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飴山實を読む(53)

■旧暦4月9日、火曜日、、寒い

(写真)木漏れ日

吉田秀和さんは、フォーレは室内楽がいい、と言うけれど、ぼくは、ピアノの方が断然いいと思う。それは木漏れ日に似ている。朝起きて、ドイツ語会話を聴く。時制の話が面白い。英語と微妙に違うので、その違いが興味深い。

アファナシエフの詩は、一段落したので、今後、『コールサック』に翻訳連載する詩を探している。その第一候補が、インゲボルク・バッハマン(1926-1973)である。オーストリアの女性詩人。47歳で事故死してしまったが、オーストリアでは、相当、メジャーなのに、日本では、まだほとんど知られていない。小説の評価も高い。




拾得の向こうむきなる落葉焚
寒山も近寄つてくる落葉焚


■寒山拾得の話は、有名なので、省略するが、ぼくは、森鴎外の小説で初めて知った。この二句は、対になっている。寒山拾得は、「笑い」によって、世俗的な価値をまるごと相対化する人物として描かれている。俳句の笑いの効用の一つも、寒山拾得の「笑い」に近いところがあるように思うが、これを坊さんではない一般人が組織や社会関係の中でやると「狂」になる。しかし、こういう「狂」こそが、本当の意味で、心のバランスを取るのだと思う。
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