西尾治子 のブログ Blog Haruko Nishio:ジョルジュ・サンド George Sand

日本G・サンド研究会・仏文学/女性文学/ジェンダー研究
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パスカル・キニャール(Pascal Quignard)

2015年03月24日 | 手帳・覚え書き

彼にとって小説とは、うち捨てられたもの、あるいは押し黙っているものが、
すべてそこに集められるイグサの籠だった。
すべてが名づけられうる、この世のある場所。
人間の頭の内部を映す鏡は、小説のほかにない。
この点では、詩も、哲学も、戯曲も、音楽も、絵画も貧弱だ。

パスカル・キニャール(Pascal Quignard、1948年4月23日 - )
『ローマのテラス』 単行本 – 2001/7
誰しも自分の沈むべき夜のかけらを追っている-。
17世紀欧州を放浪する銅版画家の腐食版画にかける信念と妄執、
激しい恋の遍歴を情動溢れる筆致で刻みつけた物語。
2000年度アカデミー・フランセーズ小説大賞受賞作。

「さまよえる影』単行本 – 2003/8
人間は起源を忘れて彷徨する影だ-。
忘れられた歴史への洞察と物語の断片を結晶化させ、世界への祈りへと到達する、
畏怖すべき思考の軌跡。仏読書界に衝撃を与えたゴンクール賞受賞作品。

『音楽への憎しみ』 単行本 – 1997/8
先史時代の洞窟に谺する狩猟民の秘儀、聖書の強迫的な音の響き、ナチスによるユダヤ人絶滅キャンプの楽団、
そして高度消費社会で猛威をふるう音楽に、魂を威嚇する根源的な暴力と殺戮の伴奏を聴きとる危機の批評。
音楽の闇の物語。

『アマリアの別荘 』単行本 – 2010/5/25
夫の浮気を知ったアンは、決然とすべての生活を“処分”して、新たな人生を始めるための旅に出る。
さまざまな出逢いが交錯し、思いがけない事態が迫りくる。彼女は安らぎの場所を見いだせるのか?…
現代フランスを代表する作家の集大成にして傑作長篇。

『辺境の館 』単行本 – 1999/5
十七世紀、リスボン屈指の美女ルイーザの壮絶な復讐譚。
西欧版「阿部定物語」ともいえる奇想天外、奔放な物語の絶頂。

受賞歴
アカデミー・フランセーズ賞 2000年 (Terrasse à Rome(『ローマのテラス』)
ゴンクール賞 2002年(Les Ombres errantes(『さまよえる影』)








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