Triority(トライオリティ)

四十にして惑う、それがトリニータ。

2018大分トリニータアウォーズ

2018-12-09 01:45:04 | トリニータ
もう何度目かになる大分トリニータアウォーズですが、いつも迷う。別にそれで何が決まるわけでもないのに猛烈に迷う。特に今シーズンのように昇格という素晴らしい結果が出たシーズンはみんながいいから余計に迷う。結局のところ何か数値を取ってるわけでもなく、印象論でしかないわけで、完全なお楽しみ記事。こんな風に考えてる奴もいるんだなくらいで読んでいただければ幸いです。


【ベストゲーム・圧勝編】

ベストゲームはどういう観点で切り取るかによって分かれると思うんだけど、スコアで圧倒した試合なのか、内容は別にして価値のあるゲームだったのかで分けてみました。まずはスコアで圧倒したベストゲーム。
第7節 ホーム千葉戦
J2の最多ゴールクラブとなるほどに多くのゴールを決めた今シーズン。4ゴール以上決めた試合が何と8試合もあった。田中達也が「何も出来なかった」とこぼしてしまうくらいにホーム新潟戦も完勝だったけど、長年の呪縛から解き放たれたと思ったらいきなりの4ゴール圧勝という振り幅デカすぎなホーム千葉戦をベストゲーム・圧勝編に選んだ。選手はどうかは分からないけど、サポーター的にはあっさりと千葉越えを果たしたことで「今年はいけるんじゃないか」という思いを持てたこの序盤の圧勝劇は本当に大きかったと思ってる。


【ベストゲーム・価値編】

第41節 ホーム金沢戦
今季唯一参戦したホームゲームで、「ホームゲームってこんなに楽しかったっけ?」と思うくらいに満足な遠征だったので、もうこれ以外を選ぶのは無理。試合前からスタジアム全体が期待に満ちた高揚感に包まれていて、さらに素敵なライブがあったり、そして何よりも試合。内容や見所から言えばもっと充実した試合はあったと思うけど、苦しんで苦しんで最後にこじ開けた川西のゴールの価値は本当に無限大。あの時の歓喜は大げさじゃなく、山形で昇格が決まった瞬間よりも嬉しかったんじゃないかといま思い返してもそう感じてる。


【ベストゴール・個人編】

ベストゴールは毎年恒例個人編と組織編に分けて発表。ただ今シーズンは76もゴールが決まったので、1つを選ぶのが難しい。従いまして今回はトップ3とさせていただきました。

第3位 第5節 ホーム水戸戦 林容平
このゴールは怜さんのアシストまでセットでの選出。このゴール実はめちゃくちゃ好み。まずシンプルに縦に仕掛ける怜さんの突破。これを頻繁にやるようになって怜さんは一皮むけたと思ってる。この時の突破もエンドラインちょうどまでボールを持ち出してマイナスのクロス。誰にでも出来ることじゃないからどんどんやってほしいと思ってる。ただクロスは中の林にややつまり気味に入ってしまったけど、それをフカさず、当たり損ねず、見事にニアに突き刺した林のシュート技術がたまらなく好み。ペナ内に入り込んでいく前に相手DFともつれてコケてるんだけど、すぐに立ち上がり走り出す林のひたむきさもまた好み。


第2位 第28節 ホーム岡山戦 後藤優介(1点目)
このゴールは本来ならベストに選ばれてもおかしくない要素が詰まってたゴールだったけど、1位に選ばれたゴールがすご過ぎて惜しくも2位。この岡山戦は最終的には4−1の完勝に終わるわけだけど、タラタラと試合を決め切れないうちに同点に追いつかれてしまった。そのことに腹が立っていたので、実はこのゴールが決まった時もあんまり素直に喜べてなかった。ただ後から見返せば見返すほどに豪快さ、精度、そして勝ち点をもたらした価値とシーズンベストに選ばれておかしくないゴールだったと思うわけなんだけど、しつこいけど1位がすご過ぎた。


