崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

堀晃画伯

2011年05月11日 05時46分17秒 | エッセイ
 毎日新聞下関版に堀晃画伯がパリで個展を開くと報じられている。「日本の海」というテーマである。その日本の「海」とはなにか、私は勝手に想像する。彼とは面識がないが、彼のお母様の堀麗子氏とは親しい。私の研究の大きいテーマの植民地日本村の創立者の一人である木村忠太郎氏のひ孫に当たる。私が植民地研究を始めたきっかけは韓国全羅南道巨文島の日本人村であった。1968年その島を訪ね調査を行ってから1980年代以来何度も調査に行った。その中で木村忠太郎の生まれ故郷の湯玉を数多く訪ね、話を聞き、資料を活用させていただいた。2年前には堀麗子氏を同伴して調査団を連れて巨文島へ行った。堀晃氏が高校時代に一人旅で巨文島を訪ねた日記を書いたものを読ませていただいた。私は今それも読者に読めるようにしたいと思っている。
 彼は海辺の村で生まれてそこで育っているが、彼には先代がその海を渡って朝鮮半島の南端の海辺に日本村を作った開拓精神の血が流れているのではないだろうか。彼は長い間奄美大島で海をデーマにして創作活動をしている。私は記事を読みながらその海の開拓精神の絵を鑑賞したいと思った。