電脳筆写『 心超臨界 』

知識が増えるほど不思議が深まる
( チャールズ・モーガン )

こころのチキンスープ 《 ラブバード 》

2024-09-16 | 06-愛・家族・幸福
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日本の歴史、伝統、文化を正しく学び次世代へつなぎたいと願っています。
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東京裁判史観の虚妄を打ち砕き誇りある日本を取り戻そう!
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  希望とは、翼を持ち
  人の魂に止まるもの
  そして、歌詞のない
  メロディーを歌い、
  いつまでも歌いやまないもの
    ――エミリー・ディッキンズ


◆ラブバード

「こころのチキンスープ 11」
( ジャック・キャンフィールド他、ダイヤモンド社、p18 )

ラブバード(訳注:つがいの仲のいい各種のインコ)。結婚したてのころ、私たちはこう呼ばれていました。

ダンと私は、この呼び名にふさわしいカップルだったと思います。経済的には大変でした。学生結婚でしたから、私たちは働いて学費を稼がなくてはならなかったのです。小さなアパートに住み、アイスクリームひとつ買うにも、何日も倹約しなくてはならないこともありました。それでも毎日が天国のようでした。そう、愛こそがすべてだったのです。

やがて私たちは「ラブバード」という言葉を聞くたびに、鳥を飼ってみたいと思うようになりました。そして、つがいのラブバードを手に入れるため、貯金し始めたのです。もちろん鳥と鳥かごの両方を買う余裕はなかったので、鳥かごのほうはダンが時間を見つけて手作りしました。できあがった鳥かごを、私たちはブラインドのかかった窓の前に置き、「ラブバード」と書いた封筒がお札や小銭でいっぱいになるのを待ちました。ついにその日が来ると、私たちは、わが家に新しい家族を加えるため、近くのペットショップに出かけました。

私たちは、小型のインコを買うことに心を決めていました。ところが、カナリアの歌声を聞いたとたん、二人とも気が変わってしまいました。結局私たちは、元気な黄色の雄と愛らしい白の雌のカナリアを選び、この若いカップルにそれぞれサンシャインとスノーボールと名前をつけました。

毎日いそがしく飛び回っていたおかげで、私たちはこの新しい友人たちとゆっくり過ごすことはできませんでした。夕方家に戻るたびに、賑やかな歌声で迎えてもらえるのは何よりの喜びでした。カナリアのカップルも、この上なく幸せそうでした。

しばらくすると、若いカナリアのカップルが家庭を築けるよう、私たちは巣作りの場所と材料を用意してやりました。すると案の定、彼らはすっかり気をそそられたようです。スノーボールは、巣作りのデザインと装飾をきびしく監督し、サンシャインは愛情に顔を輝かせて、すべてを彼女が指示したとおりに、一生懸命仕上げていきました。

そしてある日、卵がひとつ出現しました。彼らがどんな歌をさえずったことか! 数週間後、小さなひながかえり、彼らの幸せはとどまるところを知らないかのように見えました。どういうわけか、赤ちゃんは鮮やかなオレンジ色をしていました。そこで私たちは、赤ちゃんにパンプキンヘッドと命名しました。

喜びにあふれた日々が過ぎていきました。私たちのひなが巣から止まり木に飛び立ったときは、みんなどんなに誇らしく思ったことでしょう!

ところがある日、そのパンプキンヘッドが突然、止まり木からまっさかさまに鳥かごの床に落ちてしまったのです。小さなオレンジ色の鳥はその場に倒れました。助けようと親鳥も私も駆け寄りました。

しかし、ひなは死んでいました。そのままの格好で、落下する前に心臓発作を起こしたのか、落ちたときに首の骨を折ったのかはわかりません。いずれにしても、パンプキンヘッドは死んでしまったのです。

どちらの親も悲しみに沈みましたが、とりわけ母鳥はなぐさめようもない始末でした。彼女は、サンシャインや私が哀れな小さなひなの体に近づくのも許してくれません。そのくちばしからは、いつもの陽気な歌声は聞かれなくなり、いかにも耐え難い嘆きの声だけがもれてきます。悲しみが、感情も喜びも意志もことこどく奪ってしまったかのようでした。

気の毒なサンシャインは、どうすればいいのかわからない様子でした。妻を悲劇の場所から遠ざけようと試みるのですが、彼女は頑として譲りません。それどころか、愛する子どもを必死に生き返らせようと何度も何度も試みるのでした。

ついにサンシャインは、一策を講じたようです。上に行って餌を食べるよう、繰り返し妻を説得し、そのあいだ自分が代わりに付き添いを務めたのです。そして毎回、巣から藁(わら)を一本抜いてパンプキンヘッドの体にそっと置きました。ほんの一本ずつ。数日のうちに、その体はすっかり藁で覆い尽くされました。

スノーボールは最初はわけがわからず、きょろきょろとあたりを見回していましたが、ひなの体から藁をどけるようなことはしませんでした。そしていつもの止まり木に戻り、そこに落ち着くようになりました。ようやく私はそっと手を伸ばして、小さな遺体と藁の死装束をすっかり取り除くことができたのです。

その後も、サンシャインはスノーボールをずっとなぐさめ続けました。彼女は以前のような声を出し始め、ある日ついに、もう一度歌を歌ったのです。

スノーボールがサンシャインの静かな愛と癒しの行為に気づいていたかどうか、私にはわかりません。でも、このカップルは生涯、喜んで互いに献身し合いました。

愛こそがすべてでした。とりわけカナリアのつがいにとっては。
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