電脳筆写『 心超臨界 』

あなたが犯す人生最大の過ちは
過ちを犯すことを常に恐れることである
( エルバート・ハッバード )

韓国と朝日新聞 酷似する手法――阿比留瑠比さん

2019-02-28 | 04-歴史・文化・社会
見事な連携プレーだと感心した。朝日新聞と韓国のことである。朝日は23日付朝刊の解説記事「いちからわかる!」欄で、1919年に日本の朝鮮半島統治に抵抗して起きた「3・1独立運動」についてこう断じていた。「そもそも元徴用工や元慰安婦の問題は、日本の統治がなければ起きなかったこと」。すると韓国紙、中央日報日本語版は25日、この分を含めて朝日の記事を抜粋した「朝日新聞『日本の統治がなければ徴用工・慰安婦問題起きなかった』」との見出しの記事を配信したのである。 . . . 本文を読む

日本が鎖国できなくなった瞬間は1762年――倉山満さん

2019-02-28 | 04-歴史・文化・社会
我が日本にとって重要なのは、1762年です。フランスと同盟を組むスペインが、いまさら参戦してきました。老大国のスペインなど、イギリス海軍にとっては獲物にすぎません。スペインが世界中にもつ植民地のどこを攻撃しもよい! イギリス海軍は小躍りしました。そしてスペイン領フィリピンの首都・マニラを攻略しました。この瞬間鎖国ができなくなっていたのです。その理由を説明する前に戦争の帰趨だけ述べておきましょう。 . . . 本文を読む

魔法の杖は非核化条件――湯浅博さん

2019-02-27 | 04-歴史・文化・社会
劇場型の米朝2人の指導者が、互いを勝者とたたえ合う舞台に、ベトナムを選んだのは意義深い。いったい米朝首脳会談に「魔法の杖(つえ)」が隠されているのか、あるいは単なる「時間の無駄」に終わるのかは、なお霧の中だ。だが、会談場所を提供したベトナムが、北朝鮮に対して経済モデルを提供し、かつ大国に勝利を収める裏技を伝授できる余地は出てきた。そう考えるのは、かねて、大国の流儀に対するベトナムの知略に敬意を表してきたたからだ。 . . . 本文を読む

世界史教科書風の年表が、いかに罪深いか――倉山満さん

2019-02-27 | 04-歴史・文化・社会
気の利いた先生なら、「ポルトガルはアメリカに、スペインはアメリカ大陸に植民地をつくっていった」と解説してくれるでしょう。生真面目な生徒は、解説ごと丸暗記します。かくして、自虐的な子供の出来上がりです。なぜでしょうか。とくに日本を貶(おとし)めるような記述はありません。だから問題なのです。世の中、何が書いてあるかよりも何が書いていないかのほうが大事なのですから。人を騙すときには、嘘をつくよりも、大事なことを隠して教えないほうが、より効果的なのですから。 . . . 本文を読む

中越戦争40年の“地雷”――藤本欣也さん

2019-02-26 | 04-歴史・文化・社会
ボロボロになった退役軍人証明書がある。敗れた表紙をめくると、「華国鋒主席」の顔が印字してあった。1981年1月に交付された証明書だった。持ち主、王志軍さん(仮名)=(61)=は、退役2年前の中越戦争で負傷した元人民解放軍兵士だ。「ベトナム軍は退却と銃撃を繰り返し、敵地深く誘い込む作戦のようでした」。79年2月17日の開戦ともに、当時21歳の王さんは雲南省から川向こうのベトナム・ラオカイに向けて進軍した。 . . . 本文を読む

「人民元通過スワップは日本企業のため」というおためごかし――田村秀男さん

2019-02-26 | 05-真相・背景・経緯
【田村】 人民元の通過スワップについて、私は産経新聞の1面で批判記事を書きました。中国に日本の円を渡す話だから人民元通貨スワップは中国救済策になるという前提で、アメリカのトランプ政権を怒らせないかと書いたら、財務省の高官のA氏から安倍総理に叱られたと産経新聞社に言ってきたので、直接、彼と会って話しました。これは麻生財務大臣も記者会見で言っているが、通貨スワップはインドに対するような通貨危機対策の問題ではなく、日本企業が中国国内で資金調達をするときに使われるもので、もっぱら日本企業のためだという。 . . . 本文を読む

中国の「借金の罠」に嵌るアジア諸国――宮崎正弘さん

2019-02-25 | 04-歴史・文化・社会
【宮崎】 タイの新国王がクラ運河建設に前向きとされるや、タイ国内の経済界が相手にしなかったプロジェクト構想が緒に就こうとしているのです。むろん、中国の積極的なタイ政・財界根回しが背後にある。クラ運河はタイの地政学的要衝としての有利さがあり、海洋航路の短縮、効率的運搬の拠点として有望とされ、もし完成すれば、マラッカ海峡という迂回路をバイパスできる。つまり、タイの国益というより、中国の国益につながる。マラッカ海峡の代替ルートですから、一番裨益(ひえき)するのは中国となります。 . . . 本文を読む

対北制裁強化こそ非核化の近道――李相哲さん

2019-02-22 | 04-歴史・文化・社会
2回目の米朝首脳会談が近づいているが、北朝鮮が非核化に向けて意味のある行動をとろうとする兆候はみられない。新年の辞で金正恩朝鮮労働党委員長は米国に「世界の前で行った約束」を履行せよと迫った。「米国の約束」とは、シンガポール会談で交わされた共同声明の中の、新たな米朝関係の確立(第1項目)、平和体制の構築(第2項目)に向けての米国の行動だ。具体的には、関係確立のための制裁緩和措置を、平和構築のための終戦宣言や米韓合同軍事演習の永久中止などを求めたものだ。 . . . 本文を読む

曹操をわが身に比した毛沢東――伊藤肇さん

2019-02-22 | 03-自己・信念・努力
また文学者の花田清輝も、「おそらく、一般にいわれているように、曹操の名声が地におちたのは、宋朝あたりからであろう。唐末から五代にかけての混乱のあとを受けてたった宋の連中には、漢の時代のヒエラルキー(ピラミッド型階層組織)に対してあこがれのようなものを感じていた。したがって、その漢朝にとどめの一撃を加えた曹操に好意をもつはずがなかった」(『随筆三国志』)といい、「毛沢東にいたっては、非の打ちどころのない変革者である曹操を、わが身に比し、大いに得意になっている詩まで残した」と1954年の夏につくられた毛沢東の「浪淘沙」を紹介している。 . . . 本文を読む

活動家が歴史教科書問題に介入――李相哲さん

2019-02-21 | 04-歴史・文化・社会
文在寅政権発足後、韓国の各政府機関には調査委員会やタスクフォースと呼ばれる作業チームが「進駐」した。中国の文化大革命時代に各政府機関に「進駐」して権力をふるった「革命委員会」に似たものだ。韓国の外務省や情報機関の国家情報院など最高機密を扱う組織に市民活動家が入り込み、メインサーバーをのぞいて過去の政権の“過ち”を見つけ出す作業はいまも続いている。国家百年の大計をつかさどる教育分野も同様だ。朴政権が進めていた「歴史教科書国定化」問題を調査する委員会が作られ、教科書執筆依頼を受けていた学者にまで調査は及んでいる。 . . . 本文を読む

文在寅が引用した金日成主義者の言葉――李相哲さん

2019-02-20 | 04-歴史・文化・社会
2月9日。各国の首脳らが集う平昌五輪の開幕レセプション会場に現れた文は、やはり満面の笑みを浮かべて次にように歓迎の辞を述べた。「私が尊敬する韓国の思想家、申栄福(シンヨンボク)先生は冬の寒さを耐えるために隣の人の体温を利用するのを、“原始的友情”だと温かく表現されました」。いてつく寒さの中で温かい友情を分かちあおうと、さりげなく「韓国の思想家」の言葉を引用したと考えた首脳もいたかもしれない。しかし、北朝鮮の最高人民会議常任委員長、金永南(キムヨンナム)だけは文の「深意」を瞬時に察したのではないだろうか。 . . . 本文を読む

米朝首脳会談で浮上する強硬論――古森義久さん

2019-02-19 | 04-歴史・文化・社会
2回目の米朝首脳会談がほぼ1週間後に迫った。トランプ大統領と金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長は、ベトナム・ハノイでのこの会談で何を達成するのか、しないのか。米側の専門家たちの間ではその予測が盛んとなった。多様な見通しの中では、トランプ氏が、北側は結局、完全な非核化に応じる意図がないと判断した場合の「最悪シナリオ」の浮上が注視される。その展望では、北朝鮮への制裁による圧力の最大強化から軍事手段までが、また現実味を帯びるからだ。 . . . 本文を読む

ヴェノナ文書を歴史戦に生かせ――江崎道朗さん

2019-02-18 | 04-歴史・文化・社会
「記憶を失った個人が、どこにいたかどこへ行くかも分からずに、まごついて呆然(ぼうぜん)とするのと同様に、自らの過去についての概念を持たぬ国民は、自分たちの現在を、そして将来を処理することができなくなるだろう。国民的自己同一性を想定する手段として、歴史それ自体が歴史を形成する手段となるのである。だとすると、歴史を書くということは、単なる思索から武器へと転化する」(アーサー・シュレージンガー) . . . 本文を読む

フリーダム――江崎道朗さん

2019-02-18 | 04-歴史・文化・社会
平成20年にアメリカを代表する民間シンクタンク、ヘリテージ財団の研究員リー・エドワーズ博士による『現代アメリカ保守主義運動小史』(邦訳は明成社刊)を邦訳・刊行しました。この邦訳に際して最も問題になったのが「liberty」や「freedom」の訳語でした。英語の「liberty」も「freedom」も日本語に直すと共に「自由」ということになりますが、邦訳を担当してくださった渡邉稔さんと話し合っているうちに、後者の「フリーダム」は「自由」というよりも「自主独立」と訳す方が適切ではないのか、という話になったのです。 . . . 本文を読む

ナイチンゲールと統計不正――井伊重之さん

2019-02-17 | 04-歴史・文化・社会
「近代看護の母」と呼ばれる英国のフローレンス・ナイチンゲールは、優秀な統計学者としても知られている。その名を一躍広めたのは、ロシアとトルコが争ったクリミア戦争(1853~56年)に英国が参戦し、従軍看護婦のリーダーとして派遣されたことだった。そこで目にしたのは、戦地の劣悪な衛生環境の下で次々に倒れていく英国兵士の姿だ。ナイチンゲールは、戦闘による死傷者よりも病気などで死亡する兵士の方が多いという実態を報告した。その戦地報告が契機となって野戦病院の衛生状態が大きく改善され、兵士の死亡率は劇的に低下したという。 . . . 本文を読む