崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

秋夕

2009年10月06日 03時45分31秒 | エッセイ
 旧暦の8月15日は韓国や中国などの伝統的な大きい名節である。韓国では正月とともに二大名節の一つの「秋夕」である。今年は10月3日であった。昨日韓国のある大学に電話しても応答がない。後に大学が連休であることが分かった。私は秋夕の日に研究会で外泊、夢中で過ごしたので思い起こすこともなかった。自分では意識することもなく、すでに韓国や中国文化圏から外れてしまっているのである。
 明治以降日本や韓国は西暦を使い、時間の開化政策をとってきたのに日韓にはまだ名節や年中行事などで時間を共有していない部分も多い。特に旧暦による名節において日本は東洋文化から外れている。中国や韓国では旧正月が年の始まりではなく伝統的な名節として持続している。旧暦カレンダーから旧暦の時間が完全に消えていない。欧米化が必ずしも良いとは思わなくとも時間の世界化は必要である。日本は国家の年号を使っている。明治、大正、昭和、平成などの年号を使っている。北朝鮮は金日成誕生1912年を元年とした国家の年号の「主体」を使っている。趣旨は日本と同様である。韓国は戦後一時期「檀紀」という年号を使ったが取りやめた。時間を完全に国際化するのは難しいが、年号は不便である。自動的に換算できるようにするか、年号をなくすべきである。11月21日山口大学で行われる「時間と近代化」に関する国際シンポジウムで発表する予定である。