goo blog サービス終了のお知らせ 

アブソリュート・エゴ・レビュー

書籍、映画、音楽、その他もろもろの極私的レビュー。未見の人の参考になればいいなあ。

Meet the Parents

2008-08-20 20:48:00 | 映画
『Meet the Parents』 Jay Roach監督   ☆☆☆★

 DVDで再見。いかにもなハリウッド式コメディだが結構好きだ。ベン・スティーラーの嫌味のなさがいい。適当にいい男で、適当にアホである。くどくない。しかも好青年だ。

 その好青年がどんどんドツボにはまって行く。最初は笑って見ていられるが、プールのバレーボールで花嫁に怪我をさせるあたりからかわいそうで見ていられなくなってくる。うわーこんな状況嫌だなーという、まさに男の悪夢を現出させた不条理劇だ。これはゲラゲラ笑うというより、イテテテといいながらマゾヒスティックに身をよじりつつ観る映画である。しまいには恋人の父親のロバート・デ・ニーロに「Sick son of a bitch!」と言われるまでになってしまう。普通の人間ならいたたまれない状況だ。こうなってくると、それでもがんばってその場に残っているグレッグもまともな神経とは思えない。

 とてもかわいそうではあるけれど、すべてが誤解や偶然でなく、ある程度はグレッグ本人の身から出たサビというのもポイントだ。猫の乳搾りをしたと嘘つくとか。アホである。そのアホさとかわいそうさのバランスが微妙で、途中まではなかなかうまい匙加減だと思う。ただ後半になって災厄がエスカレートしてくるとやり過ぎ気味になる。別の猫を持ってきてジンクスの身代わりにするとか。あんなことする奴はいないだろう。
 しかしまあ、逆にグレッグのラストネームがフォッカーなんてあり得ないギャグはあんまりバカバカしくて笑える。それをまた好青年っぽく「発音は綴りの通りですよ」なんて説明するグレッグもおかしい。

 しかし恋人のパムはあまりに無神経だと思うのは私だけじゃないだろう。あんな気難しい父親だったらもっとグレッグに気を遣ってあげるべきだ。猫嫌いはバラすわ、寝坊しても起こしてくれないわ、元フィアンセとは仲良くするわ。困っているグレッグに「大丈夫よ」なんて気休めをいってるうちに事態はどんどん悪化していってしまう。たまらんなあ。

 最後はうまくおさまってしまうが、私がグレッグならあの家族の中には二度と入って行きたくない。あそこまで全員から嘲笑されてそれは無理だ。というか、プールの事件があった時点でもう帰ってる。パムとの結婚も諦める。

 ところで先週の金曜日、オフィスで残業していると知り合いの日本人女性から「今ヴィレッジのイタリアン・レストランで食事してるんだけど、ベン・スティーラーがいる!」と興奮して電話がかかってきた。なんでももう一人の俳優と二人で食事をしていたらしい。まじめな顔で話をしていて、他の客も声をかけたりはしていないという。写真撮ったら、と言ったら、デジカメ持っていないと悔しがっていた。ハリウッド俳優のオーラはやっぱりすごいらしい。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。