崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

患者の私に「先生」と言う内科の先生

2009年08月13日 06時05分37秒 | エッセイ
 昨日病院の検査結果をまって、医師の診断が行われた。家内も心配をして同行した。検査結果を待つのは不安であって、何を言われても冷静に受け止める覚悟であった。マスクをしている医師の表情をキャッチすることは難しいが権威のある視線が当てられて恐縮な気持ちいっぱいであった。その先生から「先生、癌でも結核でもないですね」と言われた。「先生」「癌」という二つの言葉に驚いた。医師から患者の私に「先生」と話しかけられたのは初めてであり、また「癌」は予想外の言葉であった。今まで癌を疑って検査をしたのか。「癌ではない」という言葉は嬉しいが、「癌」も私から遠い病気ではない、親密ささえ感ずる気分になった。問題は「経過を見よう」という言葉が気になる。長寿の目標であった父より大部長く生きている現在、死を受け入れる心の準備をするという戒めの機会にしたい。アフリカのケープタウンに電話して調査旅行の日程を急いで調整している。