ブラウン管が無くなる日

 テレビやコンピュータのディスプレイとして長らく使われてきたブラウン管が、早ければ1、2年後には日本の市場(店頭)からその姿を消しそうである。

 ブラウン管はカール・フェルディナント・ブラウン(1850年~1918、ドイツ)が発明した映像(画像)表示装置で、英語ではその構造からCathode Ray Tubeと呼ばれ、直訳日本語では陰極線管とも言われる。要するに真空管の一種であり、これがなかったら、テレビ放送は成り立たなかったという、大変重要なものである。

 そのブラウン管も液晶やプラズマといった、まったく異なる原理の平面型ディスプレイの登場によって、そのマーケットが加速度的に小さくなってきていたのはご存じの通り。ブラウン管のテレビを使われている方はまだ結構いることと思うが(我が家がそうだ)、今、このブログをCRTのモニターでご覧の方は、多分20人に一人くらいではないだろうか。

 静止画像が中心だったPCのモニターの方が、動画を前提としたテレビの受像機よりも早い時期に平面型ディスプレイに移行したからである。と書いて、気がついた。ブラウン管とCRT、同じものだけれど、テレビ放送の受像機(ようするのテレビのこと)の場合にはブラウン管、PCのモニターの場合にはCRTという言葉を使う事が多いようだ。どうしてだろう。

 場所も取らないし消費電力も少ない。初期のものと比べようもない程、色の再現性も応答性も良くなっているから(放送業界のプロに言わせると、性能的にはいまだにブラウン管のディスプレイに一日の長があるそうだそうだが、業務用にあっては既に新しいブラウン管方式モニターは入手できないらしい)、早晩世代交代するものとは思っていたが、国内では、あと1、2年でブラウン管が姿を消すという予想にはちょっと驚いた郷秋<Gauche>である。
  
 例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、昨日の続き。曽我の梅林周辺で撮影したものの中から。
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