崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

女優酒井法子の覚せい剤

2009年08月25日 05時43分47秒 | エッセイ
 女優酒井法子容疑者(38)の覚せい剤について新聞ではそれほどではないが、テレビでは毎日のように報道が続いている。酒井氏は「夫に勧められて気持ちが良くなり」とも報じられている。他の体験者の話によると一度覚せい剤の効果を覚えると止められない「快楽性」があるという。我々は普段「楽しい」、「楽しみにします」など「楽」を「楽に」言っている。より楽しいものを求め、感動しようともしている。もっと「快楽」を求めようとすることも多い。しかし「快楽」には危険性があると言われている。止めにくく、続けてしまい、楽しみのバランスが崩れやすくなる。
 セックスの快楽性も危険と考えられ禁欲が勧められてきたのは真理でもある。フーコという今世紀の偉大な哲学者は中世の修道院で禁欲生活に関する研究をした。それは人間の本質にかかわる問題としていた。覚せい剤は法律で禁止されているので危険な物のように思われがちであるるが、実は個人それぞれ「楽しみ」を「快楽」にしていて、止められない人は多い。ギャンブル、たばこ、飲酒なども程度の差はっても飲み方によっては覚醒剤に近いものであろう。楽しみや快楽は人を幸せにしてくれる原動力でもある。快楽を乱用せずバランスよく生きることは大事であろう。女優酒井法子に関する番組自体がそのバランスを取ろうとしているのだろうか、覚せい剤のように止められないようになっている。むしろ「快楽」の覚せい剤に誘惑するような番組になるのではないかと心配である。