崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

戦争が即発するようなニュース

2013年04月03日 05時27分21秒 | エッセイ
 北朝鮮からいろいろと戦争が即発するようなニュースが聞こえてくる。「火の海」「血の海」をはるかに越えた品のない言葉に嫌な気分になる。しかし、日本と韓国を往来する人は南北緊張関係を話題にする人はいない。そのわけをあえて聞いてみたら北朝鮮の攻撃を待っているかのような返事であった。韓国国民の心理かもしれないという。攻撃されたら北朝鮮は一気に焦土化し、統一は半日で可能になるのではないかと過剰な自信を持っている。実に挑発を待っているような「戦争心」が低流しているような返事である。
 朝鮮労働党中央委員会総会が重大な会議を行ったという。それについては気になることがある。日本のマスメディアは北朝鮮の人民大会が「日本の国会」に当たると付記する。中国共産党のものと同様、朝鮮労働党の人民大会とは指導者の部下会や職員会のようなものであり、日本の民主主義的「国会」に比するものではない。それをそのように付記することは便宜な重大誤報であろう。外国の「大統領」を日本の「天皇」に当たるという素人的説明であり、危険なことである。中国や北朝鮮の人民大会の委員の選出方法を正しく伝えるのがメディアの責任である。そして今の緊張関係が民主と独裁の対立であることを明らかにしてほしい。