goo blog サービス終了のお知らせ 

Triority(トライオリティ)

四十にして惑う、それがトリニータ。

ここが分岐点(31節福岡戦)

2018-09-02 12:59:39 | マッチレポート18’
気になったのは試合中に紹介されてた選手のコメントで徳島戦を「いい試合だった」と捉えてること。さんぺーにいたっては「自分が決めていればパーフェクトだった」とまで言い切っている。それは違うよ。フィニッシュの部分までは全て準備されていただけ。試合前から「決め切るところ」だけにフォーカスされた試合だったわけで、それが出来なかった時点で評価は「0」、むしろそこから負けてるわけでシーズンの中でも最低の部類に入る試合を選手たちがそう評価をしていることに非常に問題を感じる。同様に試合後に片野坂さんが話した「狙いどおり決定機を作っているので、(試合中の監督の)仕事として出来る余地はもう少ない。」というコメントにも大いに問題を感じる。


何が言いたいかと言うと、この敗戦で3月21日の第5節以来約半年ぶりにPO圏内からも滑り落ちたわけで、そんな「やれることはやってる」的なスタンスではJ1には上がれないと思うよということ。ましてや我々よりも試合の消化数が少ないにも関わらず順位表で上に位置してるクラブがいくつもあるわけで、もう既に何節も前からこういう状況だったことは分かっているはずなのに。もうシーズン終了までのカウントダウンが始まる局面に差し掛かった状況で、「追われる立場」から「追わざるを得ない立場」に明確に落ちた。よく「追われる立場」より「追う立場」の方がやりやすいなんて聞くけど、んなわけない。それは算数の出来ない人の寝言。残り試合と勝ち点差を考えたら我々は「追う立場」ではなく、「追わざるを得ない立場」。チャレンジャーとしての貪欲さと覚悟をどれだけ見せていけるかに残りシーズンはかかっている。昨日の試合後に泣いていた選手がいたらしいけど、その涙の真意を次節以降で見せてほしい。


冒頭に書いたことと同じ観点で評価すると、昨日の試合は徳島戦と同じ0−1というスコアだけど、評価としては遥かに高い。前回対戦の反省を活かし井原監督はキックオフから積極的に前に出てきた。危ない場面もあったけど、何とかスコアレスで耐えて、案の定後半に福岡の動きは重くなって大分ペースとなった。特に終盤はゴールになりそうな攻撃もいくつかあった。しかし最後は相手の外国籍選手のシュート精度の高さに屈した。DAZNの解説の山形さんはその直前のマルちゃんのラストパスを引っかけられたところがこの決勝ゴールの要因となったと解説してたけど、流れから言えばそうなのかもしれないが、ここはそうは言いたくないなと思ってる。引っかけられないようにゴールから離れていってしまうようなパスでもいいから安全にという狙いのパスであれば、ごっちゃんの足元に入り過ぎて多分シュートは打てなかったと思う。そのギリギリの部分を狙ったパスだったわけでアレはやむを得ないミス。そこから食らったカウンターも最後のシュートの局面ではこちらの人数は揃えられてたし、それを上回るシュート精度だったわけだからやっぱりアレはやむを得ない。これこそ勝ち切りにいったからこその敗戦。2試合ゴールがない状況での敗戦なので捉え方としては難しいけど、徳島戦とは比べようもないくらいに受け入れられる敗戦だ。


ただ結果としてこの試合もノーゴールだったことは重く受け止めなければならない。前節あれだけお粗末な試合を展開した後での試合で片野坂さんは同じフォーメーション、ほぼ同じメンバーで臨んできた。1失点だし敗戦は仕方がないとしても、またしてもノーゴールだったことについては片野坂さんに大きな責任がある。徳島戦後にも書いたけど、3センターにして前線の枚数を削ってからバランスがよくなり失点は減ったものの、確実に点は取れなくなってきてる。その現象が明確なわけで指揮官としては配置を変えるのか、人を変えるのかは最低でも実行してくるべきであって、それをせずに臨んだからにはそれなりの狙いがあったと思われるわけで、それでなおノーゴールだった結果に対して片野坂さんの責任は大きい。個人的には3センターのフォーメーションが悪いとは思ってないし、中盤を2枚に戻してもいいと思ってる。ただ3センターのままなら今のチョイスよりももう少し攻撃に絡んでいける選手の起用がいいのではと考えていた。そのどちらも実行されない中で、結果としてノーゴール。片野坂さんに対するかすかな不信感が心の片隅で芽生え始めた感覚を無視できなくなってきてる。


そもそもこの3センターのフォーメーション自体がそんなに良くないんじゃないかという視点は忘れちゃいけないと思う。岐阜、新潟はもうハッキリ言ってボーナスステージだっただけで評価の対象外。そう考えると、岡山戦の先制点と2点目くらいしかちゃんと決められてるゴールがないわけで、果たして本当に機能してるフォーメーションなのかという疑問は確実にある。相手陣内に侵入していくまでは数的有利な状況を活かしてスムーズに進むものの、やはりアタッキングサードでの迫力不足は否めない。町田まで勝ち点11差、横Cまで勝ち点7差という置かれた状況を考えると、もう引き分けでいいという選択が出来る試合はあって1つか2つ。全ての試合で勝っていかなければならない中でもうバランスを重視して試合を落ち着かせてる余裕はない。攻撃にシフトしていくしかないわけで、片野坂さんのその決断を待ってる。残り試合が少ないとは言え、勢いに乗れればまだまだ巻き返せるだけの時間はある。勢いに乗るというチームの雰囲気を作り出す意味からもここが分岐点。


次節の熊本(21位)が8連敗中の岐阜以外で勝ったのは5月21日の水戸戦まで遡らなければならない。その間16試合で何と12敗。その次の讃岐(22位)は5連敗中。その5試合全てでノーゴール。直近でゴール出来たのはご多分に漏れず岐阜戦(7月25日)。つまり8月は勝ち点なしどころかゴールなし。さらにその次の山口はちょっと前まで首位争いしていたような薄い記憶があるけど、11試合勝ちなし。最後に勝ったのは6月16日の徳島戦。ということでここからの3試合で勝ち点9は約束されたようなもんなので、34節終了時に勝ち点60で順位表上のどこにいるかで今季の目指すべき着地点が見えてくるんじゃないだろうか。こういうことを書くと「簡単な試合なんて1つとしてない」とかいう「空は青い」くらいに当たり前の反論が返ってきそうだけど、J1昇格というとてつもなく難しい目標を達成しようとしたら、「海も青い」くらいに当たり前に他のクラブが出来てることが出来なければ、到底達成することなんて出来ないわけですよ。町田とも松本とも横Cとも対戦を残してるので、本当の勝負はその「当たり前」の先にあるんだよ。それくらいにもう勝ち点を落としてきたってことだ。


そしてそれは同時に、早ければ来週にでも(昇格という観点からの)今シーズンが終了することにもなり得るということ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする