崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

科研採択の朗報

2013年04月04日 04時35分14秒 | エッセイ
昨日の読書会で私は「朝鮮」1920年創刊号(朝鮮総督府)から小田幹治郎の「朝鮮の姓について」を読んだ。朝鮮には李、金、朴、鄭、尹、崔など総数279姓であること、朝鮮の姓は血縁、日本の氏は家門であり、基本的に異なること、特に寡婦が戸主になる時に姓が変わるということの問題点が指摘された。そこに創始改名の意図が表れている。この研究以前の今村鞆の研究を含め1940から実施した創始改名までは30年の調査研究があったことがわかった。「同姓不婚」(同じ姓の間は結婚できない)、「異姓不養」(姓が異なる間では養子ができない)という鉄則が今揺れて法律的には先進したシングルマザーも認められているが、単系男系優先、男子選好思想はまだ強く底流している(拙稿「韓国人の名前の文化人類学的考察」『名前と社会』、早稲田大学出版部)。その朝鮮の伝統と植民地政策に関する私の研究は今も続いており、執筆中である。
 私の研究を応援するような朗報があった。私が分担者として応募した科研が採択されたと代表者からのお知らせが昨夜届いた。4年間植民地研究をグループで行うことができることはうれしい限りである。進行中の法政大学での5年間の研究会と合わせて議論することは楽しい。日本に来て研究支援に恵まれて感謝である。また、今度の代表者に感謝している。