アブソリュート・エゴ・レビュー

書籍、映画、音楽、その他もろもろの極私的レビュー。未見の人の参考になればいいなあ。

Live Ep-Royksopp's Night Out

2007-03-16 21:23:33 | 音楽
『Live Ep-Royksopp's Night Out』 Royksopp   ☆☆☆★

 ロイクソップのライヴ。EPのわりには9曲も入っててなかなかお得である。これ、日本盤はCCCDみたいだが、米アマゾンで買ったらちゃんとiPodに取り込めた。Japanese Pressingと書いてあるがまったく同じじゃないらしい。

 エレトロニカ・ユニットのライヴCDというのは、私の場合普通のバンドのライヴより面白味に欠けると感じることが多い。もちろんアーティストによって色々だが、この手の音楽はスタジオ盤も演奏というより工芸品であって、ライヴで発生するアンプと聴衆の耳の間の距離感がプラスになるとは限らない。それはエレクトリック・ギターやシンセサイザーを使うロックバンドも一緒だろといわれるかも知れないが、実際に人間が演奏する音楽の場合はやはり生きたダイナミズムというものがある。私はライヴでシーケンサーの音が増えれば増えるほどつまらなくなるし、手弾きであってもシンセサイザーの音が多すぎると安っぽく聴こえてしまう。

 しかしエレクトロニカといってもライヴでは生演奏を取り入れるわけで、そこが聴き所の一つになる。電子音楽に変に生演奏を入れても逆効果の場合もあるが、ロイクソップの場合はメロディ志向でヴォーカルも入っているので、違和感は小さい。スタジオ盤とはアレンジが変えてあったりしてそれも楽しめる。けれども、やはり音の作りこみの甘さを感じる部分があり、緻密にプロデュースされたスタジオ盤より落ちると思う。『Poor Leno (Istanbul Forever Take)』は私の大好きな曲で、ライヴ・バージョンの重低音の迫力は最高だが、後半メロディを引くシンセの音がしょぼく、音量も途中で小さくなるのにはがっかりした。あれはアクシデントだろうか。

 『Only This Moment』もなかなかいいが男性ヴォーカル・パートが微妙にしょぼい。『Remind Me』はオリジナルとほぼ同じアレンジで、ヴォーカルがヴォコーダーになっている。『Sparks』はオリジナルと全然違うアレンジでまあまあ楽しめる。『Go Away』は逆にチープな感じだったオリジナルが広がりがある音になっていてイケる。

 基本的に音に広がりがあり、重低音が効いているので迫力はある。ロイクソップ・ファンは十分楽しめるライヴ盤だ。しかし、スタジオ盤では感じないチープさを感じてしまう部分もある。ロイクソップを聴いたことがない人はやはりスタジオ盤を最初に聴いて欲しい。 


最新の画像もっと見る

コメントを投稿