崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

真の民主主義」

2011年08月23日 05時57分29秒 | エッセイ
 いまリビア情勢から目を話せない状況である。昨日反政府側が首都トリポリを掌握したというニュースが入ってからCNNから最後のカダフィの姿を見ようとテレビをつけっぱなしにした。国営テレビも突然、放送が停止されたという。反政府側が国営テレビを制圧した。カダフィ大佐は大きな宣伝武器の国営テレビを奪われた。これから焦点になることはカダフィが現れることである。フセインのように穴から見つかるかもしれない(写真はロイター通信)。42年間の独裁政権が北アフリカで突風のように吹いて中近東に吹いていく。
 私は韓国の民主化の過程を思い出しながら心から反政府側を応援している。カダフィが戦死するか、人権犯として裁判に掛けられるか、いずれにせよ歴史的なメッセージは大きい。この風はどこまで、何時まで吹くかは未知である。これから少数民族を140も抱えている内政を心配する人がいる。しかし独裁にはノーであろう。たとえば韓国では学生デモによって政権を倒した後に軍事クーデタ、朴大統領の暗殺、またそれを機にした独裁政権が長く続いたことは記憶に新しいことである。結局変化をもたらしたのは民主化の力である。その時代には敵わない。戦争の遺産としての「変形民主主義」ではなく、「真の民主主義」を期待する。