Triority(トライオリティ)

四十にして惑う、それがトリニータ。

完勝で折り返し(17節浦和戦)

2019-06-30 23:51:19 | マッチレポート19'
今日は浦和のスカウティングが間違っていた時点で完勝は約束されたようなものだったから、久しぶりの勝利とはいえ大きな驚きはなかった。韓国遠征から中3日のアウェイゲーム、湿度90%超のコンディション、7人ものターンオーバーといった浦和にとって負の要素が集まりまくった状況からして結論は「撤退守備」しかなかったはず。キックオフから勢い良くかつ無秩序にハイプレスを仕掛けてきた時点で勝ち点3は強く予感出来た。ただその予感を大きく上回る完勝だったわけだけど。


まずこの試合の最大のポイントは契約の関係で出られない阿道のところに誰が入るかということだった。前節の劇的なゴールで成豪の存在が急激にクローズアップされたけど、片野坂さんはごっちゃんを抜擢した。個人的にもスタートはごっちゃんで行ってほしいと思っていたし、ごっちゃんはその期待に見事に応えてくれる躍動感だった。惜しいシュートも2本あったし、なかなか満足いく出場機会が得られない中でもしっかりと準備が出来ているという何よりの証だったと思う。そして90分を通して阿道不在の懸念を微塵も感じさせなかった。


そしてまたもや成豪。桑原さん(※)の言葉を借りなくても「スーペルゴラッソ!!!」と叫びたくなるほどのスーペルゴラッソ!!!神戸戦でも中盤で相手のパスミスを奪ってシュートまで持ち込んだシーンがあったけど、あそこでは惜しくもシュートは枠を外れたけど、今日は見事に突き刺した。アレは周作でも、アリソン・ベッカーでも、エデルソンでも、ウーゴ・ロリスでも止められないよ。しかしこの確変ぶりは本当に何なのか。それまでリーグ戦15試合でたったの11分しか出場機会のなかった選手が2試合連続で途中出場からゴール。何だか突如としてとんでもないジョーカーを手に入れてしまったような感覚になる。能動的に自ら仕掛けてゴールを狙いにいける今の大分には少ないタイプだけに貴重なオプションが台頭してきてくれて本当に嬉しい。いま思い返しても本当にスカッとするゴールだった。
(※)
ちなみにその桑原さん。終盤に浦和のCK時に浦和のファールが連発したところで、「当たりは厳しくないけど、興梠がボールに全然チャレンジしていない」という見解をサラッと話して、さすがは「Jリーグジャッジリプレイ」のMCだなというところを見せてきた。桑原さんはいまJリーグ実況界の頂点が見えてきてる人だと思うよ。


藤本が6試合ぶりにゴール。その間藤本が輝かなかった試合も多かったけど、それってもうチーム戦術みたいなもんだからむしろよく我慢して阿道あたりが活きるように動いてくれていたと思うよ。だから今日の浦和みたいに中途半端な対策で来てくれるとさすがに藤本も見逃さない。アシストとなった小塚のパスも素晴らしかったと言いたとこだけど、浦和の中盤がユルすぎて小塚に誰も付いていない。そりゃフリーでやらせてくれたらあれくらいの精度のパスは出しちゃうよ。小塚に関してはその後の中盤で一度タメてからごっちゃんに出したスルーパスの方により声が出ちゃったな。テレビで見ててもあのタメには騙されたくらいだから浦和の選手たちも翻弄されちゃうよね。話を戻して藤本。

第1節  鹿島戦 2ゴール ◯
第3節  磐田戦 1ゴール ◯
第4節  横浜戦 2ゴール ◯
第6節  札幌戦 1ゴール ◯
第11節  湘南戦 1ゴール ◯
第17節  浦和戦 1ゴール ◯

試合結果を見ていてふと気が付いたんだけど、藤本がゴール決めた試合は全勝なんだよね。さっき「チーム戦術みたいなもん」って書いたけど、こうやって結果を見るとまさに藤本が活きる試合展開こそ我々の必勝パターンなんだよね。もうシーズン序盤ほど量産するのは難しいかもしれないけど、相手チームが対策を絞り切っていないなという試合でキッチリ決めてくれるだけでエースとして十分な働きだから今のペースで何も問題ない。


コパ帰りの智輝はいきなり先発。昨日の味スタの試合で三好が途中出場していたので、1日遅い智輝は先発でくるだろうなとは思ってた。そして智輝が醸し出すこの上ない「しっくり感」。今日は右サイドのしっくり感がハンパなかった。右サイドのしっくり感は怜さんの躍動に直結し、そしてそれはさらに進めていくと左サイド(今日は特に高山)の決定機へと繋がっていく。高山の3本のシュートはどれも本当に惜しかった。1本くらい決まってもいいだろと思うくらいに際どいのばかりだった。しかし自分のち◯こを生け贄として差し出した橋岡くんの勇気に免じて今日はこのくらいにしといてやるよ。と、話が逸れちゃったけど、智輝の存在感はもうこのチームにとって不可欠だなと思わせるレベルにまで引き上がっていることが再認識された復帰試合だった。ただそれだけにケガは心配。スローで見るとゴールから逃げていく興梠を追走した時にグネった感じに見えたけど、表情はかなり痛そうだった。その存在の重要性を認識したばかりだけに、重くないことを祈るしかない。ただ交代で入った庄司は良かったね。前節を引きずってる感じもなさそうだったし、改めて期待したい選手だ。



これで全てのクラブとの1巡目の対戦が終了して、次節から折り返しの後半戦。前半戦総括は別の記事で書こうかと思っていたけど、もう6日後には後半戦が始まってしまうので、ここでサクッと振り返っておく。勝ち点29の暫定4位。ACL圏内まで勝ち点1差、降格圏内から勝ち点13差。何じゃこの素晴らしい成績は。シーズン終わった時点で勝ち点29と言われてもある程度は納得するくらいなのに。たったの4回しか負けてないことは特筆に値するし、昇格した昨シーズンのJ2ですら守備が固いとは言い難いチームだったのに、複数失点での敗戦が首位のFC東京とのアウェイゲームだけというのは驚き以外の何物でもない。J1、J2を問わず下のカテゴリーで「勝ち癖」を付けてきたクラブが昇格後も継続性のあるチーム作りをして序盤に予算規模で遥かにデカいクラブを次々と食っていくというのは決して珍しい話ではないと思うんだけど、でも同時に少しずつ札束の圧力に耐え切れなくなってきて、方向性を見失って迷走するというのも珍しい話ではないと思うんだよね。だからこそ数試合前からその傾向が見え始めている中で忍耐強く地道に改善を図り続けて、地味ながらも勝ち点を積み上げ続けられていることは本当に賞賛に値すると思うよ。試合内容が相手の対策に左右されてしまうのはもう仕方ないし、別に優勝を狙ってるわけじゃないからそこまで乗り越えようとする必要はない。後半戦も同じように地道にブラッシュアップして成長していくチームを微力ながらも後押ししていきたい。後半戦1発目はいまリーグで一番強いと言っても過言じゃないマリノス。何でこのタイミングで来るかねとも思わなくもないけど、でももう慣れた。J1ってそういうところだから。「一難去ってまた一難」じゃないけど、休ませてくれる暇を与えてくれないことにももう慣れたよ。マリノスが相手なら藤本が輝くかもなって思えるし、そうなると厳しい相手ではあるけど、もしかするともしかするかもなって思いもある。とにかく残り17試合も楽しみ。
コメント
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