1年前は予想もしなかったイレギュラーなシーズンが終わった。リーグ戦が閉じていたのは4ヶ月間だったけど、アウェイの地に住む自分の観戦活動が再開出来たのは10月なので実質7ヶ月間のブランク。長かったなぁ。誰が悪いわけじゃないから、よりやり切れなさが募るわけだけど。あとはやっぱり声を出したいよね。完全にかつての観戦形態を取り戻せるのはいつになるのやら、そもそももう戻ることもないのかもしれないしね。
さてここはしんみりとする場ではなく、1シーズン頑張ってくれた選手たちにフォーカスする記事なので賑々しくいきたいね。もう毎年やってるアウォーズ記事。早速始めていきましょう。
【ベストゲーム】
第26節・アウェイ横浜FC戦
今シーズンは数少ないだけにやっぱり現地観戦試合から選びたい。アウェイFC東京とかアウェイ鹿島とか、もちろんホーム川崎もいいゲームだったけど、この試合の喜びの前では少し霞んでしまうかな。正直声を出せていたとしたら過去にないくらいの狂喜乱舞状態になってもおかしくない試合展開だったもんね。試合の入りがとんでもなく悪かったことは反省材料だったかもしれないけど、そこからの反転攻勢は本当に見事だった。セットプレーで取れたこと、ハイプレスで相手のポゼッションをつぶしたこと、終盤にゴールを取りきれたこと、来シーズン生き残るための大事な要素が全て詰まっていたようなそんな試合だったと思う。そもそもシーズンの進行自体がイレギュラーすぎて全ての試合を横並びで評価出来ないというところはあると思うけど、今シーズン最も心揺さぶられたのはこのゲームだった。
【ベストゴール・組織編】
第16節・アウェイ仙台戦 三平和司
この賞が一番迷った。ホーム横浜FC戦の達也のゴールと迷った。どっちも美しく機能的にパスが回って最後はワンタッチで仕留めるという組織として取ったゴールとして表彰するにふさわしいものだったわけだけど、どちらのゴールももう一度見直してみて、仙台戦のゴールは最後仙台の選手がPA内に8人も入っている密集度合いの中を也真人→三竿→三平で仕留めきっている、来シーズンに向けてお手本となるべきゴールとしてこちらを選出した。今シーズンもボールを握れる試合が多かった。それでもゴールに迫り切れないことが多かった中で、このゴールはまず左サイドで3人が複雑に絡み合いながらパスでバイタルエリア近くまで侵入、前を向いて仕掛ける姿勢を見せた也真人が時間を稼ぎつつ三竿のオーバーラップを促して最後はトン、トンでズドン。エリア内だろうが追い越す動きを出していかなければ力強くゴールには迫れないし、やはり閉塞感を打開するのはダイナミックな動きだと思う。改めて見ても素晴らしいゴール。
【ベストゴール・個人編】
第27節・アウェイ柏戦 岩田智輝
ホーム鹿島戦の曽ヶ端が動けなかった髙澤のゴールも良かったんだけど、試合がアレだったので智輝のゴールを選出した。この試合が12月9日だからこの頃には智輝は決断してたんだろうなと思うとちょっと切なくもなるけど、ゴール自体は本当に素晴らしかった。現地で真横から見てたわけだけど、このゴールに関してはテレビの角度から見た方がそのすごさをより感じられるなと帰宅してハイライトを見てから思ったのをよく覚えている。J1に上がってからあの位置から右、左を問わず決めきれるようになったよね。智輝はあの位置から頻繁にシュートを撃っていたから点が取れるようになった。個人で決めきるってそういうことだと思うから、智輝がいなくなってもあの位置から振り切れる選手、ゴールを決められる選手が出てきてほしい。
【New Comer of the Year】
髙澤優也
最優秀新加入選手なる賞を新設。ここ数シーズン少し気にかかる傾向として働き盛り、キャリアピークの選手を多く獲得していることがある。もちろんまずはそんな選手たちに来てもらえるようになったというだけでクラブとしては成長しているとは思うんだけど、一方でそういう傾向ってチームの高齢化と表裏一体な部分がどうしてもあると思う。毎年のように多くの選手が満了や移籍で大分の地を離れざるを得ないこととも無関係ではない。そんな傾向の中で髙澤の獲得→予想以上の活躍は一石を投じるかも、いやそうなってほしいと願っている。自分は関東大学リーグが好きで頻繁に観戦に行くわけだけど、それはそれはタレントの宝庫でたくさんのスカウト網から漏れてしまっている素晴らしい才能はいくらでもいる。地理的なことを考えても大分の強化部が新卒でその才能をすくっていくことは難しくても、何とかJ3やJFLに引っかかった選手たちを1〜2年かけてウォッチしていくことは出来るはずだ。学生時代の髙澤も何回も見たけど、大卒2年目でここまでやるとは正直思ってもいなかった。プロへの道を作った群馬は素晴らしいし、さらに目ざとく追っていた大分強化部も素晴らしかった。そして何より髙澤自身が素晴らしかった。器用で貪欲で、でもエゴイスティック過ぎず、その働きからレギュラーに固定されてもおかしくなかったと思うけど決して腐ることなくやり続ける真面目さも持ち合わせている。個人的には1年で鹿島にぶっこ抜かれてもおかしくないくらいの力があると思ってる。残ってくれるのなら、来シーズンも頼んだぞ!
