崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

病院の待合室の風景

2009年08月02日 05時31分21秒 | エッセイ
 私は比較的に健康であり病院には見舞いに行くくらいで、行ったついでに施設や環境などを見回ったりしていた。しかし、昨日は診察を受けるために病院で待つ時間が長かった。診療時間の前にすでに待合室が満席であった。すべてが整理番号で呼ばれる。待合室の風景は私がイメージしている病院とはかけ離れていた。いかにも他者から見て病人と思われる患者として感じられる人は見受けられないからである。銀行の待合室と変わりはない。むしろ夫婦や家族が伴って銀行よりも雰囲気が良いとも感する。
 レントゲン画像には私の若い時の病巣の痕跡が表れた。そしてつらい過去が浮かんだ。昔韓国での病院の診察室の待合室には救急患者のような人もいて、また椅子には横になって苦しそうにしている人がいた。現在は韓国の病院も変わったとは思うが、まだ多くの国では治療を受けられず困っているだろう。日本の医療を羨ましく思っているロシア人の医師に会ったことがある。彼は日本の医療技術より親切・丁寧な医療行為だと言っていた。患者が「お客様」としてよりよい医療サービスを受けることこそ先進国であることだと、感謝している。