Triority(トライオリティ)

四十にして惑う、それがトリニータ。

ボクとたけふさ(14節FC東京戦)

2019-06-02 15:25:43 | マッチレポート19'

まあ、これ以上はないだろうってくらい最低な気分で週末を過ごしていますよ。昨日は味スタから帰宅後、仮眠を取ろうにも遠足前の小学生的な気分で一睡も出来ないまま深夜に都内のCLファイナル観戦会場へ。日本中にこんなにもスパーズ好きの外国人がいたのかと思うくらいの環境でCLファイナルを観戦。正直ここまで来たのが奇跡みたいなもんだから結果にはこだわらず楽しく観戦するつもりでいたけど、そうは言ってもやはり始まってしまえば勝ちたいもの。十分に楽しいフットボールは見せてくれたけど、結果は残念なものに。1日で2回も敗戦の悔しさとともに「ゆるねば」を聞かされるハメに。今後悪い夢のBGMに必ず流れてくるんじゃないかと思うくらいのトラウマレベル。ま、こんな日もある。スパーズは今季もまた前季を超える景色を見せてくれて本当に素晴らしいクラブになった。そしていよいよ「お隣さん」との差も決定的なものに。


順番が逆になったけどFC東京戦。今季初の複数失点という事実もそうだけど、FC東京が息の根を止めにきた後半の序盤は強度の高いプレッシングに昨季の甲府戦以来なかったパニック状態を見せる等明確な力の差を感じる一戦となった。特に前半はFC東京の両SBを極端に高く押し上げるやり方に効果的なポジトラを許してもらえずずっと苦しい時間帯だった。俯瞰して見るとセンターサークルという名の芝生のある公園で藤本とFC東京の両CBがピクニックをしてるかのようにのどかな光景だった。それくらいに押し込まれていたということ。


ただこの試合を評価するにあたって難しいのは、90分を通して勝ち点の可能性を感じなかったのかというとそうでもないというところ。序盤の星のビッグチャンスは完全に「たられば」なので何とも言えないけど、後半13分のダブルチェンジ&フォーメーションチェンジを機に流れを一気にこちら側に持ってきた時は明確に勝ち点の香りを感じた。たださすがに選手の配置を少し動かしただけでこんなにも試合の表情が変わるのかというくらいの激変ぶりだったのは、やはりFC東京の足が止まったことも大きな要因の一つとしてあると思う。うちのパスワークに対して位置取りと運動量で対抗するという戦術を採用したツケは思ったよりも早く来たし、思ったよりも明確なダメージとして現れてきた。あそこで追いつく、もしくはひっくり返すところまで持ち込めないのは現状の力が足りていないことを認めざるを得ないと思うけど、そこはこれからの伸びしろと捉えておきたい。



阿道は一人別格のキレと強さ。追撃の号砲となったゴールは「シュートは撃たなきゃ始まらない」の最たる例だし、フィジカルコンディションの良さがメンタルコンディションの良さを呼び込んでるいるような好循環に見える。藤本の良さは試合展開に影響されてしまう側面がある一方で、阿道の良さは展開不問で暴れられる力強さがあり頼もしいの一言。前半戦最後の浦和戦を阿道なしでやらないといけないのは非常に難しくなりそうだ。


最後は足をつってしまったけど、長谷川も非常にいいと思う。まだミスも多いけど、あの糸を引くような軌道のパスの質は唯一無二だ。何よりもワンタッチのチャレンジングなパスが多いことに好感が持てる。一方でティティパンのミスは出るべくして出たという印象。ここ数試合戦術的に非常に重要になる2.5列目の交代のファーストチョイスがティティパンであることにずっと不安感があった。軽いとまでは言わないけど守備にどっしりとした感じがない上に少しバタバタと動きすぎるところがあり、さらに細かいミスが多い。ティティパン自体が悪いわけじゃないけど、非常に重要な交代の最初が今のティティパンで固定されてしまっていることに不安感があったけど、追撃ムードを自ら鎮火するという最悪の形でそれは的中してしまった。そういう意味ではコテがやっとベンチメンバー入りしたのは好材料だと思うし、経験という観点からは馬場の起用も期待したいところだけど・・。さんぺーがケガをしてしまったことも影響しているとは思うけど、普通に考えて攻撃的なカードがごっちゃんしかいないのは終盤に勢いをつけたい時に手薄すぎると思うよ。







日本全国から注目され、「伸び悩み」だ「出場機会がない」だと16歳とは思えない評価を受けてきた久保くんさんは見事としか言いようのない突き抜け方を見せて、素晴らしい17歳として成長していた。試合後にバルサ移籍が破談みたいな話が流れてきたけど、FC東京云々ではなくヨーロッパでチャレンジしてと思える人材だけにうまくいってほしいなと思う。




自分が初めて生で久保くんさんを見たのは3年前。まだ中学3年生になったばかりの頃に既にプレミアリーグの試合に出場していて、その試合でも途中出場ながら見事なターンでDFを振り切って豪快にシュートを決めた。この試合に限らず当時印象的だったのは、小さい体から放たれるシュートの強烈さ。多分ミートの技術が高いんだろうけど、中学生とは思えないスピードとコースには驚かされた。そして今ではそこにキレ味鋭いドリブルも加わってアタッカーとしてさらに破壊力を増している。しかしこうやって見ると、当り前だけど中学生の久保くんさんの表情はあどけない。



セル爺も来場。世間的にも注目度の高い一戦だったかな。











昨日の試合後はそこかしこで旧交を温めるシーンが。一番面白かったのは、東が吉坂さんのところに向かうといったん10mほど手前で立ち止まって深々とお辞儀をしてから改めて握手しに行っていたこと。当時の関係性がうかがえて微笑ましかった。自分がユースの試合を初めて観に行ったのは東慶悟の世代。ナビスコ制覇直後のJユースカップ@万博だった。あの時の選手がJ1首位クラブで10番を背負うようになったんだなとしみじみと思った。ちなみに対戦相手には確か当時高1だった宇佐美くんさんという元祖天才がいた。


今季初の複数失点、今季初の連敗、降格圏との勝ち点差が11に縮小とこの試合で一気に負の方向に振れたわけだけど、ここからどうしていきますかね。ちょっとブレかけたけど、個人的にはやはり残留が目標だなと冷静になれたことが収穫だったと思う。前節の記事で「左サイド問題」について書いてその後も色々と考えてみたけど、「左サイド問題」の一番の根っこの部分って片野坂さんの目線が上がってしまったことじゃないかというところに個人的には落ち着いた。十分に機能していたチームに守備面は目をつむっても攻撃力を増したいという「色気を出した」ところに端を発していると思うんだよ。幸いにも2週間の時間があるし、しっかりと見直せる時間はある。智輝不在の対応も含めてしっかりと「考える2週間」ですな。
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