知識は大事である。人格形成の土台となるからだ。見識は物事を判断する基準になる。判断したものを実行する。その勇気、度胸。これが胆識(たんしき)である。いかに知識、見識があっても実行しなければ、実生活も事業も立派にはできない。胆識を養うことは、リーダーの不可欠な要素である。 . . . 本文を読む
意志の力の渙発が不十分だと、そのできごとに対応する「心」の操縦が完全にできなくなり、反対にそのできごとに「心」がとらわれて、正当な判断や断定が結局不可能になる。これはつまるところ、使うべき「心」に使われてしまうという、不合理な、憐(あわ)れな結果である。 . . . 本文を読む
『隠しビデオ』というテレビ番組が、こんなおかしな企画をした。まったくの冗談だが、宅配便フェデックスの運転手が、ある宗教寺院へ小荷物の配達を頼まれた「もちろんそのテレビ番組が仕組んだものだ」。番組スタッフは、本人に気づかれないように彼の写真を撮り、それをもとに、厳粛な衣装をまとったありもしない宗派の若い教祖に仕立てた彼の肖像画を作っておいた。 . . . 本文を読む
当時彼は、「とりあえず今は食べることのほうが先だが、将来は軍隊も作る」と言っているんです。戦後間もない昭和26年のことですから、まずは国民を食わせるほうが先。そして昭和29年には「憲法というものは、国の基本法として成立された以上、5年、10年でそうやすやすと改正されるものではないんだ」と言っています(「偕行」昭和58年2月号)。 . . . 本文を読む
人生の真の楽しみは、ひたすらな努力、精進の中にこそ潜んでいるということである。それはレジャー、娯楽から得る安逸(あんいつ)な楽しみよりもはるかに大きく深い、人間の根源から湧き起こる楽しみである。その楽しみを知っているのが名人達人である、とも言える。 . . . 本文を読む
参政権に関しては、よく相互主義ということがいわれる。しかし、これは正確に現実を比較していない観念論である。韓国は参政権を認めているといっても、その前提となる永住権取得に関しては投資額や年収に条件をつけているのである。カネや財産のない外国人は相手にされないのだ。韓国に富をもたらす外国人にだけ、永住の権利を認めてやるという政策である。 . . . 本文を読む
「ここでおもしろい逆転現象があるの」キャサリンは言った。「これまで何世紀にもわたって、世界じゅうの宗教が教徒に対して、信仰と信念をいだくよう促してきた。ところがいまでは、宗教を長年迷信と蔑(さげす)んできた科学が、つぎに開拓すべき重要な領域はまぎれもなく信仰と信念の科学――強い確信と意志の力の研究だと認めざるをえなくなってるの」 . . . 本文を読む
「ここで仮定の話に移るわ」砂粒を捨てて、キャサリンが言った。「もしも思考が……頭のなかで形作られたどんな小さな考えもが……質量を持っているとしたらどう? 思考は物質であり、測定可能な質量を持つ、測定可能な実体だとしたら? もちろん、ごく小さな質量だけれど、質量にはちがいない。もしそうなら、どういうことになる?」 . . . 本文を読む
トリッシュは笑い声をあげた。「たしかに妙に聞こえますよね。つまり全国民の感情の状態を計測するんですよ。意識のバロメーターの特大版と言ってもいい」国じゅうの通信をデータフィールドとし、フィールド内での特定のキーワードと感情を表す指標の出現頻度をもとにすることで、国民の気分が判定できる、とトリッシュは説明した。 . . . 本文を読む
もともと、旅順要塞攻撃は海軍が陸軍に懇請して陸軍がやむなくひきうけたものであり、それだけが理由であり、依頼者である海軍としては旅順艦隊を山上からの陸軍砲で追いだしてくれるか、撃沈してくれるか、どちらかであればよい。別にあの大要塞の陸上の玄関から一塁一塁抜いて奥へ迫るような、そういう大規模な出血をしてくれと頼んだわけではないのである。 . . . 本文を読む
休戦会談は、停戦ラインの確定や捕虜の交換などを巡ってもめ続け、52年末に絶望的休会に陥った。後、スターリンの死(53年3月5日)、周恩来(ジョウオンライ)の再開提案(同30日)を経て軌道に乗り、53年7月27日、開戦から3年1カ月、159回の会談で「休戦協定」の調印に到った。 . . . 本文を読む
開戦の火蓋(ひぶた)は、北朝鮮が切ったとするのが、今日ではせかいの通説だが、朝鮮戦争の「動機」は、共産圏の拡張(北朝鮮による半島統一)と、米国を主軸とする自由民主勢力の、東アジアからの撃退(韓国、台湾、ベトナムの解放)という、中ソ共産党指導部の「世界的革命戦略」に支えられていたことに疑問の余地はない。 . . . 本文を読む
朝日などの主要メディアは、今年を「日米安保条約満50年」と強調し、「新時代に相応の」と枕を振りながら日米同盟の見直しを煽(あお)っている。容共新政権が「日米中正三角形論」「米国抜き東アジア共同体論」などをもてあそび、50年前に共産陣営に操られた勢力が暴力デモで排撃した「日米安保」を、今度は権力で空洞化しようとしていることと同様だ。 . . . 本文を読む
小沢一郎氏は、平成17年、すでに沖縄普天間基地の移転先に予定されていた名護市辺野古から約9キロの宜野座村の海岸近くに、約1千5百坪の土地を購入していた。チャンネル桜沖縄プロジェクトチームがスクープ撮影に成功した。もし、地上波テレビ局が潤沢な制作費を使い、徹底調査と取材をしてくれたら、もっと早く、もっと深く、もっと多くの国民に、最高権力者の金権疑惑が伝えられたはずである。 . . . 本文を読む
司馬遼太郎(しばりょうたろう)氏が『殉死(じゅんし)』や『坂の上の雲』を発表して以来、この旅順戦で第三軍は膨大(ぼうだい)な犠牲を出したことから、「乃木ほど軍人の才能の乏(とぼ)しい男もめずらしい」という印象がすっかり広まってしまいました。しかし近年の研究は、それが誤(あやま)りであったことをすでに明らかにしています。 . . . 本文を読む