。

不毛論議の最たる例が、「復興増税」構想である。増税して復興財源に充当すると言う案で、菅大臣、谷垣総裁に加え、日本経団連の米倉会長も言い出す始末である。平時で経済が順調に拡大しているならとも角、今は消費も投資も急激に落ち込む非常時である。そうでなくても細り続けている家計簿に残る収入や、生産設備の破壊された企業の堕ち込む収益から税を徴収するなら、消費者は液晶TVや新車を買い控える。売上減で企業は工場を閉鎖し、雇用を減らす。すぐに増税しなくても、いずれ増税になると予期するなら同じ事が起きる。すると税収は逆に減り、財政赤字は更に膨れ上がる。

既に、東京銀座のデパートでは食品売り場以外では閑古鳥が鳴き、下町に良くある「〇〇銀座」商店街も人通りが半減した。一時的なショックで済めば良いが、停滞が長期化する程消費者心理は冷えに冷え、企業経営者からは、立ち直るだけの気力も体力も尽き果てる。就職機会のない若者は、未来を見失う。

(大規模な財政出動を)

どうすれば良いか。福島原発安定処理の目途が立たない中で放射能汚染の恐怖が収まらない上に、計画停電の長期化が確実な状況で、やれ元気を出せ、買い物や外での飲食に出かけろ、増産せよと鼓舞した所で上手く行くはずはない。躊躇い悩む民間に代わって、政府が投資や消費の為の財政支出を増やすしかない。未曾有の非常時だと言う認識のもとに、思い切った規模で財政出動するしかないが、菅政権は財務官僚任せだ。

政府は「財源の制約」を理由に、2011=平成23年度第1次補正で\2兆程度、2次、3次と補正を重ねても、結局\10兆程度の財政出動を見込む程度である。被害規模は、内閣府が最大で\25兆と見積もったが、企業設備の被害や福島原発事故による被害、発電所廃炉や修復コストも考慮すれば、その2倍、3倍も覚悟しなければならないだろう。

もとより国内では、誰も引き取ろうとしない使用済み核燃料である。それらを耐震性に疑問のある原発建屋の上部のスペースにプールを設置し保管しなければならない。福島第一原発事故は、地震国日本の弱点を曝け出した。全国レベルで電力エネルギー体系の抜本的再建を含め、日本列島再生の為グランド・デザインを構想し、実行に移すしかない。財源自体は問題ではない。その事は過日の「日本大復興の条件を考える」で、世界最大の債権国日本は、\100兆規模の日銀資金を創出できるゆとりがある、と指摘した通りだ。財政出動の効果はてきめんで、1995=平成7年初の阪神・淡路大震災時には財政支出が呼び水となって、被災地兵庫県の県内総生産は実質で5%増と、全国平均の同1.9%をはるかに上回った。

米ゴールドマン・サックス調査部は、阪神・淡路大震災や米ハリケーン・カトリーナなど「世界5大災害」後の復興を分析した結果、政府支出の拡大が早期の経済回復をもたらすと結論付けた。日本が重大な決意で大規模な財政出動に迅速に踏み切るかどうか、国際金融市場も重大な関心を寄せている。

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財政難が強く指摘されてもいる折、この見解を皆様はどうお感じになりますか?確かに我国の累積債務は\1000兆に近く、放っておけば国家破産もあるとの見方もある。
しかしながら、此度の東日本を襲った災禍は尋常ではなく、少なくともとりあえずの一定規模の財政出動は必要、と私は見ています。財源の裏付けは、それこそ後付けでも良い。勿論、震災復興に便乗した安易な財源確保を目論む動きをも監視牽制の必要あるも、被災地は今も生死の分かれ目に立たされている現実を、見守る我々も忘れてはならないと強く思います。*(日本)*
コメント
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