世界の長寿村といわれる村が標高1600~2000㍍に多く存在するのは偶然ではないかもしれない。研究はいまだ途上で最終的な結論はまだ先だ。しかし、人間の生存能力を高めるのは、必ずしも安全で快適な環境ではなく、自然のストレスへの「フィットネス」かもしれない。最近、僕はそう考えるようになった。 . . . 本文を読む
怖さは脳の扁桃(へんとう)体と呼ばれる神経細胞と密接なかかわりがある。その機能が低下すると怖がる反応が鈍る。近年、遺伝子解析技術が急発展し解明が進み始めた。マウスは人間と共通した遺伝子を多く持つため、怖さの研究によく使われる。ある遺伝子が特定の組織内で働かないようにしたノックアウトマウスが役に立っている。 . . . 本文を読む
わたしが「街道をゆく」の装画を担当したからか、古本屋が司馬遼太郎さんの書とか手紙などはないかという。わたしは本ができても司馬さんに送ったことはないし、手紙もよほどのことがなくては出していない。司馬さんは本の感想とか返事などを律義に書く人なので、貴重な時間を奪っては申しわけないと思って遠慮していたのだ。 . . . 本文を読む
戦前の台湾に対する日本の植民地支配を報じたNHKのドキュメンタリー番組は「事実を捏造(ねつぞう)し、放送法違反に当たる」として、歴史研究者や視聴者ら8389人が25日、NHKに1人あたり1万円の損害賠償を求める東京地裁に提訴した。 . . . 本文を読む
40年ほど前にはテレビに深夜放送はなかったし、30年前には深夜営業のコンビニもなかった。20年前には携帯電話もなかったのだ。なかった時代には、ないことに何の不思議もなかったし、不便とも思わなかった。ところが、生まれた時からそれがあった人たちには、深夜テレビが見られない生活、コンビニに、パソコンやケータイのない暮らしなど、とても不便で考えられない。 . . . 本文を読む
先月号でNHK「JAPANデビュー」シリーズのオープニングタイトルが、悪質な編集の印象操作とサブリミナル効果を狙った手法が使われたことを紹介した。オープニングタイトルは、番組の企画意図を最もよく体現しており、NHKスタッフが、国民をどのように導きたいと考えているかを知る有力な手がかりになる。 . . . 本文を読む
米疾病対策センターによると米国の成人の3人に2人は太りすぎ、もしくは肥満。そんな現状を改善しようと、政府は通称「肥満税」の導入を検討し始めた。 一方、米国の主要航空会社は最近、相次いで規定を変更し、隣の席に体がはみ出すほど太っている乗客に対し、2席分のチケットを買うことを求め始めた。 . . . 本文を読む
当時の満洲は、多くの軍閥が割拠して麻のごとく乱れ、どうにも収拾がつかない状態でした。しかし、かつて満洲を治めていた愛新覚羅(あいしんかくら)一族の末裔(まつえい)である溥儀が戻るのであれば混乱も収まります。そこで、満洲に駐屯して鉄道や在留邦人の警護に当たっていた関東軍が溥儀を助け、満洲建国に協力することになります。 . . . 本文を読む
吉原は金のない若いもんでも行ったといいます。あのう、ひやかしですな。格子窓の間から、花魁(おいらん)が火をつけた煙草(たばこ)を一服すわせて、あがっておくれよ、なんていいます。若いもんは、今度くるよ、本当だよ、といって煙草だけ吸って逃げます。いまでいうウインドーショッピングですな。 . . . 本文を読む
ある年の夏、かれが生まれた伊予松山のかつての士族町をあるいていたとき、子規と秋山真之が小学校から大学予備門までおなじコースを歩いた仲間であったことに気づき、ただ子規好きのあまりしらべてみる気になった。小説にかくつもりはなかった。 . . . 本文を読む
第一次世界大戦(1914年~18年)で勝利国側に連なった日本は、不平等条約撤廃の余勢を駆って、翌1919年から開かれたヴェルサイユ会談で牧野伸顕(まきののぶあき)全権代表(吉田茂の義父)が画期的な提案を行います。周知のように、この会議で国際連盟がつくられることになりましたが、その連盟規約をまとめる過程で、「人種差別撤廃」条項を入れようと提案したのです。 . . . 本文を読む
「天気晴朗なれども波高し」など、秋山真之は指令信号文に名文を遺(のこ)した。青春の一時期、正岡子規と本郷に同宿していた郷党の朋友(ほうゆう)だ。その後を軍人と文人とに、およそふたみに別れる貝のように異なる人生行路をたどりはしたけれど、子規には国のために邁進(まいしん)する真之のいさましさがまぶしかっただろう。真之にはまた子規の文業が。 . . . 本文を読む
ティッシュの中には1万円と、しわの目立つ千円札が3枚入っていた。多分、持ち合わせていた全てのお札を包んだのであろう。「おかあさん……」思わずつぶやいたとき、ティッシュの端に数個の米粒が付いているのに気づき、かすかなお酢のにおいがつたわった。昨夜、義母は夫の好物のちらし寿司を作ってくれた。その残りは小鉢に盛られ、ティッシュをかぶせて流し台の隅に置いてあった。 . . . 本文を読む
夜中に目が覚めたら、見知らぬ人物が体の上にのしかかっている。強い力で胸が押さえつけられ息が苦しい。ベッドから逃げ出そうとしても体が動かず、声を出すこともできない――。典型的な金縛りの体験だ。若者を中心に日本人の約4割が経験しているという調査もある。 . . . 本文を読む
1990年の正月休暇は家族でオーストラリアへ出かけた。社長就任後1年足らずで多忙なうえ、業績も振るわず、疲労が蓄積していた。体調への配慮から「時差のない所へ行こう」と私は家族に提案した。私は、この豪州旅行で子供たちに課題を出した。 . . . 本文を読む








