『1977 Live at Sugino Kodo』 Prism ☆☆☆☆☆
これは日本のフュージョン・バンド、プリズムが1977年に杉野講堂で行ったデビュー・ライヴの音源である。たっぷり14曲収録されていて、アラン・ホールズワースのカヴァーや2ndアルバム収録曲の原型も含まれている。
はっきり言って、このライヴはいい。時代の古さなど微塵も感じさせない、名演と言っていいと思う。プリズムといえば現在はギター、ドラム、ベースのトリオ編成だが、この時はツイン・ギターにツイン・キーボードと大所帯である。だから今のようなギリギリとエッジが立ったシャープさはないかわりに、音に厚みとまろやかさがある。曲もまだインスト・プログレみたいな暗さはあまりなく、いわゆるジャス・ロックというか、フュージョンっぽい。いい意味で余裕と大人っぽさがある。その上プリズムらしいドラマチックなメリハリと陰影もある。個人的に「ほう」と思ったのは渡辺健のベースで、ギターに対抗するかのようにやたら高音でソロを弾きたがる後期とは全然違い、ベースらしいどっしりした音できちんとボトムを支えている。非常に気持ちがいい。もちろん、下手なヴォーカルはない。
録音状態も非常に良い。いまさら出てきた77年の音源なんていうと海賊版みたいな音かと心配する人がいるかも知れないが、まったくの杞憂である。ハッタリやエフェクトのない実に素直な、抜けのいい録音だ。各楽器のバランスも良く、若々しいプリズムの熱い演奏を充分に味わえる。
それにしても、こうして聴くとやはりみんな素晴らしく巧い。これがデビューだというから恐れ入る。ソリストが多いこともあるだろうが、長いインスト曲を飽きさせずに聞かせるアレンジもさすがだ。一発目の『Morning Light』も分厚い音でしっかり盛り上げてくれるし、『Love Me』のギター・ソロも渋いし、『Midnight Tango』や『Tornade』を聴いているとアドレナリンがふつふつと湧き上がってくる。とにかくどの曲も聴きどころ満載だ。
ファンはもちろん、プリズムはロック寄りだからどうも、という人にこそオススメしたい歴史的名演である。
これは日本のフュージョン・バンド、プリズムが1977年に杉野講堂で行ったデビュー・ライヴの音源である。たっぷり14曲収録されていて、アラン・ホールズワースのカヴァーや2ndアルバム収録曲の原型も含まれている。
はっきり言って、このライヴはいい。時代の古さなど微塵も感じさせない、名演と言っていいと思う。プリズムといえば現在はギター、ドラム、ベースのトリオ編成だが、この時はツイン・ギターにツイン・キーボードと大所帯である。だから今のようなギリギリとエッジが立ったシャープさはないかわりに、音に厚みとまろやかさがある。曲もまだインスト・プログレみたいな暗さはあまりなく、いわゆるジャス・ロックというか、フュージョンっぽい。いい意味で余裕と大人っぽさがある。その上プリズムらしいドラマチックなメリハリと陰影もある。個人的に「ほう」と思ったのは渡辺健のベースで、ギターに対抗するかのようにやたら高音でソロを弾きたがる後期とは全然違い、ベースらしいどっしりした音できちんとボトムを支えている。非常に気持ちがいい。もちろん、下手なヴォーカルはない。
録音状態も非常に良い。いまさら出てきた77年の音源なんていうと海賊版みたいな音かと心配する人がいるかも知れないが、まったくの杞憂である。ハッタリやエフェクトのない実に素直な、抜けのいい録音だ。各楽器のバランスも良く、若々しいプリズムの熱い演奏を充分に味わえる。
それにしても、こうして聴くとやはりみんな素晴らしく巧い。これがデビューだというから恐れ入る。ソリストが多いこともあるだろうが、長いインスト曲を飽きさせずに聞かせるアレンジもさすがだ。一発目の『Morning Light』も分厚い音でしっかり盛り上げてくれるし、『Love Me』のギター・ソロも渋いし、『Midnight Tango』や『Tornade』を聴いているとアドレナリンがふつふつと湧き上がってくる。とにかくどの曲も聴きどころ満載だ。
ファンはもちろん、プリズムはロック寄りだからどうも、という人にこそオススメしたい歴史的名演である。
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