【Player of the Season】
例のごとくノリさんは殿堂入りによる名誉の選外です。
第3位・野村直輝
今シーズンは過密日程や5枚交代等イレギュラーだっただけに出場試合数や出場時間で選んでしまうとどうしても前の選手が選びづらくなってしまうので、ここは前の選手から選んだ。史上稀に見る激戦地帯となったシャドーポジション。昨シーズンこのアウォーズ記事で2位に選んだ小塚でさえほとんど出られなくなってしまうくらいに激戦だったシャドーポジション。最後の最後で最も存在感を放っていたのはノムだったと思う。重要な局面での冷静さ、仕掛ける場面での積極性、相手の裏をかくトリッキーさ、見ていて楽しい選手だ。開幕戦を除くと実質デビュー戦だったアウェイFC東京戦での1G1Aは鮮烈だった。特にアシストの場面での仕掛けは最高だったし、結局片野坂さんのシャドーの人選が迷走したのってノムがいなかったからが結論のような気もするよ。
第2位・三竿雄斗
今シーズン唯一のリーグ戦全試合出場。智輝ですらローテーションできっちり帯同メンバーから外してもらってた印象なだけにこれは立派な数字。途中出場だったけど日立台で目の前で三竿のプレーを見た時に最初に思ったのが、「うめえな」という極めてストレートな感想。人を使うのがうまい、自分で中に入っていくのもうまい、行くのか行かないのかの判断もうまい。反対側の智輝と比較すると地味な印象は否めないけど、このうまさはポゼッションの際の預けどころとして本当に頼もしいし、アウェイ仙台戦のアシストのように実はオーバーラップだってすごいんだぜっていうのが三竿の魅力だと思う。加入早々リハビリで出場機会がなかったから、いい選手だけどケガがちなのかなという印象から入った選手だから、加入2年目にしての全試合出場はその印象を180°ひっくり返してくれた。武蔵野市民の誇り、来シーズンもそのうまさを存分に発揮してほしい。
第1位・田中達也
ここはもう10月くらいから決めていた。確かにラスト数試合は息切れをしたのか精彩を欠いていたと思う。でもそれはそれまでの爆発力の反動なんじゃないかなと思ってる。トップスコアラーということはもちろんだけど、その起用法もこのシーズンの大きなトピックだったと思う。開幕戦からいきなりシャドーで起用され、也真人、野村あたりが完全に復帰してくるまでそのポジションで使われ続けた。何度も言ってきているわけだけど、自分はこの起用法にはずっと反対の姿勢で最後まで片野坂さんの真意、狙いがどこにあるのか理解することが出来なかったし、ハッキリ言って失敗だったと思ってる。達也がシャドーからスタートして試合途中でサイドにポジションチェンジするという試合が何試合もあったかと思うけど、どの試合でももれなくポジションチェンジ後に「水を得た魚」状態になる様子を片野坂さんはどんな気持ちで見ていたのだろうかといつも思ってた。まああの指揮官がそれだけ頭を悩ますくらいに色々と試したくなる面白さが達也にはあるんだろうね。今シーズンはとにかくよくゴールが取れた。逆サイドで作ってフィニッシャーとして達也が出てくるという形が多かったように組織の中で輝いていることは間違いないんだけど、ホーム清水戦に代表されるように達也のところにチャンスが転がり込んでいくことが本当に多かった印象。絶対に2桁ゴールいけると思ってたんだけどね。それでもサイドプレーヤーとして8ゴールは昨シーズンの達也の難しい決断が間違っていなかったことの何よりの証明だよ。しっかりと休んでもう一度あのキレを取り戻して来シーズンこそ2桁ゴール決めちゃうか!
来シーズンも笑顔あふれる楽しいシーズンになりますように。そして少しでも早く日常のサッカーが戻ってきますように。
さてここはしんみりとする場ではなく、1シーズン頑張ってくれた選手たちにフォーカスする記事なので賑々しくいきたいね。もう毎年やってるアウォーズ記事。早速始めていきましょう。
【ベストゲーム】
第26節・アウェイ横浜FC戦
今シーズンは数少ないだけにやっぱり現地観戦試合から選びたい。アウェイFC東京とかアウェイ鹿島とか、もちろんホーム川崎もいいゲームだったけど、この試合の喜びの前では少し霞んでしまうかな。正直声を出せていたとしたら過去にないくらいの狂喜乱舞状態になってもおかしくない試合展開だったもんね。試合の入りがとんでもなく悪かったことは反省材料だったかもしれないけど、そこからの反転攻勢は本当に見事だった。セットプレーで取れたこと、ハイプレスで相手のポゼッションをつぶしたこと、終盤にゴールを取りきれたこと、来シーズン生き残るための大事な要素が全て詰まっていたようなそんな試合だったと思う。そもそもシーズンの進行自体がイレギュラーすぎて全ての試合を横並びで評価出来ないというところはあると思うけど、今シーズン最も心揺さぶられたのはこのゲームだった。
【ベストゴール・組織編】
第16節・アウェイ仙台戦 三平和司
この賞が一番迷った。ホーム横浜FC戦の達也のゴールと迷った。どっちも美しく機能的にパスが回って最後はワンタッチで仕留めるという組織として取ったゴールとして表彰するにふさわしいものだったわけだけど、どちらのゴールももう一度見直してみて、仙台戦のゴールは最後仙台の選手がPA内に8人も入っている密集度合いの中を也真人→三竿→三平で仕留めきっている、来シーズンに向けてお手本となるべきゴールとしてこちらを選出した。今シーズンもボールを握れる試合が多かった。それでもゴールに迫り切れないことが多かった中で、このゴールはまず左サイドで3人が複雑に絡み合いながらパスでバイタルエリア近くまで侵入、前を向いて仕掛ける姿勢を見せた也真人が時間を稼ぎつつ三竿のオーバーラップを促して最後はトン、トンでズドン。エリア内だろうが追い越す動きを出していかなければ力強くゴールには迫れないし、やはり閉塞感を打開するのはダイナミックな動きだと思う。改めて見ても素晴らしいゴール。
【ベストゴール・個人編】
第27節・アウェイ柏戦 岩田智輝
ホーム鹿島戦の曽ヶ端が動けなかった髙澤のゴールも良かったんだけど、試合がアレだったので智輝のゴールを選出した。この試合が12月9日だからこの頃には智輝は決断してたんだろうなと思うとちょっと切なくもなるけど、ゴール自体は本当に素晴らしかった。現地で真横から見てたわけだけど、このゴールに関してはテレビの角度から見た方がそのすごさをより感じられるなと帰宅してハイライトを見てから思ったのをよく覚えている。J1に上がってからあの位置から右、左を問わず決めきれるようになったよね。智輝はあの位置から頻繁にシュートを撃っていたから点が取れるようになった。個人で決めきるってそういうことだと思うから、智輝がいなくなってもあの位置から振り切れる選手、ゴールを決められる選手が出てきてほしい。
【New Comer of the Year】
髙澤優也
最優秀新加入選手なる賞を新設。ここ数シーズン少し気にかかる傾向として働き盛り、キャリアピークの選手を多く獲得していることがある。もちろんまずはそんな選手たちに来てもらえるようになったというだけでクラブとしては成長しているとは思うんだけど、一方でそういう傾向ってチームの高齢化と表裏一体な部分がどうしてもあると思う。毎年のように多くの選手が満了や移籍で大分の地を離れざるを得ないこととも無関係ではない。そんな傾向の中で髙澤の獲得→予想以上の活躍は一石を投じるかも、いやそうなってほしいと願っている。自分は関東大学リーグが好きで頻繁に観戦に行くわけだけど、それはそれはタレントの宝庫でたくさんのスカウト網から漏れてしまっている素晴らしい才能はいくらでもいる。地理的なことを考えても大分の強化部が新卒でその才能をすくっていくことは難しくても、何とかJ3やJFLに引っかかった選手たちを1〜2年かけてウォッチしていくことは出来るはずだ。学生時代の髙澤も何回も見たけど、大卒2年目でここまでやるとは正直思ってもいなかった。プロへの道を作った群馬は素晴らしいし、さらに目ざとく追っていた大分強化部も素晴らしかった。そして何より髙澤自身が素晴らしかった。器用で貪欲で、でもエゴイスティック過ぎず、その働きからレギュラーに固定されてもおかしくなかったと思うけど決して腐ることなくやり続ける真面目さも持ち合わせている。個人的には1年で鹿島にぶっこ抜かれてもおかしくないくらいの力があると思ってる。残ってくれるのなら、来シーズンも頼んだぞ!
【Player of the Season】
例のごとくノリさんは殿堂入りによる名誉の選外です。
第3位・野村直輝
今シーズンは過密日程や5枚交代等イレギュラーだっただけに出場試合数や出場時間で選んでしまうとどうしても前の選手が選びづらくなってしまうので、ここは前の選手から選んだ。史上稀に見る激戦地帯となったシャドーポジション。昨シーズンこのアウォーズ記事で2位に選んだ小塚でさえほとんど出られなくなってしまうくらいに激戦だったシャドーポジション。最後の最後で最も存在感を放っていたのはノムだったと思う。重要な局面での冷静さ、仕掛ける場面での積極性、相手の裏をかくトリッキーさ、見ていて楽しい選手だ。開幕戦を除くと実質デビュー戦だったアウェイFC東京戦での1G1Aは鮮烈だった。特にアシストの場面での仕掛けは最高だったし、結局片野坂さんのシャドーの人選が迷走したのってノムがいなかったからが結論のような気もするよ。
第2位・三竿雄斗
今シーズン唯一のリーグ戦全試合出場。智輝ですらローテーションできっちり帯同メンバーから外してもらってた印象なだけにこれは立派な数字。途中出場だったけど日立台で目の前で三竿のプレーを見た時に最初に思ったのが、「うめえな」という極めてストレートな感想。人を使うのがうまい、自分で中に入っていくのもうまい、行くのか行かないのかの判断もうまい。反対側の智輝と比較すると地味な印象は否めないけど、このうまさはポゼッションの際の預けどころとして本当に頼もしいし、アウェイ仙台戦のアシストのように実はオーバーラップだってすごいんだぜっていうのが三竿の魅力だと思う。加入早々リハビリで出場機会がなかったから、いい選手だけどケガがちなのかなという印象から入った選手だから、加入2年目にしての全試合出場はその印象を180°ひっくり返してくれた。武蔵野市民の誇り、来シーズンもそのうまさを存分に発揮してほしい。
第1位・田中達也
ここはもう10月くらいから決めていた。確かにラスト数試合は息切れをしたのか精彩を欠いていたと思う。でもそれはそれまでの爆発力の反動なんじゃないかなと思ってる。トップスコアラーということはもちろんだけど、その起用法もこのシーズンの大きなトピックだったと思う。開幕戦からいきなりシャドーで起用され、也真人、野村あたりが完全に復帰してくるまでそのポジションで使われ続けた。何度も言ってきているわけだけど、自分はこの起用法にはずっと反対の姿勢で最後まで片野坂さんの真意、狙いがどこにあるのか理解することが出来なかったし、ハッキリ言って失敗だったと思ってる。達也がシャドーからスタートして試合途中でサイドにポジションチェンジするという試合が何試合もあったかと思うけど、どの試合でももれなくポジションチェンジ後に「水を得た魚」状態になる様子を片野坂さんはどんな気持ちで見ていたのだろうかといつも思ってた。まああの指揮官がそれだけ頭を悩ますくらいに色々と試したくなる面白さが達也にはあるんだろうね。今シーズンはとにかくよくゴールが取れた。逆サイドで作ってフィニッシャーとして達也が出てくるという形が多かったように組織の中で輝いていることは間違いないんだけど、ホーム清水戦に代表されるように達也のところにチャンスが転がり込んでいくことが本当に多かった印象。絶対に2桁ゴールいけると思ってたんだけどね。それでもサイドプレーヤーとして8ゴールは昨シーズンの達也の難しい決断が間違っていなかったことの何よりの証明だよ。しっかりと休んでもう一度あのキレを取り戻して来シーズンこそ2桁ゴール決めちゃうか!
来シーズンも笑顔あふれる楽しいシーズンになりますように。そして少しでも早く日常のサッカーが戻ってきますように。