崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

「冷徹に思考せ」

2011年08月16日 05時51分11秒 | エッセイ
 昨夜日本のニュースでは15日、政府が主催する全国戦没者追悼式が開かれた。約310万人の冥福を祈るとともに、平和を誓ったと伝えた。昨日の本欄で「平和の危険性」について書いたように「平和への誓い」が怖く感じた。同じ時間帯の韓国のニュースでは政府の光復節の行事、そして若者の竹島(独島)は「我が領土」という反日的なデモが報道された(写真インタネット)。私が最も恐れるのは政府主導のナショナリズムよりこのような民間、特に若者達のものである。「冬のソナタ」以後民間レベルで日韓関係が良くなってきて、今は政治家の妄言や政策より互いに好きな隣国になったのは喜ばしい。しかし韓国の若者の「我が領土騒ぎ」は中国の若者に非常に似た風景であり、幼稚に感じた。一昨日の「毎日新聞」のあるコラムには徳川が鬱陵島を「朝鮮領土である」としたと書いていた。東京裁判などで日本以外の外国の弁護士や判事らが日本側を弁護したような冷徹な知識人が多い国が良い国であろう。「一致団結」というシンプルな社会は過ぎ去ったのである。ただ「愛国」という名分を借りて盛り上がって浮遊する民衆は危険である。若い人へ「冷徹に思考せ」とメッセージを送りたい。