日本共産党は国際共産党組織(コミンテルン)の日本支部として設立されたのですから、これは純粋な意味における日本の政党ではありません。国際共産党組織(コミンテルン)は、共産主義の祖国であり根拠地であるソ連の国益を守るための組織ですから、日本共産党はソ連の日本支部であり、すなわちソ連が日本の中に設置した出先機関なのですから、わが国の内部に巣喰うこの癌細胞の活動を停止させる措置は、日本にとっては遅滞を許さない応急の手当てであったこと、言うまでもありません。 . . . 本文を読む
教科書が明治の代表的知識人として持ち上げてやまない『学問のすゝめ』の著者にとっても、「文明」とは端的に戦争に勝つことだった。しかるに教科書はそのような時代背景の今との相違に目を向けない。今の基準を過去に当てはめるだけである。複眼を欠いている。ここはよく考えて頂きたい。日露戦争前の非戦主義といえどもしょせんは多数の可能性の中の選択肢の一つにほかならなかった。非戦主義は必ずしも宗教ではない。絶対信仰ではない。 . . . 本文を読む
執権北条時頼(ときより)は出家して最明寺入道(さいみょうじにゅうどう)となり、諸国を托鉢して廻りながら民情をさぐり歩いて政治の公正を期した。のちの水戸黄門の話の原型である。水戸黄門のほうは講談であって史実の根拠はないらしいが、最明寺入道が廻って歩いたことは確かである。 . . . 本文を読む
藤原氏は、もとより天児屋命(アメノコヤネノミコト)を先祖とする中臣(なかとみ)家の子孫で、その系図が神代にさかのぼる名家である。それに大化改新(たいかのかいしん)の第一の功臣は、その二十二代目の鎌足(かまたり)であった。しかし、藤原氏が宮中で本当に勢力を得たのは、その息子の藤原不比等(ふひと)からである。 . . . 本文を読む
現代は新聞雑誌週刊誌が空前の熱意を傾けて書評を重視している実に奇妙な御時世である。然(しか)るに書評が手放しで礼賛(らいさん)したところで必ずしも売れ行きが伸びないという奇妙な現象が見られる。 . . . 本文を読む
活発な意志の力、すなわち自然に湧き出る活力は偉大な人格の真髄である。このような活力があれば人生は生き生きとする。なければ気持ちが弱くなる。気力もなく、人生に失望し落胆するだけである。「強い意志を持った者と滝は、進むべき水路を自らの力で掘り進んでいく」という格言がある。高邁な精神を持ち活気にあふれた指導者は、自分の道を切り開くだけでなく他人にも同じ道を歩ませる。 . . . 本文を読む
第二の種類の「私は……である」が生れるもとになっているのは、いやな仕事を避けるために自分で自分になるようになった都合のよいレッテルである。つまり、「この分野では、私は完成品だ。これから変わるつもりなどまったくない」と言っているのだ。もし完成品なら、すっかり紐でくくって、かたづけられた状態であり、成長は止まってしまっていることになる。「私は……である」の中には、自分自身を制限してしまうような、自己破壊的なものもあるのだ。 . . . 本文を読む
すでに過去の人となった偉人たちは、われわれへの遺産として「知識」という宝物を残してくれた。しかし、その中でも最も貴重な知識は、金塊同様、自らの手で掘り出さなければ手に入れることはできないのだ。 . . . 本文を読む
実際、時間を浪費していては精神の中に有害な雑草がはびこるばかりだ。何も考えない頭は悪魔の仕事場となり、怠け者は悪魔が頭を横たえる枕となってしまう。忙しく活動しているのは他人に空き家を貸しているのと同じで、逆にブラブラ怠けているのは空き家をカラッポにしておくようなものだ。 . . . 本文を読む
人生は真剣勝負である。だからどんな小さな事にでも、生命をかけて真剣にやらなければならない。もちろん窮屈になる必要はすこしもない。しかし、長い人生ときには失敗することもあるなどとの呑気にかまえていられない。これは失敗したときの慰めのことばで、はじめからこんな気がまえでいいわけがない。 . . . 本文を読む
悲しいことやつらいことがあったとき、すぐ悲しんで、つらがってちゃいけないんだよ。そいうことがあったとき、すぐに心に思わしめねばならないことがあるんだ。それは何だというと、すべての消極的な出来事は、我々の心の状態が積極的になると、もう人間に敵対する力がなくなってくるものだということなんだ。 . . . 本文を読む
ラブバード。結婚したてのころ、私たちはこう呼ばれていました。経済的には大変でした。学生結婚でしたから、私たちは働いて学費を稼がなくてはならなかったのです。小さなアパートに住み、アイスクリームひとつ買うにも、何日も倹約しなくてはならないこともありました。それでも毎日が天国のようでした。そう、愛こそがすべてだったのです。 . . . 本文を読む
意識には視・聴・味・触の五つの感覚と理性が含まれ、個人の潜在意識には本能と心の習慣などが含まれています。両者を心の強さで比較すると、表層意識はおよそ20パーセント、潜在意識は80パーセントも占有するといわれます。 . . . 本文を読む
ワシントンにいる大統領は、私達の土地を買いたいとの手紙を送ってきた。だが、空がどのように売り買いできるのだろうか? 土地を買う? この考えは、私達にはとても奇妙だ。空気の清々しさや水のほとばしりを私達は所有していないのに、どうしてそうしたものを売り買いできるのだろうか? . . . 本文を読む
釈尊がどれほど偉大なお方であっても、人間であるかぎりは、釈尊がいわれるように亡くなるのです。事実、釈尊は80歳で入滅されたではありませんか。しかし、釈尊のさとられた宇宙と人生とを貫く真理は、いつ・どこにあっても、また誰もが知ることができるのです。さらに、その真理には時と処(ところ)とにより、新しい思想が加上(かじょう)されて、常に新しい生命を得て躍動するものでなければなりません。 . . . 本文を読む