東芝、HD DVD撤退か

 1月22日に、次世代DVDはブルーレイで決まり?という記事を書いた。その時点で、ブルーレイディスクとHD DVDの海外における陣割やシェアに関する情報を十分に持っていなかった郷秋<Gauche>は「全世界的にも日本国内に近い状況であるようには思えるけれど、ソフト供給側の体制の問題もあるので、「日本の状況=世界の状況」と言い切る事が出来ないのが難しいところである」と書いたが、海外でもブルーレイディスクが圧倒的に優勢であったようである。

 16日以降、マスコミは挙って「東芝、HD DVD撤退を検討=次世代規格争いで苦境」(時事通信)、「東芝のHD-DVD事業、全面撤退含め見直し」(日刊工業新聞)、「東芝 年末商戦惨敗で決断 新世代DVD撤退へ」(毎日新聞)、「東芝がHD DVD方式から撤退で最終調整、規格争いは収束へ(ロイター)などと書きたてた。

 これに対して当の東芝は、HD DVD事業について「今後の事業方針について検討しているのは事実だが、事業の徹底については「何も決まっていない」(西田厚聰社長)と報道を否定。

 まぁ、結局はHD DVD事業から撤退するんだろうな。売れないHD DVDにこだわるよりも、得意なフラッシュメモリなどに経営資源を集中させた方がいいからな(もっとも東芝は「NAND型フラッシュメモリの新工場建設計画」という報道も否定しているが)。

 しかしだ、HD DVDプレーヤー(レコーダー)を既に買ってしまった人はどうすればよいのか。30年前の「ビデオ戦争」(ほぼ決着がついたのは20年前だったかな?)では勝ち組だった東芝も、次世代DVDでは負け組みとなることは確実。

 そうは言っても次世代DVDから撤退するのではなく、いずれブルーレイ規格のプレーヤーやレコーダーを出すことになるのだろうから、時期を見てブルーレイ規格のプレーヤーやレコーダーに買い換えると言うことになるのでしょう(東芝製でなくても良ければすぐに買い替え?)。

 消費者を蚊帳の外に置いたデファクトスタンダード争いはまったく迷惑な話であるわけだが、まだ海の物とも山の物ともつかないうちに、新しいものに飛びついてしまった我が身の不運、同じ過ちを繰り返さないための「授業料」だと思って諦めるしかないでしょうね。
 
 例によって記事本体とは何の関係もない今日の1枚は、すみよしの森の農家の庭先の枝垂れ梅。今週末辺りには満開かも知れません。
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