Triority(トライオリティ)

四十にして惑う、それがトリニータ。

【新戦力分析・その3】竹内彬選手

2017-02-11 11:11:35 | トリニータ
第3弾は名古屋から移籍してきた竹内彬選手。


1st・14節・A・湘南戦
1st・15節・H・鳥栖戦
1st・16節・H・柏戦
2nd・2節・H・川崎戦
2nd・7節・A・広島戦
2nd・8節・H・浦和戦
2nd・12節・H・ガンバ戦


以上の7試合をチェック。竹内の持つ最大の強みは何と言っても「経験」。33歳とCBとしてはピークを超えたとは言えない年齢にしてJ1で126試合、J2で122試合と十分な出場経験を持つ。名古屋は降格したけれども昨季もJ1で30試合に出場しているバリバリのCBだ。山形における川西もそうだったけど、名古屋が混乱しているような状況だからこそうちが獲得出来たような人材だと思う。


ポジションはCBで、昨季は組み合わせもあったかと思うけど、左に入ることが多かった。今季の大分は福森、坂井達と左利きのCBが2人いるので主には右に入ることが想定されていると思われる。昨季の名古屋は一時3バックも導入していたが、その時は真ん中に入っていた。はね返す力が強く、ベテランらしく読みも鋭い。下がってもらいにいく相手FWにけっこう高い位置まで食いついていってインターセプトを狙うシーンも多く見る。穴がなく、粗もなく、非常に堅実なプレーヤー。もの凄く雑に言ってしまうと、出来ないことはやらないけど、自分に課されたタスクは完璧にやり通す、そんな印象。まあ長いことGKやCBというポジションをやってると、出来ないものは出来ないという感覚を持ってないとやってられないよなとも思うけど。


昨季もJ1で2ゴールとセットプレーでは強みを見せる。我々も実体験として経験しているだけによく分かる。単純に高さがあるというよりは後方から走り込んできてその助走で高く飛ぶというタイプの合わせ方で少々ギャンブル的なところはあるものの、ドンピシャで合ってしまうと190cmある選手でもなかなか止められない高さだし、相手にとっては相当イヤだと思う。


昨季の名古屋は迷走したクラブらしく戦術やフォーメーションもコロコロと変わっていた。自分が観た試合の中では2ndステージの7節広島戦で3バックを採用していた。3バックの広島にマッチアップするフォーメーションを組みたい意図だったのかもしれないけど、この試合では他の試合に比べて名古屋の繋ぐ意識が異常に高かった。ただそこでの竹内のボールさばきは非常に拙いものがあり、試合も惨敗に終わった。先ほど出来ないことはやらないと書いたけど、いわゆるビルドアップの起点としての役割は昨季までのプレーを観る限りにおいては期待出来ない。CBなので当然ボールのタッチ数は多いわけだけど、試合を観ていてほぼ100%(誇張ではなく)次に竹内がどの選手にパスをつけるかが予想出来る。つまりは無難なパスに終始するということ。近年のCBに期待される攻撃のスイッチを入れる縦パスをビシッと通すような能力はないと思われる。トレーニングのレポートや選手のインタビューから去年以上にボールを繋ぐサッカーを志向してるいると思われる片野坂監督。ビルドアップの起点となるCBにも当然パスの部分は求められるわけで、相手のフォアチェックの間を通してボランチにつけるとか、1列飛ばして左右のMFに付けるようなパスは出来るようになってほしいなと思う。


あとは竹内の特徴として試合中によく水を飲むというのがある。CKやGKなどボールがアウトした際に、そのプレーに関与した選手の奥で水を飲みにいく竹内の姿がよく映る。若手選手には率先して竹内にボトルを渡すなどの気遣いを期待したい。


最後に竹内を語る上で外せないのは、加入が発表された2016年12月14日までは個人的に竹内のことが嫌いだったということ。好きじゃないというレベルじゃなくて嫌いだった。きっかけは2009年の開幕戦。大輔が一発レッドを食らうきっかけとなった竹内の危険なタックル。報復ととられる行動をとった大輔が悪いのはその通りなんだけど、そうは言っても怒っても仕方のないレベルに危険なタックルだった。数的不利になりながも1点差まで迫ったことを考えると、勝ち点1くらいは取れたと思ったし、もっと言うとあそこからチグハグだった大分トリニータにとって史上最悪のシーズンが始まったようにも思っていたから竹内のことが大嫌いだった。世間で言われているような試合後のコメントとかはあまり覚えていなくて、とにかくあのタックルだけが脳裏に焼き付いてる。まあでも、「2016年12月14日までは」と書いた通り、それは過去の話。大分トリニータの一員となることが決まったからには大事なのはチームに貢献してくれるであろうこれから将来の話だ。去年山岸の加入で、苦しい試合や大事な試合でバタバタしなくなったチームを見てベテランの重要性を改めて感じたし、竹内もきっとその豊富な経験をチームに還元してくれると思う。


今季は激戦区となるであろうCBのポジション争いを先頭を切って引っ張っていくような活躍を期待している。
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