崔吉城との対話

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英国女王のアイルランド訪問

2011年05月18日 05時47分17秒 | エッセイ
 英国のエリザベス女王(85)がアイルランドを訪れた。アイルランドは12世紀に英国に征服され、1800年に併合された。1922年、北アイルランド6州を除く26州が英連邦自治領となり、37年に独立。北アイルランドは英領であり、カトリック系とプロテスタント系の対立とテロが続き、3200人以上が犠牲になった。
 イギリスは隣国であるアイルランドを800年にも及ぶ長期間、侵略、植民地にしてアイルランドの民族主義は世界的にも有名なことである。西洋植民地はアジア・アフリカの異人種の支配が常であったが、ソ連や中国のように少数民族を手に入れるのを別にすれば隣国を長く植民地とした例は異例とも言えるものであり、日本が韓国を植民地化したことと似ている。私はその隣国関係を見るために短い期間ではあったが調査をして論文を書いた。
 女王はアイルランド独立のために亡くなった人の追悼施設や「血の復活祭蜂起」が起きたスタジアムを訪れる。私は隣国の間で悲劇的な事件、ケースメントの処刑をテーマにして調べた。その論文は上田・崔・中村・上水流氏編『交渉する東アジア』(風響社)に巻頭論文として掲載した。
 日韓関係は今とてもよい関係である。本当の和解がなされることを期待する。