電脳筆写『 心超臨界 』

あなたが犯す人生最大の過ちは
過ちを犯すことを常に恐れることである
( エルバート・ハッバード )

中国古代専制国家の官僚組織――西尾幹二教授

2016-09-30 | 04-歴史・文化・社会
中国研究は、まだ本格的には手をつけられていない未開拓の分野であると思う。2千年にわたって日本人はこの国をいたずらに理想化し、そこから適切に距離をとることができなかった。既成の中国研究家たちに対する――江戸の儒学以来の伝統も含めて――私の苛立ちと絶望は、たとえようもなく深いのである。 . . . 本文を読む

西洋文明の価値観との関係で出てきた天皇観――西尾幹二教授

2016-09-27 | 04-歴史・文化・社会
神武天皇へと遡る天皇譜が、日本の天皇制を根拠づけていることは明白です。ところが中西さんから出された、明治期の国家神道政策は、「緊急退避的」なものであったというご指摘の通り、それ以前では神話信仰と天皇制信仰が、それほど体系化せずに漠然と併存してきたのです。そして対外危機のたびごとに意識化されるにすぎなかった天皇の存在が、明治になって強く近代精神と結びつき、きわめて防衛的に出たといってよいわけでしょう。 . . . 本文を読む

天命思想と徳治主義――西尾幹二教授

2016-09-18 | 04-歴史・文化・社会
中国史はめまぐるしい王朝交代の歴史であり、易姓革命の連続であったといってもほぼ等しい。それに対し日本の天皇の地位は、天照大神の子孫によって受け継がれるもので、血統世襲が重んじられ、必ずしも徳治主義によっていない。天皇は徳が高いにこしたことはないが、道徳とか人格とかいったような人間尺度の問題から解放されるということがむしろ大切とされる。それを近代に入って理論的に唱えたのは、幕末の後期水戸学のパイオニア、藤田幽谷(ゆうこく)の『正名論』であった。 . . . 本文を読む

「立憲主義」とは何か――西村幸祐さん

2016-09-15 | 04-歴史・文化・社会
平成27年(2015)の安全保障法制法案の審議開始以来、特に、同年6月4日の衆院憲法審査会で3人の憲法学者が全員、集団的自衛権の行使容認は憲法違反だと陳述して以来、「立憲主義」が法制反対派の間で喧(やかま)しく言い立てられるようになった。彼らは「立憲主義」を、憲法は時の権力者を縛るために存在するのであるから、憲法を守らない安倍政権は権力の暴走政権だ、「危ない! キケン! 恐ろしい!」という意味合いで使用する。 . . . 本文を読む

ユダヤ難民救援の実像――早坂隆さん

2016-09-12 | 04-歴史・文化・社会
昭和13年3月、ナチスの迫害からソ満国境のオトポールという街まで逃避してきた多数のユダヤ難民に対し、樋口は特別に通過ビザを発給するよう指導。このビザを手にした多くのユダヤ人が、尊い命をつなぐことができた。これは、杉原の「命のビザ」発給よりも2年半前にあたる話である。 . . . 本文を読む

「ノーマンズ・ランド」に流れこんだ大衆の姿――渡部昇一教授

2016-09-11 | 04-歴史・文化・社会
これに対して、蒋介石の国民政府は国際連盟に提訴するなど、外交的に反対運動は盛んに行なったが、実際には、日本軍に対して、その軍隊の一人をも動かそうとしなかった。蒋介石たちは東三省(満州)は関外(かんがい)の地、つまり山海関(さんかいかん)の北、万里の長城の北で、伝統的なシナの領土ではない、という認識があったので、日本軍がそこから出てこないかぎりは満州国の独立は黙認してもよい、という考え方だったと伝えられている。 . . . 本文を読む

敗戦後、アメリカは日本の歴史を抹殺しようとした――渡部昇一教授

2016-09-07 | 04-歴史・文化・社会
最近、『一度も植民地になったことがない日本』という書物を目にした。しかし、私にいわせれば、日本が植民地状態に置かれた時期はあった。というよりは、今、そういう状態にある。敗戦以来、日本は植民地的な状況にあるといったら、驚く人も多いだろう。しかし、そのこと以上に私は、日本最大の国難は、敗戦後の日本がその状況の中で日本人としての誇りを失ったことにあると考えている。 . . . 本文を読む

平和になった江戸時代が育んだもの――渡部昇一教授

2016-09-06 | 04-歴史・文化・社会
徳川時代になって民衆が豊かになったと言ったが、その背景として、徳川時代は平和絶対主義を掲げ、「元和偃武(げんなえんぶ)」の名のもと、一国一城制の支配体制の強化を図っていったことは先述した。元和とは元号を指し、元和元年の「大坂夏の陣」を最後に応仁の乱以来続いた戦乱が終了し太平になったことをこの言葉によって知らしめた。「偃武」とは『書経』に由来しており、「武器を偃(ふ)せて武器庫に収めること」を意味している。 . . . 本文を読む

マキアヴェッリ語録――塩野七生さん

2016-09-05 | 04-歴史・文化・社会
わたしがここに書く目的が、このようなことに関心をもち理解したいと思う人にとって、実際に役立つものを書くことにある以上、想像の世界のことよりも現実に存在する事柄を論ずるほうが、断じて有益であると信ずる。古今東西多くの賢人たちは、想像の世界にしか存在しえないような共和国や君主国を論じてきた。しかし人間にとって、いかに生きるべきかということと、実際はどう生きているかということは、大変にかけ離れているのである。 . . . 本文を読む

大和国の日の御子――西尾幹二教授

2016-09-04 | 04-歴史・文化・社会
日本神話における天照大神は、高天原(たかまのはら)における君主であるとともに自らの祭儀を司る神であった。祭司であるとともに君主であるという一点において、邪馬台国の卑弥呼と軌を一にしているといっていい。卑弥呼もまた女王であり、その統治は「衆を惑わす鬼道」によるとされている。中国人らしく異国のものを見下した言い表し方であるが、倭女王の力が神秘的権威を秘めていることを認めた言い方でもある。 . . . 本文を読む

侵略者日本の残虐暴いた英記者――岡部伸さん

2016-09-01 | 04-歴史・文化・社会
【ロンドン=岡部伸】中国の習近平国家主席が昨年10月に訪英した際、第二次大戦で「侵略者日本の残虐行為を暴いた」と称賛した英国人記者が、所属したとされる英新聞社に在職記録はなく、中国側が「日本の残虐行為だ」と主張する「南京事件」の現場にもいなかったことが30日までに明らかになった。 . . . 本文を読む