goo

往還日誌(163)






■6月9日、日曜日、曇りのち雨。

朝6時に起床。午前中、ヘーゲル読書会。『精神現象学』は『論理学』を合わせて読まないと、よくわからない箇所がある。この2つのテクストは、理論的な営為にたいへん応用の効く、豊かな内容を蔵している。

午後から、ルカーチの『社会的存在の存在論に向けて』の日本語版作成作業。

今回は、やけに難しくなかなか進まない。

途中、買い物や夕食作りで中断。

詩集『二○の物と五つの場の言葉』のカバー装画を描いてくれたスイスの詩人、ロミー・リーに、ちょうど誕生日に、この詩集が届いたということで、喜んでいたが、面白い話をしてくれた。

それは、私のこの本は「7つの封印を持つ本」(Eine Buch mit sieben Siegeln)だとドイツ語では言うというのである。これは、イングマール・ベルイマン監督の映画『第7の封印』でも有名だが、ヨハネ黙示録から来ている。

その封印の内容は、とんでもない。

第一の封印:白い馬の登場。反キリストが現れる

第二の封印:赤い馬の登場。戦争と殺し合いが起こる

第三の封印:黒い馬の登場。飢饉がやって来る

第四の封印:青白い馬の登場。地上の4分の1の人たちが死ぬ

第五の封印:殉教者たちの魂が登場。血の復讐を神に願う

第六の封印:大地震や天変地異が起こる

第七の封印:7人の天使に7つのラッパが与えられる

どうだろうか。調べてみて、のけぞってしまった。

こういう不吉な7つの封印を持つ本とは。

しかし、これは、ドイツ語の慣用表現で、ここまで重い意味はなく、読んで理解するのが難しい本を、ドイツ人は習慣的にこう呼ぶ、ということのようである。

私の詩集は、けっして、難しくはないのだが、ロミーは、スイス人であるから、日本語で書かれた私の本は、「7つの封印を持つ本」だというわけである。

しかしながら、7つの封印を知った以上は、私も心穏やかではいられず、ちょうど、妻と娘が、私の詩集を俳句に翻訳してほしいと言っていたので、詩を俳句に直したものを、さらに英語に直して、ロミーに送ったのである。

せめて、「第一の封印」くらいに、留めてほしいのである。彼女は、友人のジャパノロジストに翻訳を頼むとは言っていたのだが。

しかし、このヨハネの黙示録の7つの封印は、読めば読むほど、「現代」の状況を言い当てている。

仕事で使用するので、ChatGPTとGoogleのGeminiをそれぞれアップグレードした。

これまで使った経験で言うと、GoogleのGeminiは、Pro Israelに偏向している。Geminiは、2か月間無料なので、その後延長するかどうかは、微妙なところである。

GoogleCEO、スンダー・ピチャイはインド出身。インドは、あまり知られていないが、イスラエルと技術経済交流で極めて近い関係にあり、モディ首相は、まっさきに、10月7日のイスラエルのガザ攻撃に支持を表明している。

そして、モディ首相のインドは、ヒンドゥー至上主義で知られているが、その実態は、ウクライナ以上の世界最大のネオナチ国家である。ヒットラーを歴史教科書で称賛し、ヒットラー・アイスまで売られている。

インドは、数学のゼロを生み出した国であり、ブッダが瞑想技法を開発して救済活動を行い、アインシュタインとの月に関する対話でも有名な詩人のタゴールや数学のラマヌジャン、天体物理学のチャンドラセカールなど、天才を生み出しているが、カースト制度など、アーリア人による、元祖、先住民弾圧国家のような面もある。そして、現代では世界最大のネオナチ国家である。





コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

Poems of "the words as 20 things and the words as 5 places" into haikus(1):




No.1 Turning

The autumn shadow
Onto
The turning wheel


No.2 Sandglass

One day in autumn--
Listening to the sounds of sand
From the sandglass


No.3 Key

The autumn key
Which doesn't match anywhere--
oblivion


No.4 Pill

White sleep
Of the pill--
Noon Moon


No.5 Paper

The cortege of words--
The galaxy overflows
From a piece of paper


TBCL





コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )