電脳筆写『 心超臨界 』

良い話し手になるゆいつの法則がある
それは聞くことを身につけること
( クリストファー・モーレー )

あの温かくて柔らかくてふわふわしたチビのお腹は、もうないのだ――山根基世さん

2009-01-31 | 06-愛・家族・幸福
動物の葬儀屋さんに電話すると、白い箱を持って迎えに来てくれた。チビをそこに寝かせ、ありったけの花を詰めていると、初老の葬儀屋さんが尋ねる。「年はいくつだったんですか」「23ですよ」「ああ、よほど可愛がらなければ、そんなに長生きしませんよ、ネコというものは」と言ってくれる。その一言で、どれだけ慰められたか。 . . . 本文を読む

初春の都大路を、華麗な女性アスリートたちが駆け抜ける――柏原康夫さん

2009-01-30 | 04-歴史・文化・社会
日本で初めての駅伝は、今から92年前、京都の三条大橋でスタートした。1917年(大正6年)の4月27日、第1回駅伝である。「遷都記念東海道五十三次駅伝徒歩競走」、めざすゴールは東京上野の不忍池。上野では当時、東京遷都五十周年記念博覧会が開催されており、この博覧会に合わせて行われた。 . . . 本文を読む

増税に口をつぐんだからといって、国民はだまされない――眠り独楽

2009-01-30 | 08-経済・企業・リーダーシップ
英国の経済学者、リカードの中立命題に従えば、国債を増発して経済対策を実施しても、消費者は将来の増税を予期して消費を減らすので期待したほどの景気浮揚効果は得られない。経済対策は不要だ、ということではない。強調したいのは、増税を明確に掲げなくても消費者は将来の増税を予想して消費を控えるという点だ。 . . . 本文を読む

信じてきた国から裏切られたという苦い体験があった――城山三郎さん

2009-01-30 | 03-自己・信念・努力
「父は本当は強く国を愛していたと思います。でも時の流れに身を任すことが危険だと話していました。言論の自由を奪われ、あれよあれよという間に戦争に突入していった怖さを痛いほど味わったからです」城山は国の紫綬褒章を辞退した。裏切られた国からの勲章はもらうべきではないと考えたのだろう。 . . . 本文を読む

「大口の真神」といへる素直を遠き古代の人が言いつる―― 斉藤茂吉

2009-01-29 | 04-歴史・文化・社会
オオカミは大神、さらに古くは「大口の真神」という。大口はむろん耳まで裂けている大きな口。恐れられているけれど、むしろ鹿や猪など畑の作物を荒らす獣を退治してくれるありがたい存在だった。時には窮地に陥った者にマヒゲを授けて救ってくれる神の使いなのであった。 . . . 本文を読む

日本に由来するワカメが海外に被害をもたらした――川井浩史さん

2009-01-29 | 09-生物・生命・自然
神戸大の川井浩史教授らのグループがニュージーランド内14カ所でワカメ75株を採取し、日本や韓国のワカメとDNAを比べたところ、首都ウェリントンなど北島では韓国、南島では日本海や瀬戸内海と同じタイプだった。研究グループは「北島には韓国のトロール船が数多く出入りしており、南島は農産物や木材で日本と取引が多い。両国の船が運んだ疑いが極めて高い」と話している。 . . . 本文を読む

顧客の深層に潜む意味的価値を引き出す――延岡健太郎さん

2009-01-27 | 08-経済・企業・リーダーシップ
実際には、価値は機能とスペックだけでは決まらない。顧客が主観的に意味づける意味的価値が重要なのだ。機能・スペックを超えて顧客に喜んでもらえる価値を新たに創出して提案するのである。意味的価値が重要なのは消費財だけではない。半導体でも台湾のメディアテック社は顧客企業の使いやすさを追求して、機能以上の大きな価値をつくりだしている。 . . . 本文を読む

頭で考え出した苦しみを手放し、きょう一日を精一杯生きる――鈴木秀子さん

2009-01-27 | 06-愛・家族・幸福
自分はこれまで、息子に向かって皆と同じように学校に行かなきゃ駄目、働かなきゃ駄目と言ってきました。しかし、たとえ学校に行かなくても病気もせずに元気でいてくれる。それだけでもいいじゃないか。『どうでもええ』というのが本当の解決の道だと、いま心から思えます。 . . . 本文を読む