第1位 第6節 アウェイ讃岐戦 宮阪政樹
ごいごいすー。これはもうごいごいすー以外の何物でもない。これをスタジアムで見られた人は一生もんだよね。心から羨ましい。今回の諸々の選出をするためにもう一度(正確には何度も)このゴールを見返したんだけど、その軌道じゃないと決まらないという軌道を50m以上ある距離から撃ち抜いてるんだよね。こういうゴールをたまにラッキーっぽく評価してしまうことがあるけど、そんなことは絶対にない。技術、視野、メンタル全てのプロの技が凝縮されたシーズンベストに選出されるのにふさわしいゴール。いやー、ごいごいすー。

ちなみに個人編で選んだ選手は全員今シーズンは不完全燃焼だったと思われる。でも個人的にはこの3人には来季必ず巻き返してほしいと思ってる。3人が3人ともよりJ1向きだと思ってる。契約のことはどうすることも出来ないけど、この3人は来季も大分にいてほしい。特に林はJ1向き。


【ベストゴール・組織編】

第3位 第42節 アウェイ山形戦 星雄次
右で突破して左が詰める。最後の最後も今シーズンを象徴するようなゴールだったと思う。岩田が右CBに定着してからは怜さんとのセットでその機動力を活かして、このゴールのようにもう1列前の選手を使いながら右サイドを突破、中に複数枚入ってきてDF陣を混乱させて、大外で仕留める。理にかなった素晴らしいゴール。流れの中から右CBの岩田がラストパスを送ってダイレクトで左WBの星が決める。文字だけで読むとどんなすごいゴールなのかと思ってしまうけど、今シーズンの大分の必殺パターンだったように思う。


第2位 第38節 アウェイ千葉戦 三平和司(2点目)
このゴールをシーズンベストに選ぶ人も多いかと思う。現地でゴール裏から見てるとこの時のパスワークはよく左右にスピード感のあるテンポで回ってて「いいぞ、いいぞ」と思ってるうちに最後まで崩し切ってしまった感じだった。ただ冷静になるとあの位置で中途半端な特攻気味のハイプレスを仕掛けてる千葉が必要以上にこのゴールを美化してくれちゃってる感はあるなと思って、2位に下げた。ただ関わった人数、繋いだパスの数を考えると、これは本当にいいゴールだった。来シーズンに向けてスピード感のあるパスワークとか、パススピードの向上って結構大きなポイントだと思っていて、このゴールはそういう意味でJ1でどれだけやれるかのいい指針になってるように思う。


第1位 第20節 ホーム福岡戦 藤本憲明
展開自体は2位のさんぺーのゴールと似てると思うんだけど、奪ってから速い、左右の揺さぶりがある、ニアでズドンが個人的に好みという点で第1位とさせていただきました。奪ってからすぐに右に流れた藤本にパスが出た時点である程度福岡のDF陣が混乱していて、そこからさらにドリブルで藤本が真ん中に侵入していったため福岡DF陣も中に密集してきた。このゴールのポイントってここからにあると思っていて、そこから真ん中を割ろうとしにいったんじゃなくて馬場を経由してもう一度右に出したことで密集してた福岡DF陣がまたふんわりと広がっていって誰が誰を捕まえるのかが曖昧になっていた。そこで素晴らしいタイミングでニアに入り込んだ藤本のヘッドが炸裂。出来る限り俯瞰で見てみるとゴールまでの流れが如何にいいかがよく分かる。豪快な個のゴールもいいけど、やっぱり組織で崩した時の充実感というか、爽快感というかはサッカーの醍醐味の一つだよなと改めて思った。


【Player of the Season】

まずはノリさんはもう殿堂入りです。J2に昇格して始まったフルタイム出場を84試合続けて、その記録がストップする理由がJ1昇格ってかっこいいにも程があるでしょ。よってノリさんは殿堂入りのため今回のランクインはありません。それと3位までだったら岩田を入れたかったんだけど、やっぱりシーズンフル稼働じゃなかったとこで割り引かせてもらった。J1で暴れてもらおう。


