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飴山實を読む(59)

■旧暦4月22日、月曜日、

(写真)神木

通勤するようになって、気づいたことがある。車中、読書するひとの本は、それが単行本の場合、たいていが図書館から借りたものである点だ。読書する人は、書店で買い求めず、図書館を利用しているケースが多いのではないだろうか。そこで、ふと思ったんだが、出版社と図書館、作家と図書館の新しい関係を模索する時期に来ているんじゃないだろうか。たとえば、図書館は、新刊を告知すればいいのではなく、時代的な要請にかなった本を独自の視点で推薦することがもっとあっていい。本が売れないということは、本が読まれないということでもあるのだから、図書館と出版社が共同で、読む仕掛けを考えてもいいんじゃないだろうか。たとえば、作家や詩人の朗読会というのは、東京など大都市のカフェやバー、小規模なイベント会場などで行われているが、これを地域の図書館でやったらどうか。朗読という行為が、一部の人のものから、地域に開かれたものになるんじゃないだろうか。その結果、その作家や詩人に興味を持つ人が増えるかもしれない。あるいは著者のミニ講演会やワークショップを図書館で行ってもいいのではないだろうか。




やはらかな雨足ばかり鳰の海


■琵琶湖に降る雨の様子を「やはらかな」と表現していて、雨脚が見えるようで惹かれた。「鳰の海」は琵琶湖の別称。鳰は、冬の季語。この句には、季語がないが、「鳰の海」の鳰から、さらに、前後に収録された句から冬12月頃の雨と思われる。
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