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西尾治子 のブログ Blog Haruko Nishio:ジョルジュ・サンド George Sand

日本G・サンド研究会・仏文学/女性文学/ジェンダー研究
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詩と散文のはざまに―『サロメ』出版130周年記念講演会

2023年08月18日 | 覚え書き
2023年は、オスカー・ワイルドの『サロメ』出版130周年にあたります。
日本では世紀末の演劇やオペラにおいて人気の高い作品ですが、フランス文学の影響は意外に知られていません。アカデミー賞受賞作『サロメー詩と散文のはざまに』(ジョゼ・コルティ社、2005年)の邦訳刊行記念に、著者ベルトラン・マルシャル教授を初めて日本にお迎えし、ボードレール、マラルメ、フローベール、ユイスマンスの作品における人物像の分析を通して従来のサロメ研究を刷新したメタ・文学としてのサロメ批評を著者に紹介していただき、「サロメ」神話のヨーロッパ文芸における意味を問い直します。

2023-09-19(火) 18:00 - 20:00
会場 日仏会館ホール 定員130 参加費無料
問い合わせatogane@kanto-gakuin.ac.jp (大鐘敦子)
参加登録お申込みフォーム
言語日本語、フランス語(同時通訳あり)
主催ベルトラン・マルシャル教授招聘グループ共催(公財)日仏会館、科研費基盤研究(C)研究代表者:大鐘敦子「フローベール生成研究―初期・中期作品におけるファム・ファタルとファタリテ」(JSPS 20K00510)

【講師】ベルトラン・マルシャル(ソルボンヌ大学名誉教授)
【挨拶】中地義和((公財)日仏会館副理事長)
【司会・討論者】大鐘敦子(関東学院大学)


【プロフィール】
ベルトラン・マルシャル
ソルボンヌ大学名誉教授。旧ソルボンヌ大学教授(パリ第4大学文学研究科十九世紀比較文学研究科所長(2008-2018)。研究対象はステファヌ・マラルメ および19世紀詩学(ユゴーからラフォルグまで)から、20世紀ではルネ・シャール、イヴ・ボンヌフォワ、プルーストに及ぶ。プレイアッド版(Pléiade)『マラルメ全集』の個人編纂をはじめとして、マラルメの多くの作品集、書簡集の編纂して刷新したほか、多数の著作がある。名著『マラルメの宗教』(La Religion de Mallarmé, José Corti, 1988)は1989年に、『メリー・ロランへの手紙』(Lettres à Méry Laurent)は1996年に、『サロメー詩と散文のはざまに』は2005年にそれぞれ、アカデミー・フランセーズが優れたマラルメ研究に贈るアンリ・モンドール賞を受賞している。2018年には、フランス人文院(フランス道徳政治科学アカデミー)Académie des Sciences morales et Politiquesからこれまでの功績に対し、Pierre-Georges Castex賞が授与された。

大鐘敦子
関東学院大学法学部教授。専攻、フランス語、十九世紀フランス文学、比較文学。慶應義塾大学大学院文学研究科博士学位取得(論文博士)。パリ第四大学客員研究員。フローベール『ヘロディアス』に関する博士論文を提出したのち、フローベールのプランとシナリオの詩学と共に、世紀を超えたサロメ神話史を研究対象としている。前Oscholarsおよびフランスオスカー・ワイルド協会日本通信員。主な著書に、『サロメのダンスの起源―フローベール・モロー・マラルメ・ワイルド』(慶應義塾大学出版会、2008 巻末付録に「ヘロディアス=サロメ関連作品年表)、フローベールの『サラムボー』のプランとシナリオ、および『聖アントワーヌの誘惑』(第二版)の草稿を編纂した校訂批評版、Rêve d’Orient, Plans et scénarios de Salammbô (Droz, 2016), Cabane fantastique. Édition diplomatique de la deuxième version (1856) de La Tentation de saint Antoine (Droz, 2021)および新版サロメのダンス(『ヘロディアス』)関連草稿の分類整理と転記(2021)などがある。


https://www.mfjtokyo.or.jp/events/co-sponsored/20230919.html


『サロメー詩と散文のはざまに』
ベルトラン・マルシャル(著)
大鐘敦子・原大地(訳)

水声社 2023年3月
頁数:360頁
定価:5500円+税
ISBN:978-4-8010-0716-1 C0098
装幀:滝澤和子

サロメとは誰か。
ヨーロッパ世紀末における《宿命の女》(ファム・ファタル)の代表的存在であり、文学・絵画・オペラ・舞台、彫刻、バレエとあらゆる芸術分野で表象された《サロメ》。従来の比較文学や神話学的分析、精神分析や美術批評とは一線を画し、近代の偉大な文学者たちのテクストを対象として、間テクスト的、間生成批評的、間美学的手法を自在に用いながら、サロメ流行の根底にあった歴史的命題を浮かび上がらせる、マラルメ研究の泰斗による《サロメ》批評!

【目次】
はじめに 
ボードレール的序文として――『悪の華』からオリエントの踊り子へ 
『エロディアード』あるいは現代の美――悲劇から詩へ、詩から神秘劇へ 
『ヘロディアス』――オリエントの舞踏から完全なる詩ポエジーへ 
『さかしま』――ボードレールとフローベールを通過したサロメ
結論 

【補遺】
原注 
参考文献 
訳者あとがき 
コメント
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