電脳筆写『 心超臨界 』

神は二つの棲み家をもつ;
ひとつは天国に、もうひとつは素直で感謝に満ちた心に
( アイザック・ウォルトン )

建物は良い木ばかりでは建たない――西岡常一

2024-05-19 | 08-経済・企業・リーダーシップ
その時、西岡が現れた。若者たちを木工場に座らせると、「まあ、お茶を飲みなはれ」と見事な手つきで玉露をふるまった。一服して、皆が落ち着くと話しはじめた。「建物は良い木ばかりでは建たない。北側で育ったアテという、どうしようもない木がある。しかし、日当たりの悪い場所に使うと、何百年も我慢するよい木になる」。玉村信好は、震えた。 . . . 本文を読む

「無心」が軸になっていれば車輪がブレない――玄侑宗久

2024-05-19 | 03-自己・信念・努力
宮本武蔵を指南した沢庵禅師は言う。「花紅葉を見る心は生じながら、そこに止まらぬを栓と致し候。(中略)見るとも聞くとも、一所に心を止めぬを至極とする事にて候」(沢庵『不動智神妙録(ふどうちしんみょうろく)』)。栓とか至極というのは重要事項ということだろう。それでこそ、相手の剣筋も見えるというものだ。 . . . 本文を読む

苦しい修行の中に春秋がある――松原泰道禅師

2024-05-19 | 03-自己・信念・努力
この「長生殿」は、唐の太宗(たいそう)皇帝が廬山(ろざん)に設けた華清宮(かせいきゅう)の中の宮殿で、のちに玄宗(げんそう)皇帝と楊貴妃がともに連れ立って遊んだ別荘の名として日本人に知られています。「長生殿裏に春秋富む」とは、この長生殿は、春や秋の美観に富む素晴らしいところだ、というような意味に解釈されています。 . . . 本文を読む

不都合な真実 歴史編 《 支那事変のはじまり――藤岡信勝 》

2024-05-19 | 04-歴史・文化・社会
日本は正当な条約に基づいて上海に部隊を駐留させていたのです。居留地では平和的に商売を営む日本人が大勢いました。そんな日本人に対して中国側から一方的に軍事行動を仕かけてきたのですから、相手の「侵略」以外のなにものでもありません。それが第2次上海事件であり、支那事変のはじまりでした。 . . . 本文を読む

悪魔の思想 《 竹内好――「日本は中国とすでに戦争をはじめた」という嘘八百/谷沢永一 》

2024-05-19 | 04-歴史・文化・社会
この論理を以てすれば、世界中の静まりかえっているあらゆる国と国とが、すべて戦争を「現にしている」と「見るわけ」にもなるでしょう。ここで竹内好の言わんとするところがはっきりします。つまり、アメリカがシナに攻め入るべく戦争の準備をしている、という言いがかりは、実は、日本がシナと戦争を「現にしている」という架空の判定をみちびきだすための前提だったのですね。 . . . 本文を読む

日本史 古代編 《 世界最古の百科辞書『秘府略』――渡部昇一 》

2024-05-19 | 04-歴史・文化・社会
日本から奈良・平安に留学生で渡った者や、帰化人によって、多くの医書が伝えられ、医家の間で書写されていた。そうしているうち、こういろいろ医書が雑多にあるのでは不便であるというので、医術を以て朝廷に仕えていた丹波康頼(たんばのやすより)が、これらを系統的にまとめて『医心方(いしんぼう)』30巻として円融(えんゆう)天皇(第六十四代)に奉呈した。永観(えいかん)2年(984)のことである。 . . . 本文を読む

人間通 《 節税——谷沢永一 》

2024-05-19 | 05-真相・背景・経緯
我が国では国税庁の職員が佃煮(つくだに)にするほど居るのに、それよりもっと人数の多いのが税理士計理士である。原因の第一は税制があまりに多岐多端にわたり八幡(やわた)の藪(やぶ)知らずなので素人(しろうと)ではとても対処できない窮境であり、原因の第二は如何(いか)にして節税するかの工夫に智脳(ちのう)を絞らねばならぬ必要である。 . . . 本文を読む

