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芭蕉の俳句(127)

月曜日、。締め切りは迫っているのに、どうも仕事をやる気になれないで、一日、ボーっとする。江戸川に来る鳩の集団が草の葉や茎を食べていた。



春の夜は桜に明けてしまひけり    (韻塞)

元禄4年作。蕪村に白梅に明くる夜ばかりとなりにけりがある。芭蕉のこの句と発想は同じだろう。

ぼくは、夕桜や夜桜の趣が好きなのであるが、一説によると、桜がもっとも美しい時間は、午前9時だという。このときの朝の光と桜の取り合わせは、季語で言えば、「朝桜」になるのだろう。桜と死の結びつきは、さまざまに語られてきたが、散るときよりも、満開のときに感じる。満開の桜の天や桜の地には死者が溢れている、そんな感じがしないだろうか。

夜桜や物の怪通るとき冷ゆる  春樹

確かに、こんな感じもある。毎年、桜の満開のときに、近くを通りかかると、なにか、圧倒されるものを周囲に感じて、こんな気分になることがある。

うかヽと生まれ落ちたる桜かな  冬月

芭蕉の掲句、やはり、桜の圧倒的な力を詠んだように思える。
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