崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

女傑の民間外交

2009年08月20日 06時13分24秒 | エッセイ
 朝鮮半島の南北関係の緊張関係の中で現代財閥の玄貞恩会長が金正日総書記と会談したことやクリントン前アメリカ大統領の北朝鮮訪問でかなり政治的突破口が開かれた。玄氏の外交活動は意外なことである。全く純粋な民間外交であるからである。六カ国協議にしか期待しないような日本の外交にとっては刺激的な女性外交活動である。韓末時代の高宗妃の女傑「閔妃」が義理の父の大院君と対立して外交を行ない、日本の刺客によって暗殺された悲劇的な歴史を思い出す。
 彼女の民間外交によって政府間の調停が行われると韓国政府が発表した。国家の外交とは多チャンネルであるべきである。シャットダウンして「拉致」「核」を叫ぶより外交努力をしなければならない。
 玄貞恩氏は現代商船会長の娘として1955年に生まれ、梨花女子大学校社会学科を卒業し、アメリカに留学した女性で現代財閥の2代目となる鄭夢憲と結婚した。韓国の赤十字社やガールスカウト関係の役職に就いていたが、夫の鄭夢憲氏が飛び降り自殺をしてしまったので、現代財閥の3代目となった方である。鄭氏ではない人物が後継者となった。鄭周永氏と鄭夢憲氏が進めてきた金剛山観光政策もそのまま続けてきた。近いうちに離散家族の再会が金剛山で行われるようになっている。その太陽政策を実行してきた元大統領の金大中氏の国葬のニュースと混ざってダイナミックに動いている。日本も選挙の熱風が吹いている。変化に期待している。