向上心 《 頭と心をさびつかせない最良の方法――サミュエル・スマイルズ 》

2024-05-19 | 03-自己・信念・努力
バートンは、さらにこう続けている。「身体を動かすのが億劫になることよりも、精神が怠惰になることのほうがはるかに恐ろしい。頭がいいのに何も仕事をしないのは一種の病気である。悪い病であり、精神を腐らせるさびであり、地獄そのものである。よどんだ水たまりにうじが湧くように、怠け者の頭の中には腐った悪い考えがはびこってしまう。魂が悪魔のとりこになってしまうのである……」 . . . 本文を読む

自分のための人生 《 「不安のプロ」を返上、みごとに自己改革した男の話――ウエイン・W・ダイアー 》

2024-05-19 | 03-自己・信念・努力
不安の多くは、自分ではどうすることもできない性質の事柄にかかわっている。戦争、経済、病気……と好きなだけ心配してもよいが、いくら心配しても、平和や繁栄や健康はもたらされない。個人としての私たちは、こういう事柄についてはどれ一つ、どうすることもできないのである。しかも、不安をかきたてる難儀も、現実に起こってみると想像していたほどひどくないということはよくあるものだ。 . . . 本文を読む

自助論 《 逆境を脱する4つの美徳――サミュエル・スマイルズ 》

2024-05-19 | 03-自己・信念・努力
平均的な勤労者の中にも、倹約に努め、高い志を持ち、学識にあふれ、余裕ある生活を送っている者は多い。彼らはそのことだけでも尊敬に値する幸せな人たちで、社会にも充分貢献しているといえるだろう。そして誰でも、そのような暮らしをしようと思えばできるのだ。彼らと同じやり方をすれば結果もまた同じになるはずで、それはさほど難しいことではない。 . . . 本文を読む

道をひらく 《 なぜ――松下幸之助 》

2024-05-19 | 03-自己・信念・努力
日に新たであるためには、いつも“なぜ”と問わねばならね。そしてその答えを、自分でも考え、また他にも教えを求める。素直で私心がなく、熱心で一生懸命ならば、“なぜ”と問うタネは随所にある。それを見失って、きょうはきのうの如く、あすもきょうの如く、十年一日の如き形式に堕したとき、その人の進歩はとまる。社会の進歩もとまる。 . . . 本文を読む

ほんとうの心の力 《 みだりに生きない――中村天風 》

2024-05-19 | 03-自己・信念・努力
生きている以上はみだりに死ぬことは許されない。と同時に、みだりに生きることも許されない。ところが、おおむね多くの人々はみだりに生きているから、人生の三大不幸という病や煩悶や貧乏というものに侵(おか)されがちだ。だから、病、煩悶、貧乏というのは、この論理から結論すると、自ら招いたことになりますね。 . . . 本文を読む

セレンディビティの予感 《 縦軸価値観――前野徹 》

2024-05-19 | 03-自己・信念・努力
生きている間だけ良ければいい、自分が恵まれれば良いという横軸価値観だけだと、私利私欲、拝金物質主義、身勝手利己主義、快楽主義になってしまい、そのときどきの欲望に振り回されるようになります。幸せの基準も「モノ」になります。みなさんは、あれも欲しい、これも欲しい、おいしいものも食べたい、それが全部、満たされたら幸せだろうなと思っていませんか。しかし、物資欲を満足させるだけでは幸せにはならないと私は思います。 . . . 本文を読む

般若心経 《 親鸞の説く「無上仏」とは――松原泰道 》

2024-05-19 | 03-自己・信念・努力
「無上」は、一般に〈この上もないこと・最上・最もすぐれていること〉ですが、仏教用語では、他と比べて、より高く勝(すぐ)れているという比較を問題にするのではありません。「無上」とは「魔訶」のところで説明したように、読んで字のごとく〈上がない・上のほうの限界がない〉のです。つまり、比べるもののない絶対の高さをいうのです。登っても登ってもここが頂上だという終点がないのです。 . . . 本文を読む

生きるための杖ことば 《 仏法無辺――松原泰道 》

2024-05-19 | 03-自己・信念・努力
仏教思想では、仏道の修行者が発(おこ)す広大な誓いが四つあると教える。それを〈四弘誓願(しくせいがん=しぐせいがん、とも)〉という。すなわち「あらゆる生きものを度(すく)おう、すべての煩悩を整えよう、限りなきほとけの法(おしえ)を学び尽くそう、無上の仏道をさとろう」との願いである。以上の四弘誓願の二十八字を「仏法無辺」のわずか四字に表現した古人の道力(の深さに思わず掌を合わさずにはおれない。 . . . 本文を読む