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郷秋<Gauche>、ミサ曲を歌う(その二、T先生のこと)

 先週末に歌った「私たちの為のミサ曲」を作曲してくださったT先生は、音楽以外の事も本当にたくさんの事を教えていただいた、郷秋<Gauche>にとってはまさに人生の師でもある。思い起こせばもう38年ものお付き合いになるT先生なのだが、失礼を顧みず書かせていただくならば、最近では飲み友達ででもあるかのうようなお付き合いをさせていただいている、そんな敬愛するT先生なのである。

 T先生は、戦後の合唱の世界を牽引した故岡本敏明先生(玉川学園-くにたち音楽大学)の愛弟子である。ひと月ほど前に岡本先生のお孫さんでヴァイオリン弾きの中一乃さんの小さなコンサートでご一緒した折に、そのコンサートを企画された作曲家、ご自身の教え子でもある古曽志洋子さんに、「僕は作曲家じゃないから。家に帰ってから見てください」と云いながら、刷り上がったばかりのミサ曲の楽譜を手渡したT先生。

 T先生は岡本先生同様、合唱指導者であるとともに音楽教育者であるのだと、郷秋<Gauche>は思っている。事実、音楽教育に関する著書は少なくない。ご本人は自分は作曲家ではないと云われるけれど、合唱曲作品はいくつもあり「信濃の民謡によるコーラルファンタジー」「混声合唱組曲 津村信夫の詩による信濃の五つの詩」はその代表作であり、小品「風がフルルン」(浅田真知作詩)は多くの合唱団が愛吟するところとなっている。

 作曲家を名乗る方にあっても、ミサ曲を作曲された方は(少なくとも我が国では)多くはないと思う。その意味で、T先生は音楽教育者でありかつ作曲者であり、くにたちの行脚合唱団を率いて全国の小中学校をまわられた岡本先生の後を継ぐように、永年続けて来られた訪問演奏会活動を考えれば、何よりも音楽の、取り分け合唱音楽の伝道師であると云うべきであろう。


 今日の一枚は昨日に引き続き、そのT先生の手。楽譜を子細に点検した後に更に自らピアノを鳴らして確かめている図。

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