私たちの大便は、だから単に消化しきれなかった食物の残りかすではないのです。大便の大半は腸内細胞の死骸と彼らが巣くっていた消化管上皮細胞の剥落(はくらく)物、そして私たち自身の身体の分解産物の混合体です。ですから消化管を微視的に見ると、どこからが自身の体でどこからが微生物なのか実は判然としません。 . . . 本文を読む
12.09.30
もし私たちに平和がないとすれば
それは私たちがお互いのものである
ということを忘れているからです
( マザー・テレサ )
If we have no peace, it is because we have
forgotten that we belong to each other.
( Mother Teresa )
12.09.29
自分の人生が
完璧であるよう願って . . . 本文を読む
おおよそ世の中の人間の性向は、マップラバーとマップヘイターに二分類することができる。夫婦のうち一人が前者で、他方が後者である場合、ドライブなどに行こうものならたちまち険悪な雰囲気となる。「ちゃんと地図を見ろ」「見てるわよ」「曲がるならもっと早く言え」「だって近づかないとわからないもん」という具合に。 . . . 本文を読む
しかし仕事がない。なにかで収入を得なければ夫婦とも飢え死ぬか凍え死んでしまう。というような状態の時、安藤さんは「ゴールドメン・ウォンテッデ」という小さな新聞の囲み広告を発見する。この時彼は、ゴールドメンとはどんな仕事をする人かも分からなかったが、職を得るため、これはいけそうだと思って新聞広告の指定場所へ出かけたという。 . . . 本文を読む
吉田元首相の強者としての本領は、敗戦後占領軍代表のマッカーサー元帥と、対等に話のできる人物として登場したことでもうかがえる。彼はいいたいことがいえたし、付きあう人にはだれにも憎まれなかったもようである。 . . . 本文を読む
対面の日が来た。病院に向う途中(とちゅう)、息子に会えなかったのは黄疸が理由ではないことが告(つ)げられた。やはり、母は動揺(どうよう)を隠(かく)せない。結局、手も足もないということまでは話すことができず、身体(からだ)に少し異常があるということだけに留(とど)められた。あとは、実際に子どもに会って、事態(じたい)を把握(はあく)してもらおうというわけだ。 . . . 本文を読む
1848年、メキシコとの戦争に勝利してアメリカ大陸西端のカリフォルニアを獲得したアメリカは、さらに西へと向かい太平洋に進出します。内戦(南北戦争)が終わった1865年以後は、その進出は活発化し、グアムやサイパンなどを次々と併合していきます。これに危機感を抱いたハワイのカラカウア王は明治14年(1881)日本の明治天皇に助けを求めます。 . . . 本文を読む
フランクリンは1952年、自分の研究データをまとめたレポートを年次報告書として英国医学研究機構に提出した。英国医学研究機構は彼女に研究資金を提供している公的機関である。研究者は資金提供元に対して、研究成果の報告をすることが義務付けられており、その成果いかんによって資金提供継続の可否が決められるのが普通だ。だからフランクリンはあらん限りの成果を詰め込んで詳細な報告者を作り上げた。 . . . 本文を読む
昭和11年2月の1千人の陸軍部隊蜂起の始末をどのようにするか、天皇の支持を得ることになる基本原則を定めたのは陸軍将官たちを並べた軍事参議官の会議や陸軍大臣の川島義之ではなく、殺害リストに入っていなかった元老の西園寺公望でもなく、殺害から逃げのびた前内大臣の牧野伸顕でもなく、危地を脱した首相の岡田啓介でもなく、逃げ隠れしていた内務大臣の後藤文夫でもなく、ずっと地位の低い内大臣秘書官長の木戸だった。 . . . 本文を読む
遺伝情報を担っている実体が核酸であることがわかったのは1952年のことであり、核酸の一種であるDNAに人々の熱い視線が注がれるようになった。そこで熾烈な研究競争をしたのが、既にタンパク質の研究で有名であったポーリングと、まだ無名の研究生であった。ワトソンとクリックのチームであった。 . . . 本文を読む
アルザス‐ロレーヌ地方は、ドイツとフランスが国境を接する地帯である。普仏戦争の結果、今までフランス領であったのが、明日からドイツ領に変更される。したがって今日まではフランス語の授業であるが、それも今日限り、今から最後の授業をします、と先生が言って、思わず泣かせる仕掛けである。 . . . 本文を読む
たとえば、ヤモリが垂直の壁を簡単に上れる秘密は足裏にある。極細の毛がびっしりと生えていて、それが壁の小さなくぼみに入り込むと、接近した分子と分子の間で引力が働き、接着する。だから、粘液を分泌しなくても、壁に足をくっ付けたり、離したりできる。分子レベルであるナノ(10億分の1)メートルの世界での物理の原理が働いていたのだ。 . . . 本文を読む
満州は満州族の故郷であって、支那の領土であった歴史はない。たとえば万里(ばんり)の長城は、蒙古(もうこ)や満州に備える国境の城塞にほかならない。満州族が支那を支配したのが清(しん)国で、その逆ではない。清国末には、支那人の大官は清朝を裏切り、ロシアの圧力と誘惑に屈して満州をロシアに売却していたのだ。 . . . 本文を読む
経済成長が鈍化し、下層民衆の不満が爆発したときに中国は崩壊の危機にさらされる。実際のところ、現在の中国において下層民衆、人民全体の反乱によって一党独裁が覆る可能性はどれくらいあるのだろうか。 . . . 本文を読む