崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

見下ろせる楽しみ

2009年08月01日 06時20分13秒 | エッセイ
わが住まいは地上16階にあたる高い海辺のマンションである。関門海峡の花火もよく見られ、展望が良いと言われる。山頂に住むようで猛暑でも暑さ知らずで暮らしやすい環境に恵まれていることに感謝している。鷹などの鳥類も見下ろせ、観察することもできる。自慢の花見は見上げる感動は少ない。平面とか見下ろして見るより見上げて見た花火の方が感動は大きい。門司港と下関港の夜景を見降ろしながら世界一の夜景のように美しく感じている。
 柳田国男という民俗学者は死後、村の後ろの小山の上で村を見下ろせる先祖になりたいといった気持ちが理解できる。私は天に登り神様と一緒にこの美しい夜景を永遠に楽しむことを希望する。私は地上の墓には関心がない。高い所から天に昇る準備をしているような気分である。