電脳筆写『 心超臨界 』

あなたが犯す人生最大の過ちは
過ちを犯すことを常に恐れることである
( エルバート・ハッバード )

洞爺湖サミットを新たなスタートラインにしてもらいたい――丹羽宇一郎さん

2008-04-30 | 09-生物・生命・自然
省エネ、太陽光など自然エネルギーの利用拡大、原子力発電の推進――。具体策はこの3つの手法しかない。いずれも技術開発と設備投資が必要だが、逆に考えれば、それゆえに温暖化対策が新たな経済成長の原動力にもなり得る。洞爺湖サミットを世界各国が地球環境への責任を分担する新たなスタートラインにしてもらいたい。 . . . 本文を読む

フィラハ合意が温暖化問題の社会的理解にとって必要条件となった――吉川弘之さん

2008-04-30 | 04-歴史・文化・社会
1985年に開かれたフィラハ会議の閉会の辞で座長J・ブルースは、会議の目的を「二酸化炭素(CO2)などの増加とそれが物理的あるいは社会経済的に与える影響について我々が持っている様々な科学的知識を、合意されたものとしてまとめること、及びこの合意に基づく行動を国家や国際機関が取るべく、確実な勧告を行うこと」と述べている。 . . . 本文を読む

気候変動の原因が温暖化ガスの排出にあるとする研究の歴史は古い――吉川弘之さん

2008-04-29 | 04-歴史・文化・社会
地球が月に比べて温暖で、生物の生存を可能にしているのは、地球を覆っている空気の層が保温効果を持つからだということは既にジャン・フーリエ(数学者、熱学者)が1827年に温室効果という言葉で指摘して以来長い間知られていた。そしてジョン・ティンダル(熱学者)が、1860年に空気の組成によって温室効果が変わることを実験室の実験から推定していたのだからその歴史は古い。 . . . 本文を読む

イスラムと中国が21世紀の世界を揺るがす二つの巨大なうねりとなろう――五百旗頭真さん

2008-04-28 | 04-歴史・文化・社会
一見して衝撃的なイスラムの挑戦よりも、世界システムの中でも経済づくりに成功した中国の挑戦の方が、実は手ごわいであろう。日本は中国文明を前線で受けとめる位置にあり、中東イスラム世界については、遠いが故にある種の期待を抱かれる立場にある。国際的視野をもっての21世紀日本の健闘を期待したい。 . . . 本文を読む

社会の合意に客観性を持つ科学がどのように貢献できるか――吉川弘之さん

2008-04-26 | 04-歴史・文化・社会
最近の出来事をみると、決定した人がどのように責任を取っているかが見えなくなりつつある。例えば社会保険庁事件の深刻さについて大きく報道されたが、この結果を招いた決定者が誰であり、どんな責任をとるかについて私たちには見えてこない。まさかこのまま放置するのではないと信じているが、責任と修正について、今何が進行しているのかを知りたい。 . . . 本文を読む

自然や将来世代との対話の結果を現実の国際政治の場に持ち込むのは誰か――植田和弘さん

2008-04-25 | 04-歴史・文化・社会
地球環境時代の生き方について、3つの対話を進めていかなければならない。1つは自然との対話。2つ目は将来世代との対話であり、 最後は最も現実的な世界との対話である。地球は1つだが、世界は国などに分立しており、1つではない。そのため、現実に保全策を制度化することは国家間の利害対立に阻まれて容易ではない。しかし、国際政治の壁を突破する契機は自然や将来世代との対話の中にある。 . . . 本文を読む

環境的な持続可能性を前提に生活の質の持続的向上を合意する――植田和弘さん

2008-04-24 | 04-歴史・文化・社会
今日持続可能な発展は、開発における環境と経済のかかわりを考える場合に常に立ち返る指針になている。ブルントラント委員会の報告書では、「将来の世代が自らのニーズを充足する能力を損なうことなく、今日の世代のニーズを満たすこと」と定義されている。この定義は持続可能性概念の本質を世代間衡平性という時間軸上の側面から言い当てている。 . . . 本文を読む

もっと奥深い地球という惑星の生理に目を向ける必要がある――丹羽宇一郎さん

2008-04-23 | 09-生物・生命・自然
大気中の二酸化炭素は2百年前の0.028%から増えたとはいえ、0.037%程度にすぎない。78%の窒素、21%の酸素に比べれば、ごくわずかだ。ところが同じ火星や金星の大気は二酸化炭素が95%程度を占める、という。地球で二酸化炭素が少ないのは水に溶け、固定化されたからだ。植物による吸収もある。 . . . 本文を読む

人的資本と物的資本に自然資本も加えて定常状態を考える――植田和弘さん

2008-04-23 | 04-歴史・文化・社会
J・S・ミルは、「資本や人口が定常状態にあっても、それが人間の進歩向上をも停止状態に置くことを意味しないのは言うまでもない。あらゆる種類の精神的教養や道徳的社会的進歩の余地は従来と変わらず大いにあり、『生活の技術』を改善する余地も大きい」と考えていた。定常状態にある社会をネガティブに捉(とら)えるのではなく、むしろ積極的に評価したのである。 . . . 本文を読む

左右の脳がいずれも「右脳」の性質を持つマウスを発見した――伊藤功さん

2008-04-22 | 09-生物・生命・自然
このマウスの脳を詳しく調べ、どのような遺伝子が脳の左右差形成に重要な役割を果たすかを解明できれば、将来のヒトの脳再生医療に役立つ可能性がある。 . . . 本文を読む

自然と人間の関係を正常化する理念は、「循環と共生」である――植田和弘さん

2008-04-22 | 04-歴史・文化・社会
循環とは現在の大量廃棄社会を前提に大量リサイクルを進めることを意味するものではない。むしろ、現在進められている様々なリサイクルの虚構を見抜き、循環や持続可能性を前提した物質の利用と廃棄を統一的に制御する社会経済システムの設計を志向していかなければならない。循環と持続可能性を追求する技術体系は、既存技術の再編成とシステム化を促すだろう。 . . . 本文を読む

「美しい星50」(Cool Earth50)の持つ意味を考えてみよう――植田和弘さん

2008-04-21 | 04-歴史・文化・社会
「美しい星50」は、主要排出国の参加という原則とあわせて、温暖化ガスの排出量を現状から2050年までに世界全体で半減という目標を提示した。温暖化ガスの排出量は、先進国と途上国とでは50対50の割合で拮抗している。 仮に2050年に途上国が排出する温暖化ガスの量を現状の水準としてみると、 先進国の排出量はゼロにならなければ、世界全体での排出量を半減することはできない。 . . . 本文を読む

なぜ一部の社会だけが脆(もろ)さを露呈したのか――J・ダイアモンド

2008-04-21 | 04-歴史・文化・社会
ダイアモンドは過去の崩壊した社会、もしくは存続した社会の具体例をひとつひとつ検証している。イースター島のポリネシア人社会は、徹底的な森林破壊が土壌流出や戦争につながり、最終的には大量の集団死という結末で終わった。アイスランドは脆弱(ぜいじゃく)な環境を克服して、高度の現代的な繁栄を勝ち得た珍しい成功例だと評価する。 . . . 本文を読む

今日では、その製品に付加された情報価値こそが品質となりつつある――今井茂雄さん

2008-04-20 | 04-歴史・文化・社会
情報が氾濫し、技術革新、消費の多様化、企業の社会化が進み、生活文化がいよいよ多彩に豊かになるにつれて、広告は身上とする鋭い感性とあふれる才知を発揮して、限りなくアートそのものに近づこうとしている。どこまでが詩的散文であり、どこからが全くの詩と化すのか、これは私たち日本人に独自の感性と広告受容のあり方に係わる極めて難しい問題のように思われる。 . . . 本文を読む

将棋の秘密はほかならぬ将棋の“ルール”にある――今井茂雄さん

2008-04-20 | 03-自己・信念・努力
スポーツのルールにしても同じことだが、人間はわざわざ好んでこうした不自由な約束ごと、〈アイデア〉を創造して精神や行動の自由を束縛するが、そこからこそ抗しがたい魅力、深い喜びが生まれるといった主旨であった、と思う。 . . . 本文を読む