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往還日誌(162)






■6月6日、木曜日、晴れ。

知る人ぞ知る、表現主義の詩人で、リルケ、パウル・ツェランやインゲボルク・バッハマンなど、ドイツ語圏を中心に、重要な詩人・小説家に影響を与えてきたゲオルク・トラークル。

その日本における研究の第一人者でトラークル協会会長の三枝紘一先生より、新著『青き憂愁の詩人 トラークル』を、ご恵送いただく。

たいへん、読みやすい本である。一時期、30歳の頃、フリードリッヒ・ヘルダーリンとともに、よく読んだトラークルの懐かしい詩に再会している。

アーティブ・アブー・サイフの『ガザ日記』が届いた。

アーティブ・アブー・サイフは、ガザ地区のジャバリア難民キャンプ出身の作家で、パレスチナ自治政府の文化大臣として、通常は、ヨルダン川西岸地区のラマッラーに住んでいるが、たまたま息子を連れてガザを訪問中に、イスラエルの爆撃が始まり、そのまま3ヶ月近くガザに閉じ込められ、親戚や友人たちとジェノサイドの恐怖を体験することになった(訳者あとがきより)。

この本の序文は、我々が繰り返し紹介してきた、信頼できる数少ないジャーナリストの一人で、元NYT記者のクリス・ヘッジスが書いている。

京都大学生協書籍部と大垣書店京都本店から、私の詩集『二○の物と五つの場の言葉』を各5冊入れてくれると連絡があった。感謝である。

昨夜、9時半、拍子木を打って大声で町内を回っている「火の用心」に遭遇。昨年もこの時期に遭遇した。

京都は、夏場も、「火の用心」を行う。

夏の火災が意外に多いらしい。また、木造建築が多く、防災意識を高める目的もあるようである。

関東では、この時期の「火の用心」はあまり記憶がない。



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一日一句(5263)







青葉して闇の深さは戻り橋






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