第3位 馬場賢治
前にも少し書いたけど、馬場が移籍の理由を話した時に「少しでもJ1昇格に近いクラブに」という主旨のコメントをしていて、嬉しい反面うちはそこまでのクラブじゃないと思ったのをハッキリと覚えてる。それをキャリア初のハットトリックやキャリアハイの12ゴールと文句のつけようのない活躍の上にシーズン途中からはキャプテンも務めた。『有言実行』とはこういうことを言うんだなと本当に脱帽という思いを馬場には持っている。よく考えてるんだろうなというのは試合中のちょっとした所作にも表れてるし、チームの精神的な柱としての役目も果たしてくれてたと思う。大変失礼な話だけど、移籍が決まった時はここまでの活躍は想像していなかった。J1では古巣の神戸とも湘南とも対戦がある。来シーズンも頼むぞ、漢・馬場賢治。


第2位 高木駿
第41節のホーム金沢戦で1年半ぶりにホームに行って、バックスタンドの「前に蹴らんか」おじさんたちがの姿がなくなっている様子を見て、片野坂さんが勝ったんだなと思ったし、高木が勝ったんだなと思った。高木も決してミスをしないわけじゃないし、今でも失点に直結するミスをしてる。ただ片野坂さんの求める高い理想にチャレンジしてる姿勢を応援したいとずっと思ってきたし、GKのレベルが引き上がることが片野坂さんの目指すサッカーのレベルをより上げることに繋がるとずっと思ってきた。高木はそれに応えようとシーズンを通してチャレンジングなマインドを忘れることは一度としてなかった。個人的にはそれだけで評価をしたいくらいだと思ってる。さらに高木に頼もしさを感じるのは、例えばミスをしたとしても誤解を恐れずに言うと「平気な顔」をしてることだ。もしかすると腹の中では「やべえ、やべえ」くらいには思ってるのかもしれないけど、「ちょっと引きつけ過ぎたかな」とか「まあ、ミスくらいあるっしょ」くらいの表情で次のプレーに移るので、チームも必要以上に動揺しない。これって最後方に構えてるGKにとってけっこう重要な資質だと思う。少し前に書いたけど、42試合フル出場を果たしたことで大分トリニータ史上1シーズンの最長時間出場選手となった。そういう意味では歴史にも名を刻んだわけだね。


第1位 松本怜
もう何ヶ月も前から公言してきたのでこの選出以外はあり得ない。序盤から「史上最高の怜さん」を見せ続けて、そして最後まで「史上最高の怜さん」で走り抜いた。昨シーズンくらいからスピードだけじゃなくて凄みみたいなのを帯び始めてきたなというのは感じていたんだけど、今シーズンはその度合いがさらに強くなったと感じた。ホーム水戸戦のゴールのところでも書いたけど、単純な縦の仕掛けの回数が以前よりも増えた印象がある。それって「自分がやりたいプレー」よりも「相手が嫌がるプレー」を優先してるからだと勝手に解釈してる。怜さんにずっと感じてた物足りなさってズバリその部分だったし、「やれるのに何でやらないの?」が個人的な怜さんに対する評価で、それはずっとずっと長いことそう思ってきた。それが昨シーズンくらいからその部分を完全に突き破った感がある。数字にも如実に表れてるし、特にゴールは顕著に増えた。先日無事に来シーズンの契約更新を発表してくれた。これでJ1→J2→J3→J2→J1のV字回復全てを体験という大分での7シーズン目を迎えることになる。これも何度も言ってる持論だけど、大分では5シーズンを超えて在籍した選手はレジェンドだから。スタジアム前に銅像を建てて崇拝されるレベルだから。哲平さんの「ウルトラ7」を超える「レジェンド7」の誕生。「史上最高の怜さん」の続きが見たい。不完全燃焼だった6年前の悔しさを改めて晴らしてほしい。怜さんには本当に期待してるし、楽しみ。来シーズン背負う番号はもう決まった。



ということで全ての賞の発表が終了。この記事書くのに3時間超え。さすがに疲れたけど、楽しかった。これだけ素晴らしかったシーズンを振り返るのが楽しくないわけがない。選手も監督も今はゆっくり休んで1年間の激闘の疲れを癒してほしい。そしてまた来シーズン楽しいサッカーを見せてほしい。高望みをするつもりはないけど、「大分がなんかすごいサッカーやってるぞ」くらいでいいからちょっと日本サッカー界をざわつかせてやろうよ。1年間本当にお疲れさまでした。そして楽しいシーズンを送らせてくれて本当にありがとうございました!!
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