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西尾治子 のブログ Blog Haruko Nishio:ジョルジュ・サンド George Sand

日本G・サンド研究会・仏文学/女性文学/ジェンダー研究
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講演:トゥルゲーネフの魅力とその翻訳について 

2017年08月07日 | 手帳・覚え書き
トゥルゲーネフの魅力とその翻訳について 講師:沼野恭子先生(2017年8月28日)

沼野恭子先生.jpg
1860年に発表された『初恋』は、ドストエフスキーやトルストイが大作を次々と発表していた60年代においても際立った存在感を示していた傑作で、作者自身がもっとも愛した自伝的中編です。年上の公爵令嬢ジナイーダに一目で魅せられた16歳の少年ウラジーミル。彼の初恋の甘く切ないときめきやふるえが、主人公の回想のかたちで綴られます。今回はこの『初恋』という作品の魅力について、またトゥルゲーネフを日本で最初に紹介し、日本の近代小説の成立に大きな影響をおよぼした二葉亭四迷の翻訳について、翻訳者の沼野恭子さんに語ってもらいます。
(聞き手:光文社古典新訳文庫・創刊編集長 駒井稔)

光文社古典新訳文庫が紀伊國屋書店電子書店KINOPPYとコラボレーションして開催するReaders Club読書会(Reading Session)、第32回です。

 
○日時:2017年8月28日(月)18:30~ (開場18:15) 

○場所:紀伊國屋書店新宿本店 8階イベントスペース

○定員:50名  

○参加費:無料

○参加方法:2017年8月6日(日)午前10:00時より2階レジカウンターにてご予約を承ります。お電話でのご予約も同日より承ります。

○お問い合わせ 新宿本店2階カウンター 03-3354-5702

*イベントは1時間30分~2時間程度を予定しております。トーク終了後ご希望の方には講師の著書・翻訳書にサインをお入れします。
*19:30以降の入場はお断りさせて頂く場合がございます。あらかじめご了承ください。

講師紹介
沼野恭子(ぬまの・きょうこ)
東京外国語大学教授。ロシア文学研究家、翻訳家。主著に『アヴァンギャルドな女たち--ロシアの女性文化』『夢のありか-「未来の後」のロシア文学』『ロシア文学の食卓』、主訳書に『ペンギンの憂鬱』(クルコフ)、『ソーネチカ』『女が嘘をつくとき』『子供時代』『それぞれの少女時代』(ウリツカヤ)『堕ちた天使--アザゼル』(アクーニン)』ほかがある。 .

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2017 年 渋沢クローデル賞

2017年08月07日 | 手帳・覚え書き

第34回(2017)渋沢クローデル賞
本賞:
渡辺 優 「ジャン=ジョゼフ・スュラン― 一七世紀フランス神秘主義の光芒」(慶應義塾大学出版会、2016)
奨励賞:
宮下 雄一郎 「フランス再興と国際秩序の構想―第二次世界大戦期の政治と外交」(勁草書房、 2016)
フランス側:
アルノ・グリボ「日本の政治体制の再編-1990年代以降の政治システムにおける官僚制」(博士論文)



渡辺 優 (著)『ジャン=ジョゼフ・スュラン:一七世紀フランス神秘主義の光芒』
単行本: 474ページ
出版社: 慶應義塾大学出版会 (2016/10/6)
言語: 日本語
ISBN-10: 4766423682
ISBN-13: 978-4766423686
発売日: 2016/10/6

内容紹介
▼現前の体験を超え、赤裸な信仰へ
▼これまでの神秘主義理解を刷新する力作!

本書の主人公イエズス会士ジャン=ジョゼフ・スュラン(Jean-Joseph Surin, 1600-1665)は、祓魔師(エクソシスト)として派遣された〈ルダンの悪魔憑き事件〉において悪魔に憑かれた神父として知られる。彼は、この事件を発端に、15年以上にも及ぶ心身の危機的状況を通じて、その身に数々の超常の体験を被った。それは、近代以降の神秘主義理解において、まさに神秘主義の究極目的とされてきた〈神の現前〉への直接参与を可能にした、特権的な〈現前の体験〉であった。しかし、ついにこの魂の暗夜を潜り抜け、絶望の深淵から生還したスュランは、晩年、出生地ボルドー近郊の農村地帯を中心に、宣教と司牧活動に奔走することとなる。市井のキリスト教信徒たちと過ごすなか、彼がその波乱に満ちた人生の果てに辿り着いたのは、すべてのキリスト教信徒に共通の、すなわち一切の超常の体験を拭い去った、純粋な信仰(foi pure)、赤裸な信仰(foi nue)の境地であった。

本書では、キリスト教霊性の黄金時代と目される17世紀フランスのなかでも、最大の神秘家として近年注目を集めるスュランのテクストを、「語りえぬもの」をそれでもなお語ろうとした神秘家の言葉として、あるいは「信への呼びかけ」を発する「証言」として、リクールやレヴィナス、セルトーなど、現代思想の知見にも学びつつ、精緻かつ大胆に読み解く。また、デカルトやパスカルが輩出した17世紀フランスに「経験の学知」として登場した神秘主義(ラ・ミスティク)の展開を、大航海時代や科学革命がもたらした信と知の地殻変動にも照らし合わせ、転換期西欧に固有の歴史的現象としてダイナミックに捉える。
同時代における十字架のヨハネの影響や、世紀末のキエティスム論争をめぐっても、新たな宗教史的発見が説得的に提示される。中世と近代のはざまの時代を駆け抜けたスュランという神秘家の、劇的な魂の道程をたどりなおすことで、従来の神秘主義理解を刷新し、宗教哲学・思想研究の水準を一段押し上げる野心的論考。


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