修復するのは総重量16㌧に及ぶ膨大な量の土地台帳だった――坂本勇さん

2009-01-26 | 03-自己・信念・努力
遠いアジアの国の資料修復劇。日本には何の影響もないかもしれない。が、土地台帳も日々の暮らしから生まれた文化の一つ。「文化を残す」と言うのは簡単だが、「同じ事が日本でできただろうか」。自ら定めた領域に安住し殻を打ち破れない今の日本。この国を覆うのはやはり場のない閉塞(へいそく)感だ。 . . . 本文を読む

村上先生は人の持つ無限の可能性を遺伝子の観点から説き明かす――岡部弘さん

2009-01-23 | 03-自己・信念・努力
村上和雄・筑波大名誉教授の近著『アホは神の望み』(サンマーク出版)を読んだ。先生のご著書は必ず読むようにしているが、そのたびに勇気づけられる気がする。講演がまたすばらしい。世界に冠たる高名な遺伝子学者でありながら、人柄を表す柔和な笑顔と人情味あふれる話しぶりには拝聴するたびごとに感動を覚える。 . . . 本文を読む

あすのことを思い煩ってはならない あすのことは、あす思い煩えばよい――鈴木秀子さん

2009-01-22 | 06-愛・家族・幸福
それゆえ、あなたがたに言っておく。命のために何を食べ、何を飲もうか、また体のために何を着ようかと、思い煩(わずら)ってはならない。命は食べ物にまさり、体は着る物にまさっているではないか。 . . . 本文を読む

子牛たちが、一斉に病原体の侵攻を受けたのも実は脆弱性の窓を攻撃されたのではないか――福岡伸一さん

2009-01-22 | 09-生物・生命・自然
すべての生物には、その発達プロセスにおいて、「脆弱性の窓」があると考えられている。臓器や組織における細胞分化や発達の途上、あるいは神経系や免疫系などのシステムの構築途上にあるとき、特に環境からのストレスや侵襲、干渉をことさらうけやすい、ある特別なクリティカル・ピリオド(=決定的な期間)が生物にはある、と考えられている。このバルネラブル(vulnerable)な期間を脆弱性の窓と呼ぶ。 . . . 本文を読む

草食動物であるはずの牛が肉食を強いられていたのだった――福岡伸一さん

2009-01-21 | 09-生物・生命・自然
イギリスを始めヨーロッパでは、従来より羊、牛、豚など家畜から食用肉を取り去った残りの部分の廃物やくず肉を集めて、加熱・脱脂し、これを乾燥させ粉末としたものを、タンパク質を含む家畜飼料として、“リサイクル”することが行われていた。この廃物再生の工程をレンダリングと呼び、できた産物は肉骨粉と呼ばれた。 . . . 本文を読む

対象はなんであれ、楽しむことが努力や時間を惜しまなくさせる――三浦豪太さん

2009-01-21 | 03-自己・信念・努力
日本では、真剣にスポーツに取り組む人を「体育会系」と呼び、苦行僧のごとく厳しい修業を行うというイメージがある。しかし僕の答えは反対だ。苦しく嫌だと思うと人は無意識に考えることを止めてしまい、スポーツに求められる柔軟な発想や豊かな創造力を発揮できなくなる。何よりも、楽しくなくてはスポーツの意義自体が失われてしまう。 . . . 本文を読む

共倒れを避けるために、取引を徐々に断つべきか、心が揺れた――牛尾治朗さん

2009-01-21 | 03-自己・信念・努力
リコーを複写機用ランプの大の得意先としていたウシオ電機も窮地に立たされた。しかし、つぶれたら会社を清算して、ほかの道に転じようと覚悟したら、迷いが消えた。「うちは最後まで製品を納めます」と直接伝えると、市村社長は感激のあまり涙を流した。それからあっという間にリコーは奇跡的によみがえり、ウシオ電機も急成長することができた。 . . . 本文を読む