Triority(トライオリティ)

四十にして惑う、それがトリニータ。

【新戦力分析・その6】児玉新選手 ~+α

2013-02-25 22:54:18 | トリニータ
やっとこのシリーズも最後。深谷も書こうかと思ったけど、誰よりも我々が一番深谷のことをよく知ってるし、いいかなと。

さて児玉選手。キャリア的にはベテランの域に入る選手ですが、一番強いイメージはやっぱり清水エスパルスの左SB。ナビスコファイナルの先制点の時も、負ければ降格の09年H清水戦の逆襲の狼煙をあげるゴールの時も、清水の左サイドには児玉選手がいた。

昨シーズンはその清水からセレッソへと移籍をした。出場記録を見ると、10年シーズンまではコンスタントに出場していたものの、11~12年シーズンは2年で5試合しか出場出来ていない。これは11年シーズンにじん帯断裂の大ケガをしたことが影響してるようだ。昨シーズンも位置付けは丸橋選手のバックアッパー。丸橋選手が出場停止だった2試合での先発のみだった。そのうちの28節鳥栖戦を観た。

本人も言うように全体的なプレーの印象は「堅実」そのもの。非常にスタンダードなSBのイメージ。光るプレーは何と言っても、低い位置から左足で巻くように入れるクロス。いわゆる「アーリークロス」。堅実なだけにガンガン上がるSBではない。タイミングを見計らって、サイドハーフと連携しながら上がってくる感じ。かと言って上がり切るかというとそうでもない。そこで威力を発揮するのが、アーリークロス。精度は高いし、受け手側がしっかりと理解してあげれば、大きな武器になると思う。

そこでポイントになるのは、児玉選手がどこで使われるかということ。長いこと左SBをやってきたけど、今の大分で使われるなら、ヤスのところか、ジョンハンのところ。個人的には1試合を観た限りにおいてどちらがいいというイメージは湧いてこなかった。まさに一長一短。サッカーにおいては、「堅実」ということと、「一長一短」ということはニアリーイコールで語られることが多いと思う。児玉選手のこの記事を書くにあたって、副題を「+α」にした。堅実というのはDFの選手にとって、非常に大切な要素だと思う。でもオレが児玉選手に期待したいのは、その堅実さに上乗せされる+αだ。

正直に言って、ケガやアクシデントがなければ、左サイドはヤス+ジョンハンでいってほしいと個人的には思ってる。昨シーズン終盤にこの左サイドが見せた充実ぶりは素晴らしいものがあったし、実際にチームのストロングポイントになってた。もちろん二人と児玉選手の経験の差は比べようもないんだけど、それでも二人のアグレッシブなプレースタイルに現時点では心惹かれてしまうのが正直な思い。

それぞれに色んな特徴があって、その上でポジション争いが繰り広げられるのが、チームにとって一番いい状態だと思う。ヤスやジョンハンに期待しながらも、児玉選手が「おっ!」と言いたくなるようなベテランらしからぬ殻の破り方をしてくるシーンなんかも一方では期待してるのがサポーターってもんだ。指揮官が児玉選手をよく知る田坂さんだけに、コンバートがあってもいいと思うし、プロ12年で1ゴールの選手が、わずか1シーズンでその記録を抜いてしまう得点能力を開花させるなんてのも魅力的だ。

今までは大分トリニータにとっての印象的な試合の右サイドにいつも児玉選手がいた。でも今シーズンからは児玉選手のアーリークロスから大分トリニータにとっての印象的なシーンが描かれることを期待する。児玉選手が+αを見せることは、それはすなわち大分トリニータにとっての+α。さんぺーがいなくなった右サイドが注目されてるけど、左サイドも秘かに熱い!



※このシリーズでは新加入選手を「○○選手」と呼んでいましたが、開幕からは一緒に戦う同志なので、敬意を持って、呼び捨てに変更